映画 『切腹』
監督 小林正樹
息子の青春(1952年)
まごころ(1953年)
この広い空のどこかに(1954年)
三つの愛(1954年)
美わしき歳月(1955年)
壁あつき部屋(1956年)
あなた買います(1956年)
泉(1956年)
黒い河(1956年)
人間の條件・第一・第二部(1959年)
人間の條件・第三・第四部(1959年)
人間の條件・完結篇(1961年)ヴェネツィア国際映画祭サンジョルジュ賞・イタリア批評家賞
からみ合い(1962年)英国アカデミー賞国連平和賞
切腹(1962年)カンヌ国際映画祭審査員特別賞
怪談(1965年)カンヌ国際映画祭審査員特別賞、ローマ映画祭監督賞、米アカデミー外国語映画賞ノミネート
上意討ち 拝領妻始末(1967年)ヴェネツィア映画祭国際批評家連盟賞
日本の青春(1968年)カンヌ国際映画祭コンペティション参加
いのちぼうにふろう(1971年)
化石(1975年)
燃える秋(1978年)
東京裁判(1983年)ベルリン映画祭国際批評家連盟賞
食卓のない家(1985年)ヴェネツィア映画祭招待作品
1962年 日本 モノクロ 134分
★★★★★ ★★★★★ +私の気持ち★★★ (13/ 10 10点超え)
キャスト
仲代達矢
三國連太郎
岩下志麻
丹波哲郎
井川比佐志
石浜朗
三島雅夫
中谷一郎
佐藤慶
稲葉義男
映画『切腹』を見る。
素晴らしくて、一時間半くらいかなと、時間が短く感じる。
まだ見ておられない方にはお勧めいたします。
問答で始まる『切腹』を見ていて、わたしは古い語りも芸能を思い浮かべた。
語りから問答の形に移行した芸能。
淡々と続く問答に、日本の形式を感じ、能楽の前シテとワキとのやり取りや勧進帳の弁慶と 富樫左衛門殿やり取りを感じた。
話しは進み たけみつ での切腹の場。これには驚いた。
真剣でもつらい切腹は、時代を経ると切腹はつらく残酷なので、腹を付くや否や介しゃくしたと、以前読んだ本に書かれていた。
映画の中でも、
「略式ではなく、正式に腹をかき切っていただきたい。横だけでなく、縦十文字に願いたい。」(要約)
との台詞。
たけみつ でそれを求める残酷さに、耳を疑った。
最後は歌舞伎の終わりのように、一言で言うと派手にチャンバラとなる。
井伊家は現実の暗い間で恐ろしさにおびえながら、過信が部屋に入るや否や、あくまでも井伊家の対面・面子を表向きに出す。
一人一人のドラマが複雑に絡み合い展開するが、根本的に対面で事は進み、何事も無かったように幕を閉じる。
あらすじも仲代達矢さんもあまりにも素晴らしく、明け方まで眠る事が出来なかった。
(余談だが前日の南都春日・興福寺古儀 薪御能でも感動し、二日連続の寝不足だった。…笑)
最後、一言。
現在の岩下志麻さんも美しいが、お若い頃の彼女は魅力的。
未婚の化粧から、妻になったお歯黒、眉隠し(本来は剃る)のメークへの変化は、女性にとっては見どころ。
おつきあい下さいまして、ありがとうございます。
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