珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

Hさんを訪ねて

2023-05-05 09:38:46 | オフ会
連休オフ会の第一弾、江東区にお住いのHさん宅にお邪魔しました。Hさんは2021年の11月、ishiiさんと一緒に拙宅にお越しいただきました。英国GOODMANSのAXIOM 80 を使われているベテランの方で、一度伺いたいと思っておりました。連休前にishiiさんよりオフ会のお誘いがありました。Harubaruさんとも面識があるとのことで、ishiiさん、Harubaruさん、私で訪問する運びとなりました。東京方面のオフ会はそれなりにこなしていますが、江東区はなかなか訪れる機会がなく、新鮮な感覚となりました。

この日は終日、好天に恵まれ、雲一つない空に心地よくなりました。神保町での乗り換えついでに富士レコードに寄って、アルバムを物色しました。結局、伊東ゆかり『ゆかりの贈り物』、小林麻美『落ち葉のメロディー』で落ち着きました。軽いランチをドトールコーヒーで済ませ、都営新宿線に乗りました。



最寄駅に早めに着いてしまったのですが、既にishiiさんが来られていました。Harubaruさん、Hさんの順に集まり、全員集合したところでお宅へ向かいました。10分ほど歩いてご自宅に到着、早速、システムのある2階のお部屋に通していただきました。お部屋は10~12畳くらいでしょうか。短辺配置でAXIOM 80が平行法で置かれていました。上流機器は、ほぼ床に直置きのシンプルなセッティングです。お部屋にはシステム以外に、レコード、CD、書籍(バロック音楽関連)多数あって、正に音楽を楽しむ部屋、といった風情でした。


これまでタンノイを始めビンテージSPを聴く機会がありましたが、GOODMANSのAXIOM 80を聴くのは初めてです。再生が始まる前に内部構造を見せていただきました。コーン型フルレンジユニットで、口径は25cmです。いわゆるエッジが無く、カンチレバーでユニットを支えているそうですご自宅に向かう途中「チェンバロとリュートを理想の音で再生する」ことをテーマとされている旨、伺いました。求める音が揺らぐことなく、継続的にオーディオ経験を積まれてきたことが、想像できました。


上流の機器群です。以前はラックを使われていたそうですが、音を追求した結果、この形態に辿り着かれました。この日はCD再生が中心でした。CDプレイヤーはスチューダーA727です。スイスの業務用のCDプレイヤーで、ルボックスと共に憧れたオーディオファンは少なくないと思います。アナログは最後の最後で数枚かけていただきました。プレイヤーがガラード301、カートリッジはオルトフォンの組み合わせです。アンプはお知り合いの方が製作されたプリアンプ、ウエスギのパワーアンプという構成です。


Hさんのメインジャンルであるバロックを中心に、チェンバロ、ヴァイオリン、合唱等の作品を聴かせていただきました。初っ端はモーツァルトのピアノソナタでしたが、楽器は現代ピアノではありません。鍵盤の数が少なく、フォルテの出し方も異なるそうです。クープランによる声楽曲は、本来、深夜から早朝にかけて上われる音楽です。蝋燭の灯を1本ずつ消しながら進行する・・・そんな解説もいただきました。まず音楽への想いがあり、その上で再生にも拘る、Hさんならではのプログラムでした。


一方で、ゲスト側への配慮もいただき、声モノを中心にジャンルを超えて聴かせていただきました。アメリングの初期のCD、こちらでも登場です。SPの少し奥に優しい声とピアノが広がります。フルレンジ1発は声の再生に向いているイメージがありますが、実際、聴かせていただいた声はナチュラルで耳に馴染みました。ダイアナ・クラール他ジャズをいくつかけていただきました。低音が控えめな点は、仕方ないところかと思いました。「チェンバロとリュート」の再生を追求することとのバランスです。



今年に入ってアナログ再生は暫くされていなかったそうですが、ゲスト側の期待も汲み取っていただきました。中でも強い印象を受けたのが、こちらのビバルディの協奏曲でした。解説記事において録音風景が紹介されていました。洞窟での録音のせいでしょうか?非常に響きの豊かな再生です。荘厳でありつつも優しい不思議な音でした。他、ビーバーのヴァイオリンソナタ等、コレクションの中でも、特にHさんが最高と感じられている盤を聴くことができました。棚に詰められた多くのレコードも、きっと素晴らしい音楽として鳴るだろうと、感じました。


途中で、音場の広がりの話題になりました。音が左右に広がるか、上下に広がるかの違いです。リーナ・ナイバーグ(2つ上の写真左下)はトラック毎に表情が変わるようで、実際、声の高さが変わりました。Hさんはバロック音楽の再生において、教会が持つ高さを出すことをイメージされているようでした。オーディオでは聴いている音が同じでも、何が聴こえているかは人によって異なります。理想の音を追求する過程で、形成されるオーディオ耳は、確かにあるなぁと、再認識した次第です。勉強になりました。

結局、夕食までいただき恐縮しましたが、オーディオ談義を続けました。とりわけHさんのケーブル自作熱には驚きました。オーディオ趣味の多様さを感じた1日でもありました。Hさん、ishiiさん、Harubaruさん初夏の楽しい1日をありがとうございました。また、よろしくお願いします。
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (横浜のvafan)
2023-05-06 20:49:46
Harubaruさん、こんばんは。

先日は、Hさん訪問ご一緒いただきありがとうございました。Harubaruさんとは多方面のオフ会で同席することが多いですが、今回も唯一無二のオーディオの世界を楽しむことができました。

バロック音楽への造詣、求める音、AXIOM80を始めとする愛機、そして豊富な経験の組み合わせで、あのサウンドが成立していました。あとは拘ることの大切さでしょうか?勉強になりました。
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Unknown (横浜のvafan)
2023-05-06 20:33:45
ishiiさん、こんばんは。

約1年半前のオフ会以降、Hさんのお宅を伺いたいと思っていました。お声かけいただきありがとうございました。

AXIOM80を実際に見聴きできてよかったです。Hさんの音楽やオーディオへの想いが伝わってきました。

落ち着いたところで、また相互交流させて下さい。
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Unknown (Harubaru)
2023-05-06 18:50:08
Hさん宅のオフ会は楽しかったですね。夜の食事までご馳走になり恐縮しております。
チェルバロとリュートをいかに良くならせるかという拘りと、またバロック音楽に対する豊富な知識がHさんの凄さを感じさせてくれました。
個人的には正相・逆相の捉え方、またそれが良いケーブルを製作するベースとなっていることにとても興味が持てました。
オーディオにはいろんな楽しみ方があるのだと実感させられた1日でした。
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Unknown (ishii)
2023-05-06 16:28:20
当日はお疲れ様でした。AXIOM80は初めてとのこと。
いい体験になったと思います。機会がありましたら、拙宅にも遊びにいらしてください。
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お世話になりました (横浜のvafan)
2023-05-06 12:13:40
Hさん、先日は長時間に亘り、お邪魔させていただきありがとうございました。

普段聴くことの少ないジャンルでしたが、Hさんの解説と、実際に出てくる自然なサウンドで、楽しむことができました。皆さんの拘りに直接触れられるのがオフ会の良さですが、滅多にお目にかかかれない深い景色を見させていただきました。

私も次の交流機会を楽しみにしています。
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お疲れ様でした。 (hiroki)
2023-05-06 09:54:29
先日は遠路はるばるお越しいただきありがとうございます。
いろんな音楽を聞いていただこうと思い矢継ぎ早にCDをかけしましたがお疲れになったかもしれませんね。
もう少し会話の中でたまにその雰囲気に合った音楽をお聴かせする方が良かったと後悔してます。

ただ時間が経つのは早く物足りなさは残りますが
楽しいひと時を過ごせたことに感謝します。

またいらしてください。
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