プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ コリン・ホルト・ソーヤー「旅のおともに殺人を」(「海の上のカムデン」シリーズ)

2024年09月28日 | ◇読んだ本の感想。
コージーミステリが好きだが、コージーミステリが全て好きかというとそれは違う。
むしろコージーミステリは、ジャンルとしてはいろんな意味でアマイから、
好きと言える範囲は狭い。そのなかで、このシリーズはかなり好きだった。

「海の上のカムデン」シリーズ。
この「海の上のカムデン」とは何かというと、高級老人ホームです。
外国の地名には「海の上」とか「水の上」とつくものがままある気がする。
ボートン・オン・ザ・ウォーターとかね。リル・シュル・ラ・ソルグとかね。
そういうのはたいてい水際にある土地ですね。海とか川とか。
この老人ホームはたしかサンフランシスコ近辺の海沿いにあった気がする。

何しろ第一巻を読んだのがかなり昔で……20年?そこまでではないか?
原著が出たのは1988年、日本語版が2000年。
1から7まで順調に(図書館で)読んで、その頃8巻目が出たんだよね。
少し予約が立て込んだので、課題図書リストの後ろに回して数年後に読むことにした。
その頃には9巻目、10巻目とか出てないかな……と期待していたのだが、残念。
8巻目でシリーズ終了(あるいは日本語訳終了)らしい。


まー本作はそんなに面白くなかったけどねー。これで最後になるのは惜しい。
でも最後に読んでから何年も経っているのにキャラクターを覚えていられたのは、
やはりキャラクターが魅力的だったからだよね。

小柄でちょこちょこ動く好奇心旺盛なおばあちゃんのアンジェラと、
その親友の巨大な体でゆったりと動くキャレドニアと。
再会できたのは嬉しかった。

今回は老人ホームからメキシコに旅行に行く話。
その旅行がメインで、ミステリの部分はほとんどなかった。殺人はあったけど。
「リメンバー・ミー」のイメージがあったから、文で読んでもメキシコの想像は
若干出来たが、特にメキシコに興味がない人(わたしだ)にはちょっと退屈だったかなあ。

このシリーズは新顔及び嫌な人が犯人であり被害者だから、わかりやすいんだよね。
そのわかりやすさは別に嫌いではないが……ミステリとしてどうかというと、
やはり相当にアマイ。コージーミステリでアマイのは仕方ないが。

1巻目のタイトルが「老人たちの生活と推理」というのもちょっとマイナスな気がする。
地味ですからね。今さらですが。これでは新規さんが手に取ってくれる可能性は低かろう。
面白いですよ!コージーで。

さよなら、アンジェラ、キャレドニア。

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