異界の門を探せ・１６

異界の門を探せ・１６


私は、柏田くんを落ち着かせながら

コーヒーを注文し、やっとこさ一息つく



柏田「先生・・・やっぱり、この世は

　　　不思議でいっぱいですね」


うわぁ～今日一、良い顔しながら

遠くを見つめてるよ・・・・。


透明「まあ、その通りではあるけど、

　　　さすがに今回みたいなのは

　　　今後は遠慮したいけどね」

柏田「え～っどうしてですか」

透明「たぶん、柏田くん達にとっては

　　　異世界の存在を知れたことや

　　　異世界への可能性を考えて

　　　ワクワクが止まらないと思うけど、

　　　あれはそんなに安易に考えられるほど

　　　単純な案件じゃなかったんだよ」

柏田「えっ」

透明「そもそも、異世界とはなんぞや」

柏田「えっ異世界って・・・。」

透明「異世界というのは、この世界と同じ

　　　魂が修行するいくつかのフィールドを

　　　言うのだけど、あくまでもそれは

　　　１回の修行につき、１フィールドと

　　　決まっているものなんだ」


私は、柏田くんに並行世界についての知識を

簡単に説明することに・・・。

この話だけでも柏田くんにとっては御馳走だった

ようで、食い入るように話を聞いていた・・・。



柏田「そ、そ、それじゃぁ～もし、あの時

　　　自分があの中に飛び込んでいたら・・・」

透明「たぶん、生きては戻れないと思う

　　　並行世界には君の分け御霊が存在するから

　　　その魂を引かれ合って、そのまま修行は

　　　強制終了となる

　　　これは、異世界でもこちらの世界でも

　　　起こりうる現象で、ドッペルゲンガー

　　　とも呼ばれている」

柏田「そ、そっかこちらが行かなくても

　　　今回みたいに、空間に穴が開いて、

　　　あちらから入ってくる人もいるのか

　　　そう考えると、恐ろしいことですよね」

透明「そうだね・・・ちなみに、この国で

　　　神隠しと呼ばれる行方不明者が

　　　年間何人いるか知ってる」

柏田「えっいや考えたことも・・・。」

透明「ほとんどの人が調べたりしないよね

　　　ただ事実として、男女あわせて

　　　年間８万～９万人が行方不明になっている

　　　もちろん、その全てがこういった現象に

　　　関わってる訳では無いけど、この中の

　　　１割でもこういったことが原因で

　　　行方がわからなくなっていたとしたら・・・。」

柏田「そ、それって、普通に犯罪に巻き込まれる

　　　確率より・・・高くないですか」

透明「まあ、単純に考えればだけどね

　　　こういうことは予備知識がしっかりあれば

　　　未然に防げるけど、ほとんどの人が

　　　そんなことを知らないからね」

柏田「予備知識」



　　　　　　　　　　　続く・・・。




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