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人が人としての目覚めること (bakeneko)
2019-07-25 23:38:31
これは、人が人としての目覚めを持たない、平安朝末期を背景に生まれた物語である
それから数百年、庶民の間に語り伝えられ、今日もなお 人の世の、嘆きの限りをこめた説話として知られている
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映画は、この字幕ではじまります.

厨子王は山椒大夫を捕らえ丹後の国から追放し、そして自ら職を辞しました.
厨子王の後に悪い守護(権力者)がやってきたら、また元に戻るだけ.
これでは、絶対に良い世の中にはなりません.

この話は、人が人としての目覚めを持たない時代の話であり、つまり、人が人としての目覚めを持たなければ、世の中は良くならないと言っている.
もっと分かりやすく言えば、正しい人が権力を握ったら世の中が良くなるかというと、絶対にそんなことはあり得ない.権力に頼るのではなく国民の一人一人が、良い世の中をつくる努力をしなければ、世の中は良くならない.

権力とは、どの様なものなのか?
厨子王の父親は、自分の正しい道を、農民を救う政策を行おうとしたら、権力を剥奪され追放された.彼は自分の権力が剥奪されるのを承知の上で、農民を救おうとしたのだが.....
山椒大夫は奴隷を使って金を稼ぎ、その金を朝廷、すなわち、より強い権力を持った者に貢いで(賄賂)、自分の権力の座を守ろうとした.
権力とは、正しい者が正しいことを行おうとすると、剥奪される.
権力とは、悪人が悪事を行う為に、必要とするものであり、悪人は権力によって利益を得、そして身を守る.

権力が親から子へと受け継がれる世襲制度が無くなること、身分の差が無く皆が等しく平等の世の中になることが、人々を(奴隷)支配する権力が無くなる世の中への第一歩である.

『私が職を辞することは、私と同じ苦労をしてきた人々の願いである』、厨子王はこう言い残して去っていった.
厨子王の権力は、関白という権力者から与えられたものであり、かつ、親から受け継いだものであった.そんな権力が存在するから奴隷支配が産まれるのである.
奴隷の苦難の生活をしていた人々は、自分達を支配する権力が無くなることを願った.その願い通りに、厨子王は自ら職を辞したのである.
 
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