河合隼雄先生と村上春樹さんの著作を、定期的に繰り返し読み直しています。
その流れの中で、大塚信一さんの「河合隼雄 心理療法家の誕生」トランスビュー (2009/6/2)と言う本も一気に読んでしまった。大ファンにとってはすごく面白かった。ひきこまれた。
大塚信一さんは岩波書店の元社長で河合先生の担当編集でもあった方です。(それなのに、なぜこの本はトランスビューという出版社から?)
河合先生が日本初となるユング心理学の分析家の資格をとり帰国されたのが1965年(37歳)。
その後、1967年(39歳)に「ユング心理学入門」(培風館)を出版。
この本は専門書にもかかわらず、未だに1365円という安さで買えます。(普通の医学書とかは1万円近くするのが相場で・・)
そして、この本は非専門家でも誰でもわかりやすく読めるし、専門家にとっても読み込めば読み込むほど深く味わえるような恐るべき深度の深さがある。
この1967年の「ユング心理学入門」をすごい!と思った若き日の大塚さんは、当時は日本で無名だった河合先生に岩波新書で「コンプレックス」と言う本を出さないかと提案。
当時の岩波新書は(今でもそうだけど)その道の権威になった人が、初学者向けに書くというスタイルが普通で、こういう指名は異例中の異例だったらしい。
そして、1971年(43歳)に『コンプレックス』(岩波新書)と言う本が出る。
そのあとは、心理学の世界にとどまらず、文学、神話、物語、芸術・・・・人間がかかわるあらゆる領域の事柄に対して、怒涛のように創作活動が続く。
1928年に生まれ2007年に79歳で亡くなられまで、広く広く深く深く、いろんな枠組みを超えて活躍され続けた方です。
臨床や現場に即しながら、人間の意識と無意識を深く見続けた偉大な河合先生。
自分は何を最初に読んだのか記憶があいまいですが(『影の現象学』(思索社、1976)と『昔話の深層』(福音館書店、1977)が決定的になったのは間違いない)、猛烈にひきつけられました。
自分が精神的にどん底だったときだったからなおさら。
それ以降、河合先生と言う偉大な先生を導き手として、ほぼ全部と言ってもいいくらい河合先生の本を読み続けました。
ある意味では命の恩人のような方です。こんなに父のように鋭く高くそびえ、母のように広く大きく包み込むよう人が生きていたのか、と。
■
人間、生きていれば楽しいことばかりではなく、いろんな困難や障害に出会います。
そこで一番ありがちな対応は、自分を正当化して(=自分は悪くない)、ほかの人のせいにすること(=あの人のせいだ)。
それは意識的にもおこなわれるし、ほぼ無意識的にもおこなわれてしまうものです。
これは自分もそうですし、周りを見ても当たり前のように繰り返され続けています。
ただ、人は適切な時期が来ると、そういう風に他人のせいにしたり、無意識下に抑圧することが、結局自分にとって何のいいことも起こさないことに気づきます。
そして、<それは自分の人生を生きていないということだ>と、衝撃的な事実にさえ気づかされてしまうのです。
常に<自分を正当化して他人のせいにする>という思考パターンが習慣化してしまうと、そういう精神的な営みが毎日果てしなく繰り返されていることに気づきさえしません。
そうしてどんどん自我は肥大します。何かあるまで、無限に広がります。誰かが止めようとしても、果てしなく自分を正当化し続けますので、もう誰にも止められません。それはエゴイズムや利己主義と呼ばれ、どんな時代であっても善とされたことのない概念です。頭の先から爪の先まで、細胞の一つ一つにしみいるまで、すべてがウイルスのように侵されてしまいます。
もちろん、エゴイズムや利己主義という状態も、ある時期には「自分という概念」を守るための非常手段(保護シェルター)として正当化されてしかるべき時期もあるかもしれません。
ただ、それをし続けていてもどこにも行けません。
そして、そんな人生は誰の人生でもないのです。
人間には、適切なタイミングで適切な試練や障害が与えられています。
そこをどう自分が対処して乗り越えていくか、見ないふりせず取り込んでいくか。
そういうものが複雑にして巧妙にアレンジされているものが人生であり、生きるということなのだと思います。そう気づかせてくれたのは河合先生のおかげです。
そうした生も負も全部含めた人間に関するありとあらゆるいろんなことを、河合先生から(著作だけからですが)学ばせてもらいました。心から尊敬しています。
読み込みすぎて読み込みすぎて、文を読んでいても少し先に書いてあることが常に予感できる程度に、時間の前後がなくなるくらいに読み込み続けました。
そこまで自分をひきつけた書き手は、河合先生以外には村上春樹さんや手塚治虫先生くらいしかいません。
■
大塚信一さんの「河合隼雄 心理療法家の誕生」には、若き日の河合先生の修業時代のことや、コンプレックスと劣等意識にさいなまれていた等身大の河合先生を知りました。
河合先生の人生の軌跡を追っていてふと感じたのは、科学や宗教を超えて、来るべき未来に「新しい人間の学」を作ろうとされていたんだろうなぁ、ということ。
そんな人類が経験したことのないものを作るには、科学か芸術かのような単純な二元論をはるかに超えて、両方の世界を、あらゆる世界を深い場所まで共感し、理解しながらも、さらに一歩足を進めて超えていくような営みです。
それは、ブッダが言う「中道」と同じだとも思いました。ブッダが生まれた時代には都市文明が起こり、人間の精神はまだそれに追いつくことができず、精神の深い混乱時代が続きました。
快楽主義、懐疑主義、苦行主義、・・・・いろんな派閥がそれぞれを「絶対的に正しい」と主張しながら反駁しあう混迷の時代。
ブッダは、快楽主義でも苦行主義でもなくて、2つを足して2で割るわけでもなくて、いろんな表面的な対立物をすべて含みながら包み込みながら、さらに一歩進んで超えていくような第3の道としての「中道」を求め、菩提樹で悟りを開いたのだろう、と。
河合先生がされていたお仕事は、この現代にとても求められていることだと思います。
河合先生は<人間を相手にしているのだから、人間を知る必要がある>と書かれていて、その発言はとても重く響きます。
人間の営みは、すべての文化活動にかかわってきますし、それは光も闇も、影も無意識も、善も悪も、あらゆるものがかかわってくるものです。
無意識は、偏った意識の世界を補い、バランスを保つように存在している。
だから、意識の世界を見ることは、無意識の世界を見ることにも通じますし、無意識の世界(夢、物語、芸術、神話・・・)を見ることは意識の世界にも通じています。
自分も人間を扱う仕事をしている以上、人間の本質がかかわる事柄に関して、謙虚に好き嫌いなく、虚心坦懐に学び続けないといかんな、という気にさせてくれました。
河合先生は偉大です。毎年毎年、読み返したい。著作一覧を見ていると、まだ読んだことがないのもある。全部読みたいな。こんな風に思える人はそういないから。
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■読んだ本
【単著】
•『ユング心理学入門』(培風館、1967)→岩波現代文庫
•『カウンセリングの実際問題』(誠信書房、1970)『カウンセリングの実際』へ改題→岩波現代文庫
•『コンプレックス』(岩波書店<岩波新書>、1971)
•『影の現象学』(思索社、1976)→講談社学術文庫
•『母性社会日本の病理』(中公叢書、1976)→講談社+α文庫
•『昔話の深層』(福音館書店、1977)→講談社+α文庫
•『無意識の構造』(中公新書、1977)
•『ユングの生涯』(レグルス文庫、1978)
•『家族関係を考える』(講談社現代新書 1980)
•『働きざかりの心理学』(PHP研究所 1981)→新潮文庫
•『昔話と日本人の心』(岩波書店、1982)→岩波現代文庫
•『夢と昔話の深層心理』(小学館 1982)
•『中空構造日本の深層』(中公叢書、1982)のち文庫
•『日本人とアイデンティティ-心理療法家の眼』(創元社、1984)→『日本人とアイデンティティ-心理療法家の着想』へ改題→講談社+α文庫
•『カウンセリングを語る』(創元社 1985)→講談社+α文庫
•『子どもの本を読む』(光村図書出版 1985)→講談社+α文庫
•『宗教と科学の接点』(岩波書店、1986)
•『明恵 夢を生きる』(京都松柏社・法蔵館、1987)→講談社+α文庫
•『子どもの宇宙』(岩波新書、1987)
•『生と死の接点』(岩波書店、1989)→岩波現代文庫
•『こころの天気図』(毎日新聞社 1990)→三笠書房知的生き方文庫、新潮文庫
•『<うさぎ穴>からの発信 子どもとファンタジー』(マガジンハウス 1990)→『「子どもの目」からの発想』へ改題→講談社+α文庫
•『イメージの心理学』(青土社、1991)
•『ファンタジーを読む』(楡出版 1991)→講談社+α文庫
•『こころの処方箋』(新潮社、1992)→新潮文庫
•『心理療法序説』(岩波書店、1992)→岩波現代文庫
•『子どもと学校』(岩波新書、1992)
•『対話する人間』(潮出版社、1992)→講談社+α文庫
•『対話する生と死』(潮出版社、1993)→だいわ文庫
•『書物との対話』(潮出版社 1993)
•『ブックガイド心理療法 河合隼雄が読む』(日本評論社、1993)
•『中年クライシス』(朝日新聞社、1993)→朝日文庫
•『おはなしおはなし』(朝日新聞社、1994)→朝日文庫
•『青春の夢と遊び』 (岩波書店、1994)→講談社+α文庫
•『こどもはおもしろい』(講談社、1995)→講談社+α文庫
•『ユング心理学と仏教』(岩波書店、1995)→岩波現代文庫
•『ウソツキクラブ短信』大牟田雄三共著(講談社、1995)→+α文庫
•『子どもと悪』(岩波書店、1997)
•『河合隼雄の人生読本』(潮出版社 1997)
•『平成おとぎ話』(潮出版社、2000)
•『おはなしの知恵』(朝日新聞社、2000)→朝日文庫
•『日本文化のゆくえ』(岩波書店、2000)
•『猫だましい』(新潮社、2000)→新潮文庫
•『紫マンダラ 源氏物語の構図』(小学館、2000)→『源氏物語と日本人―紫マンダラ』へ改題→講談社+α文庫
•『未来への記憶 自伝の試み』(岩波新書、2001)
•『より道 わき道 散歩道』(創元社、2002)
•『ナバホへの旅 たましいの風景』(朝日新聞社、2002)のち文庫
•『物語を生きる 今は昔、昔は今』(小学館、2002)
•『心理療法入門』(岩波書店、2002)のち現代文庫
•『縦糸横糸』(新潮社、2003)のち文庫
•『神話と日本人の心』(岩波書店、2003)
•『ケルト巡り』(日本放送出版協会、2004)『ケルトを巡る旅 神話と伝説の地』へ改題→講談社+α文庫
•『ココロの止まり木』(朝日新聞社、2004)のち文庫
•『深層意識への道』(岩波書店、2004)
•『父親の力 母親の力 「イエ」を出て「家」に帰る』講談社+α新書、2004
•『大人の友情』(朝日新聞社、2005)のち、文庫
•『泣き虫ハァちゃん』(新潮社、2007)のち文庫
•『河合隼雄の“こころ” 教えることは寄り添うこと』(小学館、2008)
•『河合隼雄のスクールカウンセリング講演録』村山正治,滝口俊子編(創元社 2008)
•『河合隼雄のカウンセリング教室』(創元社 2009)
【対談集】
•『人間の深層にひそむもの おとなとこどもの心理療法』(大和書房 1979)
•『あなたが子どもだったころ』(光村図書 1988)→講談社+α文庫
•『物語をものがたる 河合隼雄対談集』(小学館、1994)
•『河合隼雄対話集 科学の新しい方法論を探る』(三田出版会 1994)→講談社+α文庫
•『こころの声を聴く 河合隼雄対話集』(新潮社、1995)→文庫
•『続 物語をものがたる 河合隼雄対談集』(小学館、1997)
•『日本人の心』(潮出版社、2001)
•『続々 物語をものがたる 河合隼雄対談集』(小学館、2002)
•『いのちの対話』(潮出版社、2002)
•『心理療法対話』(岩波書店、2008)
•『人の心がつくりだすもの』(大和書房、2008)
【共著】
•(小此木啓吾)『フロイトとユング』(思索社)
•(谷川俊太郎)『魂にメスはいらない』(朝日出版社)→講談社+α文庫
•(大江健三郎、谷川俊太郎)『日本語と日本人の心』(岩波書店)→現代文庫
•(青柳恵介、安土孝、多田富雄ほか)『白洲正子を読む』(求龍堂)
•(村上春樹)『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』(岩波書店)→新潮文庫
•(見田宗介、谷川俊太郎)『子どもと大人―今ここに生きる子ども』(岩波書店)
•(長田弘)『子どもの本の森へ』(岩波書店)
•(中沢新一)『ブッダの夢』(朝日新聞社)→文庫
•(梅原猛、松井孝典)『いま、いのちを考える』(岩波書店)
•(松居直、柳田邦男)『絵本の力』(岩波書店)
•(阪田寛夫、谷川俊太郎、池田直樹)『声の力』(岩波書店)
•(加賀乙彦、山折哲雄、合庭惇)『宗教を知る人間を知る』(講談社)
•(白洲正子)『縁は異なもの』(河出書房新社)のち、光文社知恵の森文庫
•(柳田邦男)『心の深みへ』(講談社)
•(鷲田清一)『臨床とことば 心理学と哲学のあわいに探る臨床の知』(阪急コミュニケーションズ)→『臨床とことば』朝日文庫
•(吉本ばなな)『なるほどの対話』(NHK出版)→新潮文庫
•(中沢新一)『仏教が好き!』(朝日新聞社)→文庫
•(工藤直子、佐伯胖、森毅)『学ぶ力』(岩波書店)
•(養老孟司、筒井康隆)『笑いの力』(岩波書店)
•(ヨゼフ・ピタウ)『聖地アッシジの対話―聖フランチェスコと明恵上人』(藤原書店)
•(鎌田東二、山折哲雄、橋本武人)『日本の精神性と宗教』(創元社)
•(立花隆、谷川俊太郎)『読む力聴く力』(岩波書店)
•(茂木健一郎)『こころと脳の対話』(潮出版社)のち新潮文庫
•(小川洋子)『生きるとは、自分の物語をつくること』(新潮社)→文庫
【翻訳】
•(監訳)ユング等『人間と象徴 無意識の世界』河出書房新社,1972
•(藤縄昭・出井淑子共訳)アニエラ・ヤッフェ編『ユング自伝 思い出・夢・思想 1-2』みすず書房,1972-73
•(監修)エリック・ノイマン著『アモールとプシケー』紀伊国屋書店,1973
•(皆河宗一・高橋英夫共訳)ポール・ラディン,カール・ケレーニイ,ユング著『トリックスター』晶文社,1974
•(村上陽一郎共訳)ユング,W.パウリ著『自然現象と心の構造 非因果的連関の原理』海鳴社,1976
⇒⇒⇒⇒⇒
*共著や対談は、意外にそれほどでもないのも多い。あまりに単著がすごすぎるから。
ただ、村上春樹さんとの対話は別格に断トツに面白い。
翻訳は河合先生が日本語で読めるようとりはからってくれたものだから、やはりどれも面白い。
個人的なおすすめ。単著では
•『ユング心理学入門』(培風館、1967)→岩波現代文庫
•『カウンセリングの実際問題』(誠信書房、1970)
•『コンプレックス』(岩波書店<岩波新書>、1971)
•『影の現象学』(思索社、1976)→講談社学術文庫
•『母性社会日本の病理』(中公叢書、1976)→講談社+α文庫
•『昔話の深層』(福音館書店、1977)→講談社+α文庫
•『昔話と日本人の心』(岩波書店、1982)→岩波現代文庫
•『中空構造日本の深層』(中公叢書、1982)のち文庫
•『宗教と科学の接点』(岩波書店、1986)
•『子どもの宇宙』(岩波新書、1987)
•『生と死の接点』(岩波書店、1989)→岩波現代文庫
•『イメージの心理学』(青土社、1991)
•『心理療法序説』(岩波書店、1992)→岩波現代文庫
•『ユング心理学と仏教』(岩波書店、1995)→岩波現代文庫
•『紫マンダラ 源氏物語の構図』(小学館、2000)
•『神話と日本人の心』(岩波書店、2003)
•『深層意識への道』(岩波書店、2004)
この辺りがめちゃんこ面白い。自分を裏表逆にひっぺり返されるほど面白い。
■読んでない本
【単著】
•『箱庭療法入門』(誠信書房、1969)
•『臨床場面におけるロールシヤツハ法』(岩崎学術出版社、1969)
•『カウンセリングと人間性』(創元社、1975)
•『新しい教育と文化の探求 カウンセラーの提言』(創元社 1978)
•『心理療法論考』(新曜社 1986)
•『老いのみち』(読売新聞社 1991)→『「老いる」とはどういうことか』講談社+α文庫
•『とりかえばや、男と女』(新潮社、1991)→文庫・新潮選書
•『物語と人間の科学 講演集』(岩波書店、1993)
•『河合隼雄著作集』第一期(岩波書店・全14巻、1994-95)
•『カウンセリングを考える 』(創元社 1995)
•『臨床教育学入門』(岩波書店 1995)
•『物語とふしぎ 子どもが本に出会うとき』(岩波書店、1996)
•『「人生学」ことはじめ』(講談社 1996)
•『対話する家族』(潮出版社 1997)•『河合隼雄のカウンセリング入門 実技指導をとおして』(創元社 1998)
•『日本人の心のゆくえ』(岩波書店、1998)
•『しあわせ眼鏡』(海鳴社 1998)
•『これからの日本』(潮出版社 1999)
•『「日本人」という病』(潮出版社、1999)→静山社文庫
•『Q&A こころの子育て 誕生から思春期までの48章』(朝日新聞社、1999)→文庫
•『こころと人生』(創元社、1999)•『いじめと不登校』(潮出版社、1999)→新潮文庫
•『河合隼雄のカウンセリング講座』(創元社 2000)
•『人の心はどこまでわかるか』(講談社+α新書、2000)
•『河合隼雄著作集』第二期(岩波書店・全11巻、2001-04)
•『「出会い」の不思議』(創元社、2002)
•『臨床心理学ノート』(金剛出版、2003)
•『過保護なくして親離れはない』(五月書房、2005)
•『心の扉を開く』(岩波書店、2006)
•『神話の心理学 現代人の生き方のヒント』(大和書房、2006)
•『生きたことば、動くこころ 河合隼雄語録』河合俊雄編(岩波書店 2010)
【対談集】
•『河合隼雄全対話』全10巻(第三文明社、1989-99)
•『閉ざされた心との対話 心理療法の現場から 上』(講談社 1999)
•『心にある癒す力治る力 心理療法の現場から 下』(講談社 2000)
•『河合隼雄の万博茶席 しなやかウーマンと21世紀を語る』(中日新聞社 2005)
•『子ども力がいっぱい 河合隼雄が聞く「あなたが子どもだったころ」』(光村図書出版 2008)
【共著】
•(中村雄二郎)『トポスの知』(TBSブリタニカ)
•(湯浅泰雄、吉田敦彦)『日本神話の思想』(ミネルヴァ書房)
•(鶴見俊輔)『時代を読む』(潮出版社)
•(中西進、山田慶児)『むかし琵琶湖で鯨が捕れた』(潮出版社)
•(杉本秀太郎、山折哲雄、山田慶児)『洛中巻談』(潮出版社)
•(安野光雅)『生きることはすごいこと』(講談社)
•(日高敏隆)『日本文化の新しい顔』(岩波書店)
•(杉本秀太郎、山折哲雄、山田慶児)『先端科学の現在』(潮出版社)
•(山田太一、谷川俊太郎)『家族はどこにいくのか』(岩波書店)
•(小林康夫、中沢新一、田坂広志)『こころの生態系』(講談社+α新書・講談社)
•(石井米雄)『日本人とコミュニケーション』(講談社+α新書・講談社)
•(中川牧三)『101歳の人生を聞く』(講談社)
•(谷川浩司)『無為の力』(PHP研究所)→『「あるがまま」を受け入れる技術 何もしないことが、プラスの力を生む』PHP文庫
【翻訳】
•B.クロッパー,H.H.ディビッドソン著『ロールシャッハ・テクニック入門』ダイヤモンド社,1964
•(浪花博共訳)J.ヘンダーソン著『夢と神話の世界 通過儀礼の深層心理学的解明』新泉社 1974
•(浪花博共訳)アンソニー・ストー著『ユング』岩波書店 1978,のち同時代ライブラリー、現代文庫
•(河合幹雄共訳)イラ・プロゴフ『ユングと共時性』創元社,1987
⇒⇒⇒⇒⇒
かなり読みまくったつもりだったけど。意外に未読本があるなぁ。今後の古本屋めぐりの課題(Amazonで注文しちゃうと楽しみがなくなるもので)。
いつか、ガツーンっと本棚に河合先生の全集を置きたい!
(『全集への揺れる想い』(2011-08-02)っていうのを書いたのを思い出す)
河合先生は亡くなられてしまってお会いすることが叶いませんが(本ではいつでもお会いできる!)、村上春樹さんにはいつかお会いしたいものです。それだけが今の自分の願いです。(とは言っても、初もうででそういうお願いをしたわけではありません。)
その流れの中で、大塚信一さんの「河合隼雄 心理療法家の誕生」トランスビュー (2009/6/2)と言う本も一気に読んでしまった。大ファンにとってはすごく面白かった。ひきこまれた。
大塚信一さんは岩波書店の元社長で河合先生の担当編集でもあった方です。(それなのに、なぜこの本はトランスビューという出版社から?)
河合先生が日本初となるユング心理学の分析家の資格をとり帰国されたのが1965年(37歳)。
その後、1967年(39歳)に「ユング心理学入門」(培風館)を出版。
この本は専門書にもかかわらず、未だに1365円という安さで買えます。(普通の医学書とかは1万円近くするのが相場で・・)
そして、この本は非専門家でも誰でもわかりやすく読めるし、専門家にとっても読み込めば読み込むほど深く味わえるような恐るべき深度の深さがある。
この1967年の「ユング心理学入門」をすごい!と思った若き日の大塚さんは、当時は日本で無名だった河合先生に岩波新書で「コンプレックス」と言う本を出さないかと提案。
当時の岩波新書は(今でもそうだけど)その道の権威になった人が、初学者向けに書くというスタイルが普通で、こういう指名は異例中の異例だったらしい。
そして、1971年(43歳)に『コンプレックス』(岩波新書)と言う本が出る。
そのあとは、心理学の世界にとどまらず、文学、神話、物語、芸術・・・・人間がかかわるあらゆる領域の事柄に対して、怒涛のように創作活動が続く。
1928年に生まれ2007年に79歳で亡くなられまで、広く広く深く深く、いろんな枠組みを超えて活躍され続けた方です。
臨床や現場に即しながら、人間の意識と無意識を深く見続けた偉大な河合先生。
自分は何を最初に読んだのか記憶があいまいですが(『影の現象学』(思索社、1976)と『昔話の深層』(福音館書店、1977)が決定的になったのは間違いない)、猛烈にひきつけられました。
自分が精神的にどん底だったときだったからなおさら。
それ以降、河合先生と言う偉大な先生を導き手として、ほぼ全部と言ってもいいくらい河合先生の本を読み続けました。
ある意味では命の恩人のような方です。こんなに父のように鋭く高くそびえ、母のように広く大きく包み込むよう人が生きていたのか、と。
■
人間、生きていれば楽しいことばかりではなく、いろんな困難や障害に出会います。
そこで一番ありがちな対応は、自分を正当化して(=自分は悪くない)、ほかの人のせいにすること(=あの人のせいだ)。
それは意識的にもおこなわれるし、ほぼ無意識的にもおこなわれてしまうものです。
これは自分もそうですし、周りを見ても当たり前のように繰り返され続けています。
ただ、人は適切な時期が来ると、そういう風に他人のせいにしたり、無意識下に抑圧することが、結局自分にとって何のいいことも起こさないことに気づきます。
そして、<それは自分の人生を生きていないということだ>と、衝撃的な事実にさえ気づかされてしまうのです。
常に<自分を正当化して他人のせいにする>という思考パターンが習慣化してしまうと、そういう精神的な営みが毎日果てしなく繰り返されていることに気づきさえしません。
そうしてどんどん自我は肥大します。何かあるまで、無限に広がります。誰かが止めようとしても、果てしなく自分を正当化し続けますので、もう誰にも止められません。それはエゴイズムや利己主義と呼ばれ、どんな時代であっても善とされたことのない概念です。頭の先から爪の先まで、細胞の一つ一つにしみいるまで、すべてがウイルスのように侵されてしまいます。
もちろん、エゴイズムや利己主義という状態も、ある時期には「自分という概念」を守るための非常手段(保護シェルター)として正当化されてしかるべき時期もあるかもしれません。
ただ、それをし続けていてもどこにも行けません。
そして、そんな人生は誰の人生でもないのです。
人間には、適切なタイミングで適切な試練や障害が与えられています。
そこをどう自分が対処して乗り越えていくか、見ないふりせず取り込んでいくか。
そういうものが複雑にして巧妙にアレンジされているものが人生であり、生きるということなのだと思います。そう気づかせてくれたのは河合先生のおかげです。
そうした生も負も全部含めた人間に関するありとあらゆるいろんなことを、河合先生から(著作だけからですが)学ばせてもらいました。心から尊敬しています。
読み込みすぎて読み込みすぎて、文を読んでいても少し先に書いてあることが常に予感できる程度に、時間の前後がなくなるくらいに読み込み続けました。
そこまで自分をひきつけた書き手は、河合先生以外には村上春樹さんや手塚治虫先生くらいしかいません。
■
大塚信一さんの「河合隼雄 心理療法家の誕生」には、若き日の河合先生の修業時代のことや、コンプレックスと劣等意識にさいなまれていた等身大の河合先生を知りました。
河合先生の人生の軌跡を追っていてふと感じたのは、科学や宗教を超えて、来るべき未来に「新しい人間の学」を作ろうとされていたんだろうなぁ、ということ。
そんな人類が経験したことのないものを作るには、科学か芸術かのような単純な二元論をはるかに超えて、両方の世界を、あらゆる世界を深い場所まで共感し、理解しながらも、さらに一歩足を進めて超えていくような営みです。
それは、ブッダが言う「中道」と同じだとも思いました。ブッダが生まれた時代には都市文明が起こり、人間の精神はまだそれに追いつくことができず、精神の深い混乱時代が続きました。
快楽主義、懐疑主義、苦行主義、・・・・いろんな派閥がそれぞれを「絶対的に正しい」と主張しながら反駁しあう混迷の時代。
ブッダは、快楽主義でも苦行主義でもなくて、2つを足して2で割るわけでもなくて、いろんな表面的な対立物をすべて含みながら包み込みながら、さらに一歩進んで超えていくような第3の道としての「中道」を求め、菩提樹で悟りを開いたのだろう、と。
河合先生がされていたお仕事は、この現代にとても求められていることだと思います。
河合先生は<人間を相手にしているのだから、人間を知る必要がある>と書かれていて、その発言はとても重く響きます。
人間の営みは、すべての文化活動にかかわってきますし、それは光も闇も、影も無意識も、善も悪も、あらゆるものがかかわってくるものです。
無意識は、偏った意識の世界を補い、バランスを保つように存在している。
だから、意識の世界を見ることは、無意識の世界を見ることにも通じますし、無意識の世界(夢、物語、芸術、神話・・・)を見ることは意識の世界にも通じています。
自分も人間を扱う仕事をしている以上、人間の本質がかかわる事柄に関して、謙虚に好き嫌いなく、虚心坦懐に学び続けないといかんな、という気にさせてくれました。
河合先生は偉大です。毎年毎年、読み返したい。著作一覧を見ていると、まだ読んだことがないのもある。全部読みたいな。こんな風に思える人はそういないから。
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■読んだ本
【単著】
•『ユング心理学入門』(培風館、1967)→岩波現代文庫
•『カウンセリングの実際問題』(誠信書房、1970)『カウンセリングの実際』へ改題→岩波現代文庫
•『コンプレックス』(岩波書店<岩波新書>、1971)
•『影の現象学』(思索社、1976)→講談社学術文庫
•『母性社会日本の病理』(中公叢書、1976)→講談社+α文庫
•『昔話の深層』(福音館書店、1977)→講談社+α文庫
•『無意識の構造』(中公新書、1977)
•『ユングの生涯』(レグルス文庫、1978)
•『家族関係を考える』(講談社現代新書 1980)
•『働きざかりの心理学』(PHP研究所 1981)→新潮文庫
•『昔話と日本人の心』(岩波書店、1982)→岩波現代文庫
•『夢と昔話の深層心理』(小学館 1982)
•『中空構造日本の深層』(中公叢書、1982)のち文庫
•『日本人とアイデンティティ-心理療法家の眼』(創元社、1984)→『日本人とアイデンティティ-心理療法家の着想』へ改題→講談社+α文庫
•『カウンセリングを語る』(創元社 1985)→講談社+α文庫
•『子どもの本を読む』(光村図書出版 1985)→講談社+α文庫
•『宗教と科学の接点』(岩波書店、1986)
•『明恵 夢を生きる』(京都松柏社・法蔵館、1987)→講談社+α文庫
•『子どもの宇宙』(岩波新書、1987)
•『生と死の接点』(岩波書店、1989)→岩波現代文庫
•『こころの天気図』(毎日新聞社 1990)→三笠書房知的生き方文庫、新潮文庫
•『<うさぎ穴>からの発信 子どもとファンタジー』(マガジンハウス 1990)→『「子どもの目」からの発想』へ改題→講談社+α文庫
•『イメージの心理学』(青土社、1991)
•『ファンタジーを読む』(楡出版 1991)→講談社+α文庫
•『こころの処方箋』(新潮社、1992)→新潮文庫
•『心理療法序説』(岩波書店、1992)→岩波現代文庫
•『子どもと学校』(岩波新書、1992)
•『対話する人間』(潮出版社、1992)→講談社+α文庫
•『対話する生と死』(潮出版社、1993)→だいわ文庫
•『書物との対話』(潮出版社 1993)
•『ブックガイド心理療法 河合隼雄が読む』(日本評論社、1993)
•『中年クライシス』(朝日新聞社、1993)→朝日文庫
•『おはなしおはなし』(朝日新聞社、1994)→朝日文庫
•『青春の夢と遊び』 (岩波書店、1994)→講談社+α文庫
•『こどもはおもしろい』(講談社、1995)→講談社+α文庫
•『ユング心理学と仏教』(岩波書店、1995)→岩波現代文庫
•『ウソツキクラブ短信』大牟田雄三共著(講談社、1995)→+α文庫
•『子どもと悪』(岩波書店、1997)
•『河合隼雄の人生読本』(潮出版社 1997)
•『平成おとぎ話』(潮出版社、2000)
•『おはなしの知恵』(朝日新聞社、2000)→朝日文庫
•『日本文化のゆくえ』(岩波書店、2000)
•『猫だましい』(新潮社、2000)→新潮文庫
•『紫マンダラ 源氏物語の構図』(小学館、2000)→『源氏物語と日本人―紫マンダラ』へ改題→講談社+α文庫
•『未来への記憶 自伝の試み』(岩波新書、2001)
•『より道 わき道 散歩道』(創元社、2002)
•『ナバホへの旅 たましいの風景』(朝日新聞社、2002)のち文庫
•『物語を生きる 今は昔、昔は今』(小学館、2002)
•『心理療法入門』(岩波書店、2002)のち現代文庫
•『縦糸横糸』(新潮社、2003)のち文庫
•『神話と日本人の心』(岩波書店、2003)
•『ケルト巡り』(日本放送出版協会、2004)『ケルトを巡る旅 神話と伝説の地』へ改題→講談社+α文庫
•『ココロの止まり木』(朝日新聞社、2004)のち文庫
•『深層意識への道』(岩波書店、2004)
•『父親の力 母親の力 「イエ」を出て「家」に帰る』講談社+α新書、2004
•『大人の友情』(朝日新聞社、2005)のち、文庫
•『泣き虫ハァちゃん』(新潮社、2007)のち文庫
•『河合隼雄の“こころ” 教えることは寄り添うこと』(小学館、2008)
•『河合隼雄のスクールカウンセリング講演録』村山正治,滝口俊子編(創元社 2008)
•『河合隼雄のカウンセリング教室』(創元社 2009)
【対談集】
•『人間の深層にひそむもの おとなとこどもの心理療法』(大和書房 1979)
•『あなたが子どもだったころ』(光村図書 1988)→講談社+α文庫
•『物語をものがたる 河合隼雄対談集』(小学館、1994)
•『河合隼雄対話集 科学の新しい方法論を探る』(三田出版会 1994)→講談社+α文庫
•『こころの声を聴く 河合隼雄対話集』(新潮社、1995)→文庫
•『続 物語をものがたる 河合隼雄対談集』(小学館、1997)
•『日本人の心』(潮出版社、2001)
•『続々 物語をものがたる 河合隼雄対談集』(小学館、2002)
•『いのちの対話』(潮出版社、2002)
•『心理療法対話』(岩波書店、2008)
•『人の心がつくりだすもの』(大和書房、2008)
【共著】
•(小此木啓吾)『フロイトとユング』(思索社)
•(谷川俊太郎)『魂にメスはいらない』(朝日出版社)→講談社+α文庫
•(大江健三郎、谷川俊太郎)『日本語と日本人の心』(岩波書店)→現代文庫
•(青柳恵介、安土孝、多田富雄ほか)『白洲正子を読む』(求龍堂)
•(村上春樹)『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』(岩波書店)→新潮文庫
•(見田宗介、谷川俊太郎)『子どもと大人―今ここに生きる子ども』(岩波書店)
•(長田弘)『子どもの本の森へ』(岩波書店)
•(中沢新一)『ブッダの夢』(朝日新聞社)→文庫
•(梅原猛、松井孝典)『いま、いのちを考える』(岩波書店)
•(松居直、柳田邦男)『絵本の力』(岩波書店)
•(阪田寛夫、谷川俊太郎、池田直樹)『声の力』(岩波書店)
•(加賀乙彦、山折哲雄、合庭惇)『宗教を知る人間を知る』(講談社)
•(白洲正子)『縁は異なもの』(河出書房新社)のち、光文社知恵の森文庫
•(柳田邦男)『心の深みへ』(講談社)
•(鷲田清一)『臨床とことば 心理学と哲学のあわいに探る臨床の知』(阪急コミュニケーションズ)→『臨床とことば』朝日文庫
•(吉本ばなな)『なるほどの対話』(NHK出版)→新潮文庫
•(中沢新一)『仏教が好き!』(朝日新聞社)→文庫
•(工藤直子、佐伯胖、森毅)『学ぶ力』(岩波書店)
•(養老孟司、筒井康隆)『笑いの力』(岩波書店)
•(ヨゼフ・ピタウ)『聖地アッシジの対話―聖フランチェスコと明恵上人』(藤原書店)
•(鎌田東二、山折哲雄、橋本武人)『日本の精神性と宗教』(創元社)
•(立花隆、谷川俊太郎)『読む力聴く力』(岩波書店)
•(茂木健一郎)『こころと脳の対話』(潮出版社)のち新潮文庫
•(小川洋子)『生きるとは、自分の物語をつくること』(新潮社)→文庫
【翻訳】
•(監訳)ユング等『人間と象徴 無意識の世界』河出書房新社,1972
•(藤縄昭・出井淑子共訳)アニエラ・ヤッフェ編『ユング自伝 思い出・夢・思想 1-2』みすず書房,1972-73
•(監修)エリック・ノイマン著『アモールとプシケー』紀伊国屋書店,1973
•(皆河宗一・高橋英夫共訳)ポール・ラディン,カール・ケレーニイ,ユング著『トリックスター』晶文社,1974
•(村上陽一郎共訳)ユング,W.パウリ著『自然現象と心の構造 非因果的連関の原理』海鳴社,1976
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*共著や対談は、意外にそれほどでもないのも多い。あまりに単著がすごすぎるから。
ただ、村上春樹さんとの対話は別格に断トツに面白い。
翻訳は河合先生が日本語で読めるようとりはからってくれたものだから、やはりどれも面白い。
個人的なおすすめ。単著では
•『ユング心理学入門』(培風館、1967)→岩波現代文庫
•『カウンセリングの実際問題』(誠信書房、1970)
•『コンプレックス』(岩波書店<岩波新書>、1971)
•『影の現象学』(思索社、1976)→講談社学術文庫
•『母性社会日本の病理』(中公叢書、1976)→講談社+α文庫
•『昔話の深層』(福音館書店、1977)→講談社+α文庫
•『昔話と日本人の心』(岩波書店、1982)→岩波現代文庫
•『中空構造日本の深層』(中公叢書、1982)のち文庫
•『宗教と科学の接点』(岩波書店、1986)
•『子どもの宇宙』(岩波新書、1987)
•『生と死の接点』(岩波書店、1989)→岩波現代文庫
•『イメージの心理学』(青土社、1991)
•『心理療法序説』(岩波書店、1992)→岩波現代文庫
•『ユング心理学と仏教』(岩波書店、1995)→岩波現代文庫
•『紫マンダラ 源氏物語の構図』(小学館、2000)
•『神話と日本人の心』(岩波書店、2003)
•『深層意識への道』(岩波書店、2004)
この辺りがめちゃんこ面白い。自分を裏表逆にひっぺり返されるほど面白い。
■読んでない本
【単著】
•『箱庭療法入門』(誠信書房、1969)
•『臨床場面におけるロールシヤツハ法』(岩崎学術出版社、1969)
•『カウンセリングと人間性』(創元社、1975)
•『新しい教育と文化の探求 カウンセラーの提言』(創元社 1978)
•『心理療法論考』(新曜社 1986)
•『老いのみち』(読売新聞社 1991)→『「老いる」とはどういうことか』講談社+α文庫
•『とりかえばや、男と女』(新潮社、1991)→文庫・新潮選書
•『物語と人間の科学 講演集』(岩波書店、1993)
•『河合隼雄著作集』第一期(岩波書店・全14巻、1994-95)
•『カウンセリングを考える 』(創元社 1995)
•『臨床教育学入門』(岩波書店 1995)
•『物語とふしぎ 子どもが本に出会うとき』(岩波書店、1996)
•『「人生学」ことはじめ』(講談社 1996)
•『対話する家族』(潮出版社 1997)•『河合隼雄のカウンセリング入門 実技指導をとおして』(創元社 1998)
•『日本人の心のゆくえ』(岩波書店、1998)
•『しあわせ眼鏡』(海鳴社 1998)
•『これからの日本』(潮出版社 1999)
•『「日本人」という病』(潮出版社、1999)→静山社文庫
•『Q&A こころの子育て 誕生から思春期までの48章』(朝日新聞社、1999)→文庫
•『こころと人生』(創元社、1999)•『いじめと不登校』(潮出版社、1999)→新潮文庫
•『河合隼雄のカウンセリング講座』(創元社 2000)
•『人の心はどこまでわかるか』(講談社+α新書、2000)
•『河合隼雄著作集』第二期(岩波書店・全11巻、2001-04)
•『「出会い」の不思議』(創元社、2002)
•『臨床心理学ノート』(金剛出版、2003)
•『過保護なくして親離れはない』(五月書房、2005)
•『心の扉を開く』(岩波書店、2006)
•『神話の心理学 現代人の生き方のヒント』(大和書房、2006)
•『生きたことば、動くこころ 河合隼雄語録』河合俊雄編(岩波書店 2010)
【対談集】
•『河合隼雄全対話』全10巻(第三文明社、1989-99)
•『閉ざされた心との対話 心理療法の現場から 上』(講談社 1999)
•『心にある癒す力治る力 心理療法の現場から 下』(講談社 2000)
•『河合隼雄の万博茶席 しなやかウーマンと21世紀を語る』(中日新聞社 2005)
•『子ども力がいっぱい 河合隼雄が聞く「あなたが子どもだったころ」』(光村図書出版 2008)
【共著】
•(中村雄二郎)『トポスの知』(TBSブリタニカ)
•(湯浅泰雄、吉田敦彦)『日本神話の思想』(ミネルヴァ書房)
•(鶴見俊輔)『時代を読む』(潮出版社)
•(中西進、山田慶児)『むかし琵琶湖で鯨が捕れた』(潮出版社)
•(杉本秀太郎、山折哲雄、山田慶児)『洛中巻談』(潮出版社)
•(安野光雅)『生きることはすごいこと』(講談社)
•(日高敏隆)『日本文化の新しい顔』(岩波書店)
•(杉本秀太郎、山折哲雄、山田慶児)『先端科学の現在』(潮出版社)
•(山田太一、谷川俊太郎)『家族はどこにいくのか』(岩波書店)
•(小林康夫、中沢新一、田坂広志)『こころの生態系』(講談社+α新書・講談社)
•(石井米雄)『日本人とコミュニケーション』(講談社+α新書・講談社)
•(中川牧三)『101歳の人生を聞く』(講談社)
•(谷川浩司)『無為の力』(PHP研究所)→『「あるがまま」を受け入れる技術 何もしないことが、プラスの力を生む』PHP文庫
【翻訳】
•B.クロッパー,H.H.ディビッドソン著『ロールシャッハ・テクニック入門』ダイヤモンド社,1964
•(浪花博共訳)J.ヘンダーソン著『夢と神話の世界 通過儀礼の深層心理学的解明』新泉社 1974
•(浪花博共訳)アンソニー・ストー著『ユング』岩波書店 1978,のち同時代ライブラリー、現代文庫
•(河合幹雄共訳)イラ・プロゴフ『ユングと共時性』創元社,1987
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かなり読みまくったつもりだったけど。意外に未読本があるなぁ。今後の古本屋めぐりの課題(Amazonで注文しちゃうと楽しみがなくなるもので)。
いつか、ガツーンっと本棚に河合先生の全集を置きたい!
(『全集への揺れる想い』(2011-08-02)っていうのを書いたのを思い出す)
河合先生は亡くなられてしまってお会いすることが叶いませんが(本ではいつでもお会いできる!)、村上春樹さんにはいつかお会いしたいものです。それだけが今の自分の願いです。(とは言っても、初もうででそういうお願いをしたわけではありません。)
河合先生の本はどれも素晴らしいです。
共感していただきうれしく思います。
素敵なエピソードですね!医療の究極は、その人がただそこにいるだけで周りがHappyになり元気になることだと思います。そういう高みを目指しながらも、自分は日々少しずつ精進していくだけです。
またお越しくださいませ!(^^
この2日間、研修合宿に参加して参りました。そこで、河合隼雄先生の弟子だったとおっしゃる先生に出会いました。
私の大学の頃の恩師も河合隼雄先生にいろいろとお話をうかがったとおっしゃっていました。
私自身も、河合先生の本は、折に触れて読ませていただいています。10年前に読ませていただいて受け取ることと、今読ませていただいて受け取ることには、違いもあって、そこに自分自身の成長も感じます。
多少体が弱くても、幸福感に包まれることの多い日々と、そうでない日々とでは、生きる意味が異なってくるということに、この年になってようやく気づいて参りました。
微力ではありますが、「周りの方々に幸せであることとはどういうことかを伝える」というお役目を果たすために、これからも精進して参りたいと存じます。
最近言われて嬉しかったこと。
「先生に出会って、人生を生きることが楽しくなりました!」と医師に言われたことです。
自殺してしまった同僚のことが、私自身の進路を大きく変え、「人が心身ともに健康で生きる世の中」を実現する一助となればと思って頑張ってきたことが、少しずつ周りの方にも伝わっているのだと、感じました。
そうした日々の小さな喜びを糧に今後も励んで参ります。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
河合隼雄先生を心の底から尊敬し、勝手に師と仰いでいるのでとてもうれしいですね。
臨床心理士の方々は、ほんとうに素晴らしい方が多いと感じます。
河合先生のような素晴らしい臨床心理士になられるよう、応援しています!(^^
このブログの文章もまた素敵で、同じように感じてらっしゃる方がいたのだと嬉しく思い、ついコメントしたくなりました。
色々な経緯があり、現在、社会人ではありますが臨床心理士を目指して勉強中です。
河合先生の本は、殆ど読破したと思っていましたが、まだまだ読んでいないものがありました。
…ちょっとウレシイ。
久々に先生の本を読んでみようと思います。