goo

獅子文六展

場所 神奈川近代文学館
期間 2019年12月7日ー2020年3月8日

楽しみにしていた獅子文六展に2日目に行ってきた。この日は真珠湾攻撃の日。「海軍」を書いた作家とのふしぎな縁。

獅子文六(1893-1969)は一世を風靡した昭和の大衆モダン作家で、今再びその人気がよみがえっているとのこと。もちろん私にとっては「好きな作家」の第一群に入ってる。自伝にあった3人の妻たちや娘と息子の写真に目を見張り、20代のフランス私費留学時の演劇ノートの克明さに感嘆した。遺品の眼鏡や硯は意外に大きくて、繊細さというより、スポーツも好きだったかれの体躯を連想させる。ポスターの写真は「獲物を狙うサクラダイのよう」と細川忠雄の言う目が特徴のあるメガネの中から鋭い光を放つ林忠彦の傑作だと思う。ほかにも小津映画そっくりな構図の妻娘との写真。横浜の居留地に店を持ち福沢諭吉と同郷の父のもとに生まれ、慶応で教育を受け、フランス留学とフランス人の妻などの要因が混ざっての作家なのだと思った。同時に2社で映画化されたりと国民的な人気があったのに、今から20年くらい前大阪で探した時は図書館でも書庫の奥深くにしまわれ、今は忘れられた作家かと思いきや、現在たくさんの文庫化がなされていたと目の当たりに見たのはうれしい驚きだった。いまわたしの手元にあるのは古本屋で求めた「娘と私」「父の乳」「青春怪談」。子供時代を思い出すのは「可否道」「自由学校」「悦ちゃん」「胡椒息子」「箱根山」「南の風」「信子」「海軍」etcetc

「信子」6-10-22
「私の好きな作家」7-1-3
「コクリコ坂から」11-7-20
「中島敦展」 19-11-30

文学館と地続きの、港の見える丘公園で撮った3枚。

「コクリコ坂から」の「航海の安全を祈る」の旗。

フランス山公園の風車、フランス領事館跡。生麦事件の後駐屯した仏軍。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« 低体温からの脱却 映画「樹木希... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (おキヨ)
2019-12-20 14:14:06
獅子文六・・・いかにも当時の作家らしいペンネーム。この名前好きです。
これほど高名な作家であるのに実は私獅子文六の著書をを読んでいません。映画、テレビなどで観てしまい満足したのかも。。。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2019-12-20 17:54:23
おキヨ様

>映画やテレビで見ただけで満足してしまい、まだ読んでいない、と伺いなんだかうれしくなりました。それも大衆作家にふさわしいエピソードに思われて。もっとも私は文章が好きで好きで、ほとんど暗記するほどをお気に入りの「娘と私」「青春怪談」を読みましたけれど。

 そうそう、彼は実は画家になりたかったのだそう。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。