映画『PLAN 75 』、 映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』
映画『PLAN 75 』を見て思うところがあったので、映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』を続けざまにみる。
映画『PLAN 75 』は初めから思っているように筋書きは進み、最終的に思いのままに終わる。
問題に着眼したリアルな課題を描くように思えるが、その実、【姨捨】【口減らし】【供犠】といった日本の歴史に根付いていた風習を否定しようがない史実がある。
『PLAN 75 』は【姨捨】【口減らし】【供犠】といった史実を現在の形に変えた恐ろしい内容であるが、これが真実とならないとは限らない。
実際、海外では年老いた人間の延命はなさないとされ、日本にもその兆しは押しよせているに。
延命ついては私の場合はといった意見ならば述べられるが、地位や経済状態や健康状態にもよるので、一概にひとくくりではことはなさない。
特に健康状態が良く、延命が必要になった場合、〇歳以上だから延命すべきではないといった世間の風潮は好ましいとは思えないが、立場を変え、日本の経済状態などの観点から考えるとまた違った考え方も出てくる。
この映画の真の怖さは、【75歳になれば自分で死を決めることができる】という国の立場から誘導し、世間及び本人までをも追い詰める点にある。
実はもっと生きたいと思う人間が、死を選ばざるを得ない怖さ。
欧州ではエビですら苦痛を与えないように調理するというのに、脳の発達した本当は死にたくない人間を死に至らしめるといった世間の風潮や慣れが怖い。
この怖さを感じ、私は続けざまに、映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』を見た。
ぶしつけなスタイルのインタビューは意図的であった。
相手が答えにくい場になると次々にイデオロギーにも入り込んだ質問を間を置かずに質問攻めする。
「あなたにとって日の丸とは何ですか?」
「日の丸の赤は何ですか?」
印象深かったのは、1967年のおばあさん。
おばあさんは顔をくしゃくしゃにしてどんな質問に対しても
「さぁ、わかりませわかりません」
「もっと若い人に聞いてください」
と、目を泳がす。
これまで!のおばあさんの過酷な人生あるいは体験を思い出し、聞くに堪えない質問であったのであろう。
おばあさんの歩んできたドラマを考えると、見ているのがつらかった。
「日の丸の赤は何ですか?」
この深い質問の意味を私は持ち合わせていないが、映画『PLAN 75 』、 映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』を鑑みて、また空恐ろしく感じるのであった。
イラン 塩湖
映画『PLAN 75 』
PLAN 75
監督 早川千絵
脚本 早川千絵
製作 水野詠子 Jason Gray Frédéric Corvez Maéva Savinien
出演者 倍賞千恵子 磯村勇斗 たかお鷹 河合優実 ステファニー・アリアン 大方斐紗子 串田和美
2022年6月17日
上映時間 112分
映画『日の丸~寺山修司40年目の挑発~』
キャスト
高木史子 高木史子 村木眞寿美 村木眞寿美 金子怜史 金子怜史 安藤紘平 安藤紘平
スタッフ 監督 佐井大紀
語り 堀井美香 喜入友浩
1967年にTBSで放送され物議を醸した寺山修司によるドキュメンタリーを基に、当時と現代の2つの時代を対比させるドキュメンタリー。TBSドラマ制作部所属の28歳のディレクター、佐井大紀が自ら街頭に立ち、「国家とはなにか」を追い続けた寺山の意志を引き継ぎ、現代に生きる我々にインタビューを行い、本質に迫る挑発的な質問を投げかける。
ストーリー
劇作家の寺山修司によるドキュメンタリー「日の丸」が1967年に放送となった。街ゆく人に挑発的な質問を投げかけたこの番組は放送直後に物議を醸し、閣議でも問題視されたTBSドキュメンタリー史上最大の問題作となった。寺山の没後40年を迎えた2022年、同じ質問を人々に投げかけ2つの時代を対比させることによって、現代の日本と日本人の姿を浮き彫りにする。
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