珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

初夏の室内楽

2016-07-24 11:23:48 | ライブ
出張先の関西は梅雨が明けて本格的な夏の風情でした。シャーシャーシャーとなくクマゼミの声を聞くと、いかにも西日本の夏という感じがします。特に大木の街路樹まわりは音量十分で、果たして何dB出ていただでしょうか。耳への圧が凄かったです。新幹線で横浜に戻ると確かに涼しく、蝉の声にも勢いがありません。関東の梅雨明けも時間の問題でしょうが、できればスパッと明けてもらいたいです。さて、5月から6月にかけては、オフ会以外にもオーディオ交流(単なる飲み会含む)、ライブなどありましたので、少々巻きを入れて紹介します(汗)。まずはライブからです。

石鎚山登山の翌週の5月20日、仕事帰りに杉並公会堂でのエマニュエル・パユのコンサートに行ってきました。タイトルは「エマニュエル・パユ withフレンズ・オブ・ベルリン」で、公会堂リニューアル10周年の企画です。ベルリンフィルのサントリーホールでの公演の番外ではありますが、パユの演奏を直に聴くいい機会となりました。タイトルからも想像できるようにカジュアルなライブでした。大きな公演が終わり、一段落したような余裕が演奏側に感じられれました。馴染みの曲が取り上げられていたこともあり、こちらも最後までリラックスモードでした。


豊かなフルートと軽やかな弦楽器のアンサンブルを楽しみました。曲目はモーツァルトのフルート四重奏1番、2番の他、ロッシーニやドボルザークの四重奏曲、武満徹のヴォイスなど。モーツァルトでは1番の第2楽章、全編ピッチカートの弦楽器と、哀愁ある旋律をなぞるフルートとの対比が印象的でした。ヴォイスでは時折パユの生声も聴けて、この日、目立った女性客も満足だったでしょう。フレンズ・オブ・ベルリンのメンバーは4人各々国籍が違います。紅一点のヴァイオリンのマヤ・ヴラモヴィッチとヴィオラのホアキン・リケルメ・ガルシアの体格差が、何ともユーモラスでした。

杉並公会堂、実は、今回が初めてです。出張先から戻る高速バスからGRFさんにメールしたところ、全くの偶然ですが、やはり来場されることがわかりました。GRFさんとは休憩時間の1杯と、公会堂すぐ横のイタリアンでの感想戦に、お付き合いさせていただきました。土日のライブも結構ですが、金曜日の夜に生演奏聴いて、お酒飲んで週を締めくくるのも、ありですね。


6月25日は家内と地元のフィリアホールでの、チェコ・フィル室内合奏団のコンサートに出かけました。チェコ・フィルの演奏を聴くのは初めて、というか12名の室内合奏を生で聴くのが初めてです。四重奏の場合、個々の楽器の存在が分かりやすいですが、12名になると同じ楽器を合わせる難しさが出てきます。ヴァイオリンは第1、第2併せて7名、チェロやヴィオラも2名ずつです。来場されていたそねさんが翌日のオフ会で、同じ楽器内の音色が揃っていることに感心されていました。私もオヤジ12名の演奏に、初夏の風のような爽やさを感じました。弦楽器に定評のあるフィリアホールの効果も加わったと思います。


こちらも馴染みの曲が続きました。前半は「G線上のアリア」「主よ、人の望みの喜びよ」「クリスマス協奏曲(コレッリ)」と、バロックの有名曲です。後半は一転、レスピーギ、バルトーク、チャイコフスキーといった19~20世紀に活躍した作曲家の、比較的美しい旋律の曲が並びました。一番素晴らしいと感じたのは、「弦楽セレナード」です。バレンボイムのCD(一応名盤?)を持っているのですが、どうも音がゴチャッとしていて積極的に聴いていませんでした。改めて曲の良さを実感、早速カラヤンやオルフェウス室内管弦楽団のCDを購入しました。残念ながらチェコ・フィルの、この曲のCDは出ていないようです。


レスピーギの「リュートのための古い舞曲とアリア 第3集」は、どこかで聴いたことがあるような、憶えやすい旋律でした。おそらくCMで聴いていたのでしょう。バルトークの「ルーマニア民族舞曲」は元来はピアノ曲です。私は震災前のグリモーのコンサートで知りました。五嶋みどりのアルバム『encore!』にも入っています。曲調がめまぐるしく変化するので、弦楽器だとちょっと忙しいかもしれません。

せっかく指揮者が混ぜようとしている音を、オーディオマニアは分離しようとする、としばしば揶揄されますが、私自身は分離は前提で、その上で一体感を求めてしまいます。特に室内楽はその傾向にあります。初夏の二つライブは、あらためて全体と細部のバランスの大事さを、再認識させてくれました。次回は、初夏のサウンド交流編を紹介します。
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長谷川陽子、チェロリサイタル

2016-03-10 04:46:35 | ライブ
偶々ですが2週続けて、週末、銀座方面に出かけることとなりました。2月28日は大学時代の仲間の遅い新年会でした。丁度、東京マラソンの日でした。東銀座駅から地上に出るとご覧の光景です。冬から春にかけての東京の風物詩となった東京マラソンを、初めて目の当たりにしました。マラソンのブームはまだ続いているようです。友人もすっかりマラソンづいていて、各地で開かれるマラソン大会に参加しています。私は山や自転車はやってますが、どうも長距離のランニングは敬遠してしまいます。まあ、人それぞれ、続けられる健康法を持てばいい、とはなりますが。


新年会はホテルのビュッフェ形式ランチでした。さらにもう1軒加えて、4時間ほど談笑して散会、そのまま山野楽器へ向かいました。特に当ては無かったのですが、グリモーの水をモチーフにした新作を購入しました。ラヴェルの「水の戯れ」あたりから聴き始めています。


翌週の3月5日は長谷川陽子さんのチェロリサイタルでした。朝日カルチャークラブでの実演会から、早いもので2年半になります。その時はヴァイオリン向けの「シャコンヌ」がテーマでしたが、今回は王道の無伴奏チェロ組曲、それも全曲の敢行です。6つの組曲はそれぞれ6曲で構成されていますから、合計36曲になります。休憩挟んで3時間半の長丁場でした。長谷川さんは勿論ですが、聴いている私も少々疲れました。ライブの良さは音と共にご本人と空間を共有できること。後半は陽子さんも体の動きが活発化、楽曲と演奏者が一体となる様子が窺えました。


浜離宮朝日ホールは今回が初めてです。ほぼ真正面の後方の席でした。一曲目を聴いて、私には少し響きが勝っている感がありましたが、進行するうちに耳が慣れてきました。結局、アンコールも組曲からの選曲となりました。九州、大阪、東京と続いたバッハの旅、お疲れ様でした。


自宅のクリスマスローズが満開になりました。暖冬で狂い咲きしていたユキヤナギも、ようやく正式に?咲き始めました。オン用のコートも冬用から春用に切り替えました。まだ三寒四温は続きますが、春は着実に近づいていますね。
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Diana Krall ライブ

2016-02-28 11:14:10 | ライブ
2月24日、昭和女子大学内の人見記念講堂で行われたDiana Krallのライブに行ってきました。日本でのライブは11年ぶりになるそうです。人見記念講堂も30年ほど間が空いてしまいました。フレンチポップスのイザベル・アンテナのライブに学生時分に行って以来になります。あまりに年月が経ち過ぎて、記憶はすっかり失せていました。定時に職場を抜け出し、品川、渋谷経由で三軒茶屋へ向かいました。小雨がパラつく中、開演まで時間がありましたが、ご覧の人だかりです。聴衆の年齢層もちょうどDiana Krallと同世代、50前後が多かったように思います。私同様、仕事中もソワソワしていたのでしょうね。


Diana Krallの手持ちのアルバムは案外少ないです。オーディオイベントやオフ会で取り上げられる機会が多く、音や曲の良さで少しずつ増やしてきました。知っている曲は半分ほどだったでしょうか。最新アルバム『wallflower』に偏ることなく、ノリのいい曲、聴かせる曲で構成されていました。アンコールの「Desperado」にハートを掴まれたオジサンは多かったはず。オーディオに比べるとライブでは演奏に注意が向かいます。Diana Krallはピアノだけでも聴かせませすね。音がカッコいい!バックの演奏陣もおそらく超一級ではないかと思われます。特にドラム、ギター、ストリングスの掛け合いが素晴らしかったです。


2階の端の席だったため表情を捉えるには遠すぎましたが、オーラは十分に伝わってきました。次の来日はいつになるのか分かりませんが、その頃には手元のアルバムも増えているでしょう。来週は長谷川陽子さんのチェロリサイタルです。その後はオフ会遠征もあります。何となく音楽熱、オーディオ熱が春の暖かさとシンクロしてきました。
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Diana Panton ライブ@コットンクラブ

2015-10-31 05:35:09 | ライブ
10月5日、丸の内のコットンクラブで行われたDiana Pantonさんのライブに行ってきました。ご一緒したGiuliaさんとは、2月のSTEPS AHEADのライブ以来です。平日の第1ステージだったので、少し早めに退社させていただきました。結局、一番乗りで、ステージ直前の席を確保できました。開演までしばしビール飲んでいるところに、仕事を終えたGiuliaさん、登場です。Diana Pantonさん、今回が初来日だったようです。更に初日、1stステージということもあり、やや緊張の様子でしたが、1時間半、優しい声に包まれました。ライブ後はいつものようにガード下に繰り出し、オーディオ談義を楽しませていただきました。


女性ジャズ・ヴォーカル=カナダの図式が出来た感がありますね。大御所Diana Krallは別格として、私が実際にライブに足を運んだSophie Milman、Emilie-Claire Barlow、もカナダつながりです。Halie Loren はカナダではありませんが、やはり北米のアラスカ出身です。そして今回の、Diana Pantonさんもやはりカナダ出身というわけです。ジャズヴォーカリストを生み出すバックグランドがあるか、それともプロモーション的なことなのか・・・。ジャズの地盤が沈んでいる中で、Diana Krallの域に達するのは至難です。7,8枚のアルバムをリリースし、遠い日本でライブを開催できる時点で十分のご出世とも言えます。


事前にブラジル/ラテンを題材にしたアルバムを聴きこんでいたのですが、ライブでは数曲かかった程度でした。噂の声は、澄んだおいしい水といった感じですね。終始、透き通った声に癒されることとなりました。ジャズライブで欲しい、会場全体が乗り乗りになる場面がなかったので、少し物足りなさも残りました。これには冒頭の緊張が関係していたのかも知れません。アカペラの部分では、何か皆の前で歌のテストでもやっている雰囲気があり・・・しっかり応援させていただきました。バックのベース、ギターが引き立役に徹していた分、ヴォーカルに焦点が合いました。


2ndステージとの間にサイン会が組まれていたので、『ムーンナイトセレナーデ~月と星のうた』を購入してサインをいただきました。右は既に所有していた『フェリシダージ~私が愛したブラジル』です。ライブに行くと自然とオーディオで復習したくなります。


有楽町のガード下では、HUBやネットワークオーディオ絡みの話題、オーディオショップの話題と、いろいろと話が弾みました。世田谷の某技研さんの仕事は面白そうですね。今度は音を交えながら実験するのも一興でしょう。そしてNASへのアドバイスもありがとうございました。一時期全てのNASがダウンする状況となったのですが、幸い、1台が復活しています。とりあえず、最低限かつ最後の修理で凌いで、次のNASはじっくり選択したいと考えています。ネットオーディオの周辺部を開拓されてきた、Giuliaさんのオーディオシステムの行く先にも注目しています。楽しい秋の夜を、ありがとうございました。
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ハーゲン・クァルテット in MUZA川崎

2015-10-17 11:02:29 | ライブ
しばらく記事が滞っていましたが、少し時間に余裕が出てきましたので、シルバーウィーク以降の過去ネタをアップしていきたいと思います。オーディオの方は、NASがトラブルでダウンして以降、しばらくどうしたものかと思っていました。あまり焦らず次のNASを選定するつもりです。一方でオーディオで音楽を聴けない日々はつまらないので、OlasonicのリーズナブルなCDトラスンポート NANO-CD1を導入しました。デジタル信号(光)をAIT-DACに入れるという点では、従来のCubox再生と同様です。久しぶりのCDとっかえ、ひっかえを楽しんでいます。電源とか制振、凝ってみるのも面白そうです。


シルバーウィーク明けの26日、ミューザ川崎で行われたハーゲン・クァルテットのコンサートに行ってきました。古典派のハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの弦楽四重奏を聴く、ゴージャスなプログラムです。この日は、三浦友理枝さんのラヴェル作品集の演奏会第2夜があり、既にチケットを手に入れていました。ところがPhilewebミーティング開催の案内発信後、ダブルブッキングに気付き、急遽、昼間開催のこちらに変更した次第です。個人的には室内楽への関心が高まっています。豊富なリリース実績かつ現役という点でも魅力あるハーゲン・クァルテットには、この世界の指南をお願いしたいと思っています。

実は今回が初ミューザで、正確な存在位置を知っていませんでした。川崎駅西口に降りるのはいつ以来でしょう。飲むなら決まって東口です。15年ほど前の川崎駅西口の姿を知っているので、かなりの変身ぶりに驚きました。大型商業施設方面と分かれて線路沿いに進んだ先にMUZAはありました。


音の良いホールとの評判ですね。地元にそのようなホールがあるのはとても有難いことです。弦楽四重奏を聴くならもっと小さいホールで、という気もしないでもないですが、ワクワクします。ちなみにハーゲン・クァルテットの出身地ザルツブルグは川崎と姉妹都市となっています。


ハーゲン・クァルテットのメンバーは3人が兄弟で、発足時は4人とも兄弟だったとか。4人の演奏者が個々に優れていてもアンサンブルとして魅力が出るかは別なのでしょうね。幼少の頃からお互いを知っているのは強みになりそうです。


ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲だけで、いくつあるのでしょう。とても予習してコンサートに臨める状況ではありませんでした。この日のプログラムは、
 ハイドン:弦楽四重奏曲 第58番 ハ長調 作品54-2
 モーツァルト:弦楽四重奏曲 第21番 ニ長調 K.575
 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第14番 ハ短調 作品131
です。時代を下りながらの進行です。ハイドンとベートーヴェンの作風の違いは、さすがの私でもよく分かりました。ベートーヴェンの第14番は7楽章続けての40分の演奏でした(咳気味だったので堪えるのが大変でした)。

席はステージ斜め後方の2階席で、ちょうど4人を見下ろす位置でした。オーディオ目線では、前方の席で4つの弦楽器の配置や音色を、楽しめればよかったのでしょうが、それは次回の小ホールにとっておきます。会場でベートーヴェンの作品130を含むCDを購入しました(左)。右は夏に梅田の阪神百貨店のイベントで見つけた1枚です。このディヴェルティメントのチェロの響きが心地よく、今回のトリガーになったことは確かです。アンコールは無く、コンサート自体は16時には終わって、次のPhilewebミーティングまで間がありました。大型商業施設ラゾーナの丸善で本を調達後、余裕を持って有楽町に向かいました。


有楽町でのミーティング参加者はこれまで最多の18名でした。オーディオは勿論、HNの由来、近況の話題で盛り上がりました。皆さんのバックグランドは様々ですが、趣味だけでつながる集まりっていいものです。2次会まであっという間に時間が流れました。また来年もよろしくお願いします。
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