うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

910SH 風と雲と鶴

2007年10月02日 | ことばを巡る色色
先日、携帯電話を変えた。それまでの携帯は、「J-phone」のもの。もちろん、QRコードも読めないし、おサイフ携帯でもないし、ほとんどwebもしないし、SDカードも入らないしね。それはそれで、不便はない。なんなら、使えるとこまで使い倒してやろうじゃないかと思ってたんだけどね。だって、どんどん携帯変えるってちょっとおかしい。固定電話の受話器だって、そうそう変えやしないし、冷蔵庫だって、掃除機だって、普通は使えなくなるまで使うじゃない?そんなささやかなポリシーを持ってたんだけれど、わたしの携帯を見る人からは、「え、J-phoneってまだ使えるの?(←使えます、全然大丈夫です)」「写メ撮れるの(←撮れます、あんま撮ってなかったけど)」3年の酷使に耐え、振り回しても落っことしても大丈夫なヤツだったんだけどね。ただ、910SHって言うカメラ機能に特化した携帯が値下げしたってことを知って、そろそろ変えてもいいんじゃない、携帯としてってより、デジカメとしてね。ってことで、携帯ショップに出かけたのでした。ホワイトプランやら、スーパーボーナスやら、ジャングルの中を歩くように、複雑怪奇な(だって、ソフトバンクの公式サイトにはその値段も書いてないんだよ。売ってるとこが値段を明記してないって一体どういうことでしょ)システムを潜り抜けて、やっとのことで、手に入れた。そんな訳なので、910shは最新機種って訳でもないいわば型落ちの前年機種だけれど、3年ぶりに新しい機械を持つのは、正直楽しい。わくわくしてる。わくわくついでに、京都に出かけた。
京都お出かけの訳は、祇園閣の特別公開と、京都国立博物館の常設に宗達の「風神雷神」が展示されているから。

祇園閣は高台寺近くにある。元はといえば、ホテルオークラの大倉さんの別荘。90過ぎた大倉さんは、鶴のついた傘型の銅閣を作りたいとダダをこねた。まあまあ、といさめられて作ったのがこの祇園閣。それでも、十分面妖な塔ですね。いつもは公開されておらず、この機を逃すといつ入れるかわからない。閣の上からは京がぐるりと見渡せる。横に建てられた別荘は非公開だけれど、いつかは見せていただきたいものだ。
そうして、国立博物館。ここは京都にあっても駐車場が無料。さすが、日本国は太っ腹。500円の入場料で、出るわ出るわのお宝の山を見られる。地方の企画展が束になっても、もちろんかなわぬ。夕方近くに入ったので、全てをむることはできなかったけれど、鷹揚な建物に、こちらの気分も鷹揚になり、ゆったりと見せていただいた。「風神雷神」想像とは違い、金ぴかではない。神様達もみっちり書き込んだという風ではない。大和絵のようなざっくりした筆さばき。しかし、やっぱり、これはすごいよ。風が吹き雲が飛ぶ。青い帯がひゅるりひゅるりと風になびく。それから、光悦の美しい筆ののった鶴の巻物。するすると飛び始め、ついと飛び立ち下降したかと思うと群れが集まってきた。その瞬間、ばさばさと多くの鶴が羽ばたく音が聞こえる。巻物に物語を書くという形が、日本の感覚を育んだということは確かだ。絵巻物の時代から日本は、時空の流れを見る感覚を持ち続けてきたのだ。


うきうきの新しい携帯で写真を撮ってみた。いかが?
コメント (4)
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