コロナワクチンの副反応で寝ていた時に上下巻ほぼ一気読みした。
面白く読んだし、ページターナーではあるんだけれど、
西加奈子の作品は、読後何か残るかというと残らないんだよなあ。
まあ残ることが唯一の価値ではないという考え方もあるけれども。
自伝として読んで面白かった。
西加奈子は姉のなのか?弟なのか?どちらもあり得る。
どちらでもない、のが正解ももちろんあり得る。
だがイランで生まれ、エジプトで育ち、というのは作者と重なる。
海外での生活部分は自分の体験そのものだろう。そこらへんは面白いね。
姉と母という台風の目。出来るだけ気配を殺して暮らす父と弟。
母の姉妹。近所に住む、新興宗教の教祖的な小母ちゃん。その他いろいろ。
家族の話ではある。……が、終盤の話の収束がなあ。
まず、姉の急速な「マトモ化」と、語り手(弟)の急速な没落がどうも……。
わたしは弟が没落するとは思わなかったから意表を突かれたし、
はー、そういうこともあるかも……とは思ったけれども、
だからといって、姉が急に普通になってもと思うし。
たしかに姉の奇行は渇愛の結果なんだろうけど、だからといって愛してくれる人が
見つかったから奇行は止みましたと言われてもな。
現実にはあり得ることだろうけど。
弟の生き方にもそういう落とし穴はあり得るかもしれないが、
あれほど周りを観察する人生なら、もう少し自分のことがわかってる気がするし。
姉弟のあの急激な逆転は無理があったように思う。
教祖の小母ちゃんもまったく現実的じゃないからね。
建物なんてそう勝手に建ちませんよ。果てしない決断を繰り返して建っていくので、
小母ちゃんの「我関せず」感に無理がありすぎる。
税務処理も大変ですよ。それを最古参が全て代行していたにせよ、
出来て、無くなったものを、最初から無いものと同じには出来ない。
ところで、なんで「コザン」「サイコザン」?
読み方は「コサン」「サイコサン」ですよね。コザンとは読まないと思うんだけどな。
たしかに「サイコサン」だと人名みたいだけど。
まあ面白かったんだけどね。
でもなんか素直に「面白かった!」で終わらせる気になれない。
ヤコブとの再会も感動的で、エピソードとしては好きだけれども
一連の流れのなかでは安易な終わらせ方だというか。
でも後味が悪い小説よりはずっといいよね。うん。
……だが西加奈子の小説はそろそろいいかなと思うので、
あとはエッセイを一冊読んで終わりにする。
小説よりもエッセイが抜群に面白い人もいるので、終わりになるかどうかは不明だが。
面白く読んだし、ページターナーではあるんだけれど、
西加奈子の作品は、読後何か残るかというと残らないんだよなあ。
まあ残ることが唯一の価値ではないという考え方もあるけれども。
自伝として読んで面白かった。
西加奈子は姉のなのか?弟なのか?どちらもあり得る。
どちらでもない、のが正解ももちろんあり得る。
だがイランで生まれ、エジプトで育ち、というのは作者と重なる。
海外での生活部分は自分の体験そのものだろう。そこらへんは面白いね。
姉と母という台風の目。出来るだけ気配を殺して暮らす父と弟。
母の姉妹。近所に住む、新興宗教の教祖的な小母ちゃん。その他いろいろ。
家族の話ではある。……が、終盤の話の収束がなあ。
まず、姉の急速な「マトモ化」と、語り手(弟)の急速な没落がどうも……。
わたしは弟が没落するとは思わなかったから意表を突かれたし、
はー、そういうこともあるかも……とは思ったけれども、
だからといって、姉が急に普通になってもと思うし。
たしかに姉の奇行は渇愛の結果なんだろうけど、だからといって愛してくれる人が
見つかったから奇行は止みましたと言われてもな。
現実にはあり得ることだろうけど。
弟の生き方にもそういう落とし穴はあり得るかもしれないが、
あれほど周りを観察する人生なら、もう少し自分のことがわかってる気がするし。
姉弟のあの急激な逆転は無理があったように思う。
教祖の小母ちゃんもまったく現実的じゃないからね。
建物なんてそう勝手に建ちませんよ。果てしない決断を繰り返して建っていくので、
小母ちゃんの「我関せず」感に無理がありすぎる。
税務処理も大変ですよ。それを最古参が全て代行していたにせよ、
出来て、無くなったものを、最初から無いものと同じには出来ない。
ところで、なんで「コザン」「サイコザン」?
読み方は「コサン」「サイコサン」ですよね。コザンとは読まないと思うんだけどな。
たしかに「サイコサン」だと人名みたいだけど。
まあ面白かったんだけどね。
でもなんか素直に「面白かった!」で終わらせる気になれない。
ヤコブとの再会も感動的で、エピソードとしては好きだけれども
一連の流れのなかでは安易な終わらせ方だというか。
でも後味が悪い小説よりはずっといいよね。うん。
……だが西加奈子の小説はそろそろいいかなと思うので、
あとはエッセイを一冊読んで終わりにする。
小説よりもエッセイが抜群に面白い人もいるので、終わりになるかどうかは不明だが。
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