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乱鳥の書きなぐり

『パイドロス』プラトン著 2 (パイドロス 「ケパロスの息子のリュシアスのところから来ました。・・・・・・・」)

 

 『パイドロス』プラトン著 2 (パイドロス 「ケパロスの息子のリュシアスのところから来ました。・・・・・・・」

 

P.9

ソクラテス「やあ、パイドロス、どこへ?そしてどこから来たのかね」

パイドロス ケパロスの息子のリュシアスのところから来ました。・・・・・・・」

 

ケパロス

 ケパロス(古希: Κέφαλος, Cephalus)

 ギリシア神話の人物。

 ポーキス王デーイオーンの息子で、プロクリスの夫である。

 暁の女神エーオースに愛され、息子のパエトーン(太陽神ヘーリオスの息子とは別人)を産んだ。

 オウィディウスの変身物語では、エーオースに唆され妻のプロクリスの貞操を疑い試した結果、プロクリスは家を出て狩猟生活を送った。

 その後和解したが、誤ってプロクリスを槍で貫いて殺した。

 

変身物語』における、自らの悲しみを語るケパロス

 オウィディウスが『変身物語』で伝えるケパロスとプロクリスのエピソードをご紹介します(引用は中村善也訳)。

 導入部:「ポコスが目に留めたのは、ケパロスが見知らぬ木からつくられた槍を手にしていることだった。

 その穂先は金でできている。

 しばらくの語らいのあと、話の途中でポコスはいった。

「わたしは、森や狩猟が大好きなのですが、あなたがお持ちの槍が何の木でできているのか、さきほどから不審に思っていました。」(中略)

 たずねられたことにケパロスは答えたが、どんな代償によってそれを得たのかということだけは、語るのをはばかった。

 口をつぐんだが、亡き妻(プロクリス)をおもう悲しみにたえかねて、涙ながらにふたたび口を開いた。

「ポコスどの、誰にも信じてはいただけまいが、この槍がわたしの涙を誘うのです。そして、わたしがこれからも生きながらえるさだめなら、いつまでもそうであるでしょう。この槍が、愛する妻とわたしとを滅ぼしたのです。こんな贈り物は、はじめからなかったほうがどんなによかったか!」

 

リュシアス

 リュシアス(古希: Λυσίας, Lysias, 紀元前445年頃 - 紀元前380年)

 古代ギリシアの弁論作者(ロゴグラフォス)で、アッティカ十大雄弁家の一人。

 アテナイで活躍した。

 

リュシアス

 アテナイの在留外国人であるメトイコイの家庭に生まれる。

 父のケファロスはシケリア出身で、ペリクレスに説明されてアテナイに移住した。

 家庭は裕福でリュシアスには2人の兄弟がおり、高い教育を受けて育った。

 南イタリアに建設された植民都市トゥリオイに移住して弁論術を教えるが、ペロポネソス戦争(紀元前431年 - 紀元前404年)でアテナイのシケリア遠征が失敗するとトゥリオイは情勢不安定となる。

 反アテナイの勢力によってリュシアスたちは追放され、アテナイへ戻った。

 アテナイに戻ったのちはペイライエウスで楯の製作所を経営しつつ、弁論作者として活動を始める。

 しかしペロポネソス戦争の敗北によって成立した寡頭政の三十人政権によって財産を没収され、兄弟たちは逮捕されてリュシアスは亡命する。

 アテナイで民主派と寡頭派の内戦が始まると、リュシアスは民主派に傭兵を送って資金援助も行い、内戦が終結して和解交渉が始まった頃にアテナイに戻った。

 三十人政権に没収された財産は戻って来なかったが、リュシアスはアテナイで生活を続けることを選び、再び弁論作者として活躍した。

参考

『パイドロス』

 プラトン著 

 藤沢令夫訳

 岩波文庫 青01−5

Wikipedia

 

『パイドロス』プラトン著 1 (ソクラテスがパイドロスと出くわすところから話は始まる。「やあ、パイドロス、どこへ?そしてどこから来たのかね」)

『パイドロス』プラトン著 2 (パイドロス 「ケパロスの息子のリュシアスのところから来ました。・・・・・・・」)

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