先の日曜日、佐用にお住まいのUENOさんのオーディオルームを訪問してきました。きっかけは6月の津山の記事です。津山から姫路への帰路に姫新線を使ったことを書いたところ、UENOさんからコメントならびにオフ会のお誘いをいただきました。佐用の存在を知ったのは、兵庫方面に出張するようになってからです。何がきっかけになるかわかりません。ぶらり旅はやってみるものですね(笑)。さっそくUENOさんのホームページを拝見したところ、真っ赤な自作SPに立派なオーディオルームが目を引きました。UENOさんは、ゆうけいさんとも交流があるそうで、私も兵庫ネットワークのお仲間に入れさせていただいた次第です。
オフ会は午後からでしたので、午前中は姫路に繰り出しました。関西にいる間に行きたい姫路城ですが、もう少し涼しくなってからにします。真っ白だった白鷺城も、さすがに屋根はグレーがかってきました。
午前中はのんびり映画でもと思っていました。鎌倉を舞台にした四姉妹の物語、海街diaryです。6月公開で間もなく入れ替えのタイミングだったせいか、シアターほぼ独占状態で鑑賞することができました。姉妹の絆が深まる過程と鎌倉の四季を、一冊の日記をめくるように追う展開でした。
佐用へ向かうルートは二つあります。一つは姫新線、もう一つは相生、上郡を経て智頭急行を使うルートです。時間の関係で行き、帰りともに後者となりました。お互いに着ている洋服を事前に伝えていたので、初対面でもすぐに分かりました。さっそく車でオーディオルームに向かいます。
詳細はUENOさんのホームページを見ていただきたいのですが、10年ほど前にオーディオルーム構築を思い立たれました。それでも実現する、しないには大きな壁があるように思います。実現されたのがまず素晴らしいですね。築10年とは信じられないくらい、綺麗で整理されたオーディオルームでした。ルームのサイズは横4m×縦5mで天井高さも十分かつ傾斜がついています。長岡さん系統のオーディオ仲間との交流がUENOさんのオーディオのルーツにあります。オーディオルームに名前を付けるのもその方面で流行っていたようです。ちなみにこの部屋はイル・マーレ(イタリア語で海)です。
壁にはアナログレコードとヴァイオリンがディスプレイされていました。リゾート地のオーディオルームの雰囲気を日常で味わえるのですから羨ましいですね。
ウィルソンオーディオのSystem 7の形状を参考に、自作されたSPを使われています。ユニットは全てフォステクス製だそうです。独特の鮮やかな赤さは、とても自作品とは思えない完成度と存在感でした。床を伝わるSPケーブルは銀線です。オーディオとは直接関係の無い材料屋さんから購入されました。ルーム、SP、ケーブルに共通する自作への拘りを感じます。
一方、上流の機器には一級品が並び、ここは購入派のオーディオファンの側面が見られます。マークレビンソンのプリメインアンプ No.383Lに、エソテリックのSACD/CDプレイヤーK-01です。オフ会でレビンソンの音を聴くのは初めてかも知れません。レビンソンには新しいNo.585というプリメインアンプがありますが、意匠含めてNO.383Lへの想いが強いようです。プレイヤーについても、エソテリックのVRDS機構の音に拘っている様子でした。実際、フラッグシップのX-01を経てK-01導入に至っています。流行のファイルオーディオは別物と割り切り、あくまでもディスク再生中心のシンプルなシステムです。
クラシック、フュージョンを中心にUENOさんのお好みの音源をかけていただきました。意外にヴォーカルは少なかったですね。クラシック系では弦、特にヴァイオリンの音源が多かったですが、この理由の一つは後ほど。
フュージョン、POPS系の作品です。私の知らない世界を覗かせていただきました。右下のスキンヘッドのオジさん、メタル界の名ギタリスト、ジョー・サトリアーニとは知りませんでした。
SPをリスニングポジションに向ける、いわゆる内振りですが、何せオーディオルームが広く、壁からの距離にも余裕があります。SP間隔は3m近くあるでしょうか?ですから内振りでもSPが消えます。SPの外に広がるというより、SPの間に定位しても元々の配置が広いので音場も広い、といった印象です。ヴォーカルもSPより後方、概ね後ろ壁の辺りに定位していました。個々の音の佇まい、定位感の良さも印象に残りましたが、これはSP側にラック、機器類を置かないシンプルさが効いていると思いました。誰もが手に入れられる空間ではありませんが、部屋の広さの効果を実感することとなりました。
質の悪い低音なら出ないほうがいい、という低音に対するスタンスもUENOさんのオーディオの特徴でしょうか。実際、低音は控えめでした。聴かせていただいた音源で、私が知っているのはエヴァンスのワルツ・フォー・デヴィくらいでしたが、ラファロのベースはもう少し押し出し感が欲しくなりました。一方、ヴァイオリンや上述のエレキギター、ソプラノなどは、実に高音が伸びやかでした。オーディオのレベルを上げる一つのキーが低音だと思っていますが、このような割り切りもあるのかと、勉強になりました。聴かれるジャンルの影響もあるのですが、何より自身が欲する音を理解された上でのシステムだと思いました。
こちらは壁にかかっていたものとは別のヴァイオリンです。モデルは名器ストラディバリウスです。UENOさんは嘗て、大学のオーケストラでヴァイオリンを弾かれていました。当初、軽音楽部に入るつもりが、巡りあわせでオーケストラに入ることになったそうです。経験値ゼロながら練習を重ねた様子が、手書き文字が詰まったスコアから窺えました。ただし、いいこと尽くめではありません。
・オーディオではどうしてもヴァイオリンのパートが気になる(他の楽器に関心が向かない)
・苦い経験のある楽曲はなかなか聴く気にならない
そうです。先入観無しに楽曲を楽しめる・・・これは当方の、知らないことによるメリットですね。
オフ会の後は近所の中華料理店で感想戦です。おいしいカニチャーハン、ご馳走様でした。ホームページの日記をみると、UENOさん、かなり食事やワインにはお詳しい様子。この日はアルコール抜きでしたが、姫路あたりで続きをやりましょう。学生時代、つまりオーケストラに打ち込まれていた時期は、横浜とも大いに関係があったと聞きました。東京・横浜方面で旧交を温める機会もあることでしょう。その際は拙宅にもお立ち寄りください。海とは逆の広さ(狭さ)ではありますが。
オフ会は午後からでしたので、午前中は姫路に繰り出しました。関西にいる間に行きたい姫路城ですが、もう少し涼しくなってからにします。真っ白だった白鷺城も、さすがに屋根はグレーがかってきました。
午前中はのんびり映画でもと思っていました。鎌倉を舞台にした四姉妹の物語、海街diaryです。6月公開で間もなく入れ替えのタイミングだったせいか、シアターほぼ独占状態で鑑賞することができました。姉妹の絆が深まる過程と鎌倉の四季を、一冊の日記をめくるように追う展開でした。
佐用へ向かうルートは二つあります。一つは姫新線、もう一つは相生、上郡を経て智頭急行を使うルートです。時間の関係で行き、帰りともに後者となりました。お互いに着ている洋服を事前に伝えていたので、初対面でもすぐに分かりました。さっそく車でオーディオルームに向かいます。
詳細はUENOさんのホームページを見ていただきたいのですが、10年ほど前にオーディオルーム構築を思い立たれました。それでも実現する、しないには大きな壁があるように思います。実現されたのがまず素晴らしいですね。築10年とは信じられないくらい、綺麗で整理されたオーディオルームでした。ルームのサイズは横4m×縦5mで天井高さも十分かつ傾斜がついています。長岡さん系統のオーディオ仲間との交流がUENOさんのオーディオのルーツにあります。オーディオルームに名前を付けるのもその方面で流行っていたようです。ちなみにこの部屋はイル・マーレ(イタリア語で海)です。
壁にはアナログレコードとヴァイオリンがディスプレイされていました。リゾート地のオーディオルームの雰囲気を日常で味わえるのですから羨ましいですね。
ウィルソンオーディオのSystem 7の形状を参考に、自作されたSPを使われています。ユニットは全てフォステクス製だそうです。独特の鮮やかな赤さは、とても自作品とは思えない完成度と存在感でした。床を伝わるSPケーブルは銀線です。オーディオとは直接関係の無い材料屋さんから購入されました。ルーム、SP、ケーブルに共通する自作への拘りを感じます。
一方、上流の機器には一級品が並び、ここは購入派のオーディオファンの側面が見られます。マークレビンソンのプリメインアンプ No.383Lに、エソテリックのSACD/CDプレイヤーK-01です。オフ会でレビンソンの音を聴くのは初めてかも知れません。レビンソンには新しいNo.585というプリメインアンプがありますが、意匠含めてNO.383Lへの想いが強いようです。プレイヤーについても、エソテリックのVRDS機構の音に拘っている様子でした。実際、フラッグシップのX-01を経てK-01導入に至っています。流行のファイルオーディオは別物と割り切り、あくまでもディスク再生中心のシンプルなシステムです。
クラシック、フュージョンを中心にUENOさんのお好みの音源をかけていただきました。意外にヴォーカルは少なかったですね。クラシック系では弦、特にヴァイオリンの音源が多かったですが、この理由の一つは後ほど。
フュージョン、POPS系の作品です。私の知らない世界を覗かせていただきました。右下のスキンヘッドのオジさん、メタル界の名ギタリスト、ジョー・サトリアーニとは知りませんでした。
SPをリスニングポジションに向ける、いわゆる内振りですが、何せオーディオルームが広く、壁からの距離にも余裕があります。SP間隔は3m近くあるでしょうか?ですから内振りでもSPが消えます。SPの外に広がるというより、SPの間に定位しても元々の配置が広いので音場も広い、といった印象です。ヴォーカルもSPより後方、概ね後ろ壁の辺りに定位していました。個々の音の佇まい、定位感の良さも印象に残りましたが、これはSP側にラック、機器類を置かないシンプルさが効いていると思いました。誰もが手に入れられる空間ではありませんが、部屋の広さの効果を実感することとなりました。
質の悪い低音なら出ないほうがいい、という低音に対するスタンスもUENOさんのオーディオの特徴でしょうか。実際、低音は控えめでした。聴かせていただいた音源で、私が知っているのはエヴァンスのワルツ・フォー・デヴィくらいでしたが、ラファロのベースはもう少し押し出し感が欲しくなりました。一方、ヴァイオリンや上述のエレキギター、ソプラノなどは、実に高音が伸びやかでした。オーディオのレベルを上げる一つのキーが低音だと思っていますが、このような割り切りもあるのかと、勉強になりました。聴かれるジャンルの影響もあるのですが、何より自身が欲する音を理解された上でのシステムだと思いました。
こちらは壁にかかっていたものとは別のヴァイオリンです。モデルは名器ストラディバリウスです。UENOさんは嘗て、大学のオーケストラでヴァイオリンを弾かれていました。当初、軽音楽部に入るつもりが、巡りあわせでオーケストラに入ることになったそうです。経験値ゼロながら練習を重ねた様子が、手書き文字が詰まったスコアから窺えました。ただし、いいこと尽くめではありません。
・オーディオではどうしてもヴァイオリンのパートが気になる(他の楽器に関心が向かない)
・苦い経験のある楽曲はなかなか聴く気にならない
そうです。先入観無しに楽曲を楽しめる・・・これは当方の、知らないことによるメリットですね。
オフ会の後は近所の中華料理店で感想戦です。おいしいカニチャーハン、ご馳走様でした。ホームページの日記をみると、UENOさん、かなり食事やワインにはお詳しい様子。この日はアルコール抜きでしたが、姫路あたりで続きをやりましょう。学生時代、つまりオーケストラに打ち込まれていた時期は、横浜とも大いに関係があったと聞きました。東京・横浜方面で旧交を温める機会もあることでしょう。その際は拙宅にもお立ち寄りください。海とは逆の広さ(狭さ)ではありますが。
個人的にはいちばん音が激変したと思ったのがK-01の導入でした。アキュファンの私ですが、エソテリがここまで来たのか、とちょっと浮気したくなったほどです。
とは言え、自ら「オーディオマニアではない」とおっしゃっておられるだけあって、割り切り方が潔くて求める音の方向性がぶれないところがuenoさんの凄いところで、それはいつも見習わねばと思っています。
雑文失礼しました。また機会があれば拙宅へもお越しください。
午前中に姫路に行かれていたとは想像もしませんでした。
オフ会へはローカル智頭急行での長旅お疲れ様でした。
我が家のオーディオルーム、そしてオーディオに関して言えば
今回の記事が全てだと思います。
不足も無ければ過分なところも無く、
まさに僕が普段から楽しんでいるオーディオのスタンスを
表現していただいたという感じですね。
ありがとうございます(^^)
今後共よろしくおねがいします。
これまでの訪問においても、いろいろと変遷があったのですね。ご本人はオーディオマニアではないと言われていますが、音に対する拘りがなければ、出せない音だったと思います。
K-01もすっかりシステムに馴染んでいるようでした。以前のシリーズに比べると音が柔らかくなったと、よく言われますね。
ぶれの無さの裏には、やはりご自身でヴァイオリンを弾かれていることもあるのでしょうね。
訪問の件、別途メッセージにて調整させてください。
やっぱりオーディオルームって、いいなぁと思いながら聴いておりました。この先、システム変更は無い(無さそう)とのことですので、あとは音楽があるだけですね。
ゆうけいさんのコメントから、UENOさんの過去の試行錯誤ぶりも伝わってきました。
どうせ姫路を通るならと、前から午前中の過ごし方を考えておりました。地方の映画館は、こんなことでもしないと行く機会がありません。お蔭さまで朝から晩まで充実の1日となりました。
私も最近フォステクスのSP(FE103SOL)を使い始めていますが、ウーハーを追加して2WAY化も検討していました。
ダブルウーハーでも低音控えめというのは、少し意外ですが、広い音場感というのは、拙宅にも似ているでしょうか?出来れば聴いてみたいですね。
木に囲まれている点では、スイートサウンドさんのお宅とも共通していました。専用部屋の持つ広さ、対称性などのメリットを感じることができました。
岡山のお宅に伺った際もフォステックの明朗さが印象に残りました。ユニットの個性なんでしょうかね。低音はサブウーハーなども検討されたようですが、質に拘り現在に至っているとのことでした。
元々のSP配置が広いので、いわゆる平行法で音場が広がる感じとも異なります(表現しにくいです)。聴く機会があればと思います。佐用は岡山とも近いですね。