今は昔の物語 ・9
透明「ふ~っ・・・備えが足りなかったか・・・。」
そう言うと、開けた扉を閉め、歩きだす
透明「まったく情けない」
私は、このフロアーにある全ての部屋の扉を
開けずに元来た道を戻ってゆく
足速に歩を進めると、先程入ってきた出口の下に
たどり着く・・・。
透明「やっぱり居たか」
「おお~~~っ 」
このフロアーは、降りてきた方向の先が広くなり、
自然と前に進むようになっているが、
実は、それ以外にも、進める場所があった
それは、降りて来た方向の逆
そこにも少し奥行きがあったのだ
階段の裏には、さっきの物体・・・。
少し考えれば、一番可能性が高かったはずなのに
要するに、その先に次の階段があるはずだ
「おお~~~っ 」
謎の物体は、また私を補足すると近づいてくる・・・。
透明「・・・・・もう、いいよ
わかったよありがとう」
「お お・・お ・・・・お・・・。」
近づいて来ていた謎の物体は、壊れた映像のように
細切れに映りながら、消えてゆく
透明「足りなかったのは、私の覚悟
それを教えてくれて、ありがとうね
ここからは、気を引き締めて行くよ」
死と隣り合わせ、未知との出会い
いわくだらけの建物
全ての恐怖は、映像となり自らの恐怖を映し出す
幻覚の粋を集めて作られたフィールドには、
覚悟を持たずに入った者の精神を破壊するに余りある
威力があった・・・。
私は、己が作り出した幻覚の先に歩を進める
透明「・・・この部屋か」
「ギギギッ 」
透明「あった下への階段」
古ぼけた部屋の中央には、立派な階段が
待ち構えていた・・・・。
透明「しかし・・・部屋のど真ん中に階段とか
趣味悪いんだけど・・・
でも、これで進める」
透明第一関門突破です
続く ・・・。
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