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本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

フィギュアスケート 全日本選手権 2023 男子。

2023年12月25日 | フィギュアスケート。
今シーズンはついにグランプリファイナルもスルーしてしまった……
なので海外勢が今どうなっているのかさっぱりわからない。
――ふんふん、なるほど。男子ファイナル出場はシャオ・イムファとマリニンとエイモズね。
6人中フランス2人は快挙だが、それは小粒化しているという側面もあるのではないか……
出場選手を辿って行っても、日本人以外の海外勢で知っている人は5、6人。

ここ2、3年くらいマジメに見てないから成長した人々を知らないだけであるのは
間違いないが、昔の、綺羅星のごとくに実力者が並んでいた時代とは違うんだろうなあ。
……と思ってしまう。ロシア選手の参加がない点もその傾向に拍車をかけてる。

ロシア選手を参加させないのは妥当だとは思う。主にドーピング問題で。
だが参加させなければ全体の、おおざっぱにいって半分くらいの内容が無くなるわけで、
そういう意味では世界大会の意味が半減する。
でもさらにいえば、特に女子に顕著だけれども、ロシア勢が参加すると、
多くが非常に高いレベルの量産型だから「上手いけれども面白くない」演技を
たくさん見なければならなくなるんだよなー。
ジレンマがある。

まあ全日本の話をしようか。全日本も正直いえば義務で見てるんですけどね。


※※※※※※※※※


男子ショート。

山本草太は好きで贔屓だが、今回の曲と振り付けは疑問がある。
曲が本人に似合っていないと思うし、曲を活かした振り付けだと思えない。
曲の選定からして、もっと魅力的なプログラムはいくらでも作れたんじゃないかと
思ってしまう。見てて面白くなかった。残念だ。
山田御大はいつまでもお元気ですね。

三浦佳生。4S良かったな。ジャンプの軸が細い。キレ具合が上がった気がするね。
ただ曲がちょっと退屈かなー。平坦な曲で滑るのは(平坦な曲で観客の情動を動かせるまで
滑るのは)難しいことだと思うよ。
最後の振り付けが目新しくて良かった。

佐藤駿。おお。色気が出てきたではないですか。が、ジャンプ後の姿勢がいま一つ。
あとメリハリがもう少し欲しい。力強さも。
まあ今回は柔らかさを目指しているんだろうが。最終的にはどちらも必要だからな。

鍵山。やっぱりこの人とショーマとは他とはレベルが1つ違いますね。
ワールドクラス。だがどこかが物足りないんだよなー。
曲も振り付けもいいんだけどなー。 おお!カロリーナ・コストナーか!振付師?
怪我明けだから仕方ないか。

友野一希は世界に出てから長いし、個性も武器もそれなりにあるのに、
大輪の花を咲かせず終わりそうな気がするのが惜しい……
町田樹や高橋大輔もそこそこ遅咲きだったが、さすがに25歳となるとねえ。

ショーマ。やっぱりこの中ではダントツですね。鍵山と2人抜けてると言ったが、
今回の演技においては鍵山にも一馬身ほど差をつけている。
冒頭の振り付け面白かったですね。レエスのような繊細さ。
曲も合ってたし、音も拾っていた。まあこの人はバイオリンが合う人だとは思うが。


近年、14、15歳で今後が楽しみ!世界に出る!って男子を見ない。
その青田買いが全日本の楽しみなのだが。まあそのクラスはもっと最初の方に出てるから、
BSで最初から見なきゃだめか。でも4時間も見るのはイヤ。
ほんとに世界に出ていくレベルは14、15歳で第4Gに入ってくるしね。

その中で吉岡希はなかなか完成度が高くて上手いけれども、でもこのレベルで
完成度が高くても世界では争えないのよね。20歳だし。
大島光翔は名物男枠。それも全日本の楽しみだから、こういう存在はうれしい。


ただやっぱり、最盛期の盛りだくさんな感じと比べるとだいぶ寂しい。
まあサイクルはあるだろうからね。何のスポーツでも。
でもあの頃の、わくわくさせてくれるフィギュアスケートじゃないのはやはり寂しいね。



※※※※※※※※※



男子フリー。


何度かに一度、こういうものを見せてくれるからフィギュアスケートを思いきれない。

今回の男子フリー、最終グループは素晴らしかったですよ。

友野一希。
佐藤駿。
三浦佳生。
鍵山優真。
山本草太。
宇野昌磨。

それぞれ素晴らしい演技を見せてくれた。


友野一希。繊細な曲調でしっとり始まったね。これ、ジャンプがびしっと決まれば
相当映えるプログラム。振り付けはジーかな。ジーだね。振り付けいいね。
この繊細な曲を通して滑れるような表現力がついたんだねえ。
いや良かった。いいプログラムでいい演技だった。ジーはまた来日しているのか。

佐藤駿。色気が出てきたなあ。冒頭の雰囲気良かったよ。
だが「春」の挿入はいかがなものだろうか……。曲の編集が納得できないなあ。
ジャンプはいずれもう少し完成度はあがるだろうから期待している。
ステップももう少し大きくしてほしいが。終盤は力強くて良かったね。

三浦佳生。選曲と振り付けが良かった。感情表現も良かった。後半のコンビも良かった。
が、高いレベルで「心余りて言葉足らず」的なものも感じる。
もう少し、もうほんのわずか冷静さが欲しい。

うん。鍵山優真。やっぱり演技に厚みがある。美しいスケーティングでした。
見ててアリガタイ気持ちになった。渾身の演技。
これでも300点は超えないんだなあ。

山本草太。エクソジェネシスはフィギュアスケートでよく使われる名曲だよね。
繊細さと盛り上がりのバランスがいいし、クラシックの要素も感じる。好きな曲。
ジャンプ高かった。この人この曲似合うね。男性のイーグル好きだー。
いやー、この人のベストを見たのはもしかして初めてかもしれない。
怪我がなければ、きっと7年か8年前に表彰台の同じ場所に立っていた。
満面の笑みは間違いなく初めて見た。嬉しいなあ。

ショーマ。今回の演技はそつなくまとめた感があったな。もちろんレベルが高くて
素晴らしいんだが、ちょっと淡々とこなしすぎかと思った。その冷静と情熱の間が難しいね。


フリーは鍵山と山本草太だろうなー。
演技的には鍵山。草太は贔屓であることと、失われた10年の感慨とともに。
ええもんを見せてもらいました。


若者たちは、吉岡希、中田何某、垣内何某。
ただし現時点で、がんがん世界で、っていう迫力は感じない。
中田何某はジュニアグランプリファイナル優勝だそうだから、本来は力のある選手だろうが、
今回はジャンプが相当崩れたからね。
名前的にはこれから冬の時代ですかねえ……。

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