国の住宅政策の基本方針を定める「住生活基本計画(全国計画)」が見直しの時期に差し掛かっています。
現在、「住生活基本計画(全国計画)の変更(案)」へのパブリックコメントの募集が行われています。
「住生活基本計画(全国計画)の変更(案)」に関する意見の募集について
住まいの貧困に取り組むネットワークでは、2月1日に下記のパブリックコメントを提出いたしました。
パブリックコメントの募集締め切りは2月9日です。当ネットワークの意見を参考にしていただき、多くの方にパブリックコメントを出していただければと思います。
ご協力よろしくお願いいたします。
*********************
住まいの貧困に取り組むネットワークが提出したパブリックコメント
【該当箇所】
1. はじめに
2. 第1 住生活をめぐる現状と課題」
3. 目標5
【ご意見】
1. 基本的な問題点
変更案は以下の国民の住生活にとって不可欠な課題等の記載がなく、「国民の住生活の安定の確保」を図るべき「住生活基本計画(全国計画)」(住生活基本法第15条)とはいえない基本的な問題点がある。
(1)「はじめに」および「住生活をめぐる現状と課題」には、コロナ禍のもとでの国民の住生活の困難、困窮についての記述が一切ない「現状と課題」となっていること。
(2)「国民の住生活の安定の確保」の最大の課題である「住居費負担、家賃負担」およびその軽減施策についは、変更案全体を通じて記述がなく、何のため、誰のための「住生活基本計画」かという根本問題がある。
(3)国民の住要求の第1である公営住宅について、「目標5」では「住宅セーフティネットの中心的役割を担う」としているが、公営住宅の現状と課題、中心的役割を果たしていく施策の記述も全くない「全国計画」である。
以上の重要問題について、「変更案」を全面的に見直し記述すべきである。
以下それぞれの項目について意見を述べる。
2.「はじめに」について
分科会の「中間とりまとめ」では、「新型コロナウイルス感染症の感染、拡大を契機として、・・・、今後の経済情勢や雇用情勢によっては、居住の安定確保が一層求められる場面が生じる、・・」としていた。
この当然の提起と記述からも、「新型コロナウイルス感染症の拡大」による住生活の実態について、「住居確保給付金」の支給の増大、家賃の滞納、住宅ローン返済の滞納、住居を失う人々の増加などを明記すべきである。
3.「現状と課題」について
前記コロナ禍の住宅問題を「はじめに」と合わせ分担して記述するとともに、「住居費、家賃負担」の現状と課題を明らかにする必要がある。「全国計画」は「住宅・土地統計調査」(2018年)の結果を反映、利用することになっている。「この調査結果は、住生活基本法に基づいて作成される住生活基本計画などの諸施策の企画、立案、評価等の基礎資料として利用」することになっているが、それらの反映は全体を通じて見られない。
特に「民営借家、公営借家、UR・公社の借家」の家賃負担の推移と現状を明記すべきである。そして、「公的借家」の戸数の推移と現状も示し、借家の課題を記述すべきである。
4.「目標5」について
「住宅確保要配慮者が安心して暮らせるセーフティネット機能の整備」としているが、変更案は「安心して暮らせる」施策になっていない。
第1に、前記の「公営住宅」について、新規建設と供給(借上げ、買取りを含む)、現行制度の改善など抜本的拡充・強化の施策を示す必要がある。第2に、「セーフティネット住宅の・・・家賃低廉化の推進」とあるが、殆ど機能していない状況の中で、全国的な家賃補助制度の創設を提起すべきである。
なお、分科会(第53回)の委員の意見として、「セーフティネットの中の家賃低廉化というのは非常に大きなポイント。特に、住宅確保要配慮者において、家賃低廉化ということをどう進めるががポイントとなる」としている。
この意見に示されるように、当面「家賃低廉化」の抜本的拡充、改善を明記し、実行すべきである。
第3に、「住宅確保要配慮者の入居・生活支援」については、前記分科会で、「居住支援法人をどう育てるか、居住支援法人をこれからどう考えていくか、もう一歩踏み込んで・・」との委員の意見が出された。これに対する具体的な記載はない。各地の居住支援協議会と居住支援法人の役割を重視し、公的賃貸住宅入居者への居住支援を包含した活動を行っていく必要がある。そのための育成補助、各種援助策を具体化し、明記すべきである。
5.「在留外国人」の「住生活の安定の確保」について
「住生活をめぐる現状と課題」で「在留外国人の数は約293万人となっているが・・・」などと述べているが、「目標5」で「多言語化した契約書等の普及啓発」というだけである。外国人の住生活安定確保の基本的施策を明記する必要がある。
【理由】
各項目にそれぞれ、理由を含めた意見として記述している。
現在、「住生活基本計画(全国計画)の変更(案)」へのパブリックコメントの募集が行われています。
「住生活基本計画(全国計画)の変更(案)」に関する意見の募集について
住まいの貧困に取り組むネットワークでは、2月1日に下記のパブリックコメントを提出いたしました。
パブリックコメントの募集締め切りは2月9日です。当ネットワークの意見を参考にしていただき、多くの方にパブリックコメントを出していただければと思います。
ご協力よろしくお願いいたします。
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住まいの貧困に取り組むネットワークが提出したパブリックコメント
【該当箇所】
1. はじめに
2. 第1 住生活をめぐる現状と課題」
3. 目標5
【ご意見】
1. 基本的な問題点
変更案は以下の国民の住生活にとって不可欠な課題等の記載がなく、「国民の住生活の安定の確保」を図るべき「住生活基本計画(全国計画)」(住生活基本法第15条)とはいえない基本的な問題点がある。
(1)「はじめに」および「住生活をめぐる現状と課題」には、コロナ禍のもとでの国民の住生活の困難、困窮についての記述が一切ない「現状と課題」となっていること。
(2)「国民の住生活の安定の確保」の最大の課題である「住居費負担、家賃負担」およびその軽減施策についは、変更案全体を通じて記述がなく、何のため、誰のための「住生活基本計画」かという根本問題がある。
(3)国民の住要求の第1である公営住宅について、「目標5」では「住宅セーフティネットの中心的役割を担う」としているが、公営住宅の現状と課題、中心的役割を果たしていく施策の記述も全くない「全国計画」である。
以上の重要問題について、「変更案」を全面的に見直し記述すべきである。
以下それぞれの項目について意見を述べる。
2.「はじめに」について
分科会の「中間とりまとめ」では、「新型コロナウイルス感染症の感染、拡大を契機として、・・・、今後の経済情勢や雇用情勢によっては、居住の安定確保が一層求められる場面が生じる、・・」としていた。
この当然の提起と記述からも、「新型コロナウイルス感染症の拡大」による住生活の実態について、「住居確保給付金」の支給の増大、家賃の滞納、住宅ローン返済の滞納、住居を失う人々の増加などを明記すべきである。
3.「現状と課題」について
前記コロナ禍の住宅問題を「はじめに」と合わせ分担して記述するとともに、「住居費、家賃負担」の現状と課題を明らかにする必要がある。「全国計画」は「住宅・土地統計調査」(2018年)の結果を反映、利用することになっている。「この調査結果は、住生活基本法に基づいて作成される住生活基本計画などの諸施策の企画、立案、評価等の基礎資料として利用」することになっているが、それらの反映は全体を通じて見られない。
特に「民営借家、公営借家、UR・公社の借家」の家賃負担の推移と現状を明記すべきである。そして、「公的借家」の戸数の推移と現状も示し、借家の課題を記述すべきである。
4.「目標5」について
「住宅確保要配慮者が安心して暮らせるセーフティネット機能の整備」としているが、変更案は「安心して暮らせる」施策になっていない。
第1に、前記の「公営住宅」について、新規建設と供給(借上げ、買取りを含む)、現行制度の改善など抜本的拡充・強化の施策を示す必要がある。第2に、「セーフティネット住宅の・・・家賃低廉化の推進」とあるが、殆ど機能していない状況の中で、全国的な家賃補助制度の創設を提起すべきである。
なお、分科会(第53回)の委員の意見として、「セーフティネットの中の家賃低廉化というのは非常に大きなポイント。特に、住宅確保要配慮者において、家賃低廉化ということをどう進めるががポイントとなる」としている。
この意見に示されるように、当面「家賃低廉化」の抜本的拡充、改善を明記し、実行すべきである。
第3に、「住宅確保要配慮者の入居・生活支援」については、前記分科会で、「居住支援法人をどう育てるか、居住支援法人をこれからどう考えていくか、もう一歩踏み込んで・・」との委員の意見が出された。これに対する具体的な記載はない。各地の居住支援協議会と居住支援法人の役割を重視し、公的賃貸住宅入居者への居住支援を包含した活動を行っていく必要がある。そのための育成補助、各種援助策を具体化し、明記すべきである。
5.「在留外国人」の「住生活の安定の確保」について
「住生活をめぐる現状と課題」で「在留外国人の数は約293万人となっているが・・・」などと述べているが、「目標5」で「多言語化した契約書等の普及啓発」というだけである。外国人の住生活安定確保の基本的施策を明記する必要がある。
【理由】
各項目にそれぞれ、理由を含めた意見として記述している。
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