用務で外出。相変わらず車がつかえないので鉄道とタクシーだ。
タクシーって、2年ぐらい乗ってなかったかもしれない。。運転手さん、実直そうな同年輩の方だったが、昔みたいに話しかける雰囲気がない。もしかしたら、コロナの影響で無駄話はしないようになってるのか、今は?
先月も思ったのだが、田園地帯の風景を眺めながら、気がついたことがある。
ソーラーパネルがかなり増えたことと、田圃などに休耕地が増えたことだ。
もう稲刈りを終えている田圃もぼちぼち出てきているが、他方休耕地らしきところは雑草が繁茂している。
よく通りがかる道沿いに、田圃が広がっている場所があるが、そこが物流倉庫になるとのことで、今年は春から耕筰をしなかった。そしたら、背の高い雑草がいっぱいに生い茂り、向こうが見えないほどになった。
あれはアレチノギク、オオアレチノギク、ヒメムカシヨモギとかの仲間らしい(今ざっと調べたけど、細かく観察したわけではないからよくわからない)。
いずれの外来帰化植物で、明治以降急速に定着したらしい。
写真はないが、つる草系の雑草の繁茂も各地でたくさん見かける。鉄道線路沿いに生えた背の低い樹が、もとは何の樹なのかわからないほどこの雑草で覆われてしまっている。フェンスや廃屋、手入れをされていない電柱なども、この雑草の餌食になっている。
あれはアレチノウリというそうで、特定外来生物に指定されている。日本に侵入したのは戦後の事らしい。凄まじい繁殖力で、他の植物を駆逐してしまうという。
繁殖力の強い外来種は、在来の植物を駆逐して風景を一変させる。鳥などによって種子が移動することも多いと思うが、やはり物流の進展に伴って侵入が進んだのだろう。
アレチノ~とはよく言ったもので、同じ緑の風景でもなんだか心和む風景には見えない。ネットを探すと各自治体で駆除を呼びかけ(アレチノウリ)、活動も行われているようだが、逆に言えば手入れの行き届かない所には生い茂っていることになる。
漫画「ヨコハマ買い出し紀行」最終回では、人類はどんどん減って夕凪から夜の時代に入りかけている。かつての登場人物たちが暮らしていたガソリンスタンドや、医院の建物も草で覆われつつある。電柱は例のアレチノウリに包まれている。
旅に出て、一面に広がる田畑を見ると、なんとなくのんびりした気分になるし、農家の点在する人里を歩くのは楽しい。でも考えてみると、それらはとても「人工的」な風景だ。生命力旺盛な動植物に囲まれた大自然の中で、僕らは同じ気持ちで心をいやすことができるのだろうか、というなんというか、素朴な疑問が浮かんできた。