10月5日、成瀬のアートスペース・オーで開かれた、山崎伸子さん(チェロ)のリサイタルに行ってきました。曲は、バッハ無伴奏チェロ組曲の1番~6番です。8月の前橋さんのリサイタルで、この日のリサイタルを知りました。バッハつながりで、これは行かねば、と早めに申し込みを済ませていました。バッハのチェロ組曲をライブで聴くのは、浜離宮朝日ホールでの長谷川陽子さん以来になります。全曲通すと、3時間超えの長丁場です。ベルウッドさんの前回のアドバイスに従い、マット持参で会場に向かいました。
会場の成瀬まで、時間に余裕があったので歩いてみました。横浜市と町田市の境の、いつもの散歩コースです。草の茂みや、丹沢・大山の遠望に、去り切らぬ夏を感じます。そう言えば、この日、山崎さんも半袖のカジュアルな恰好での演奏でした。
そうは言いつつも、秋も着実には迫っています。恩田川の桜の葉が色づき始めました。この川を過ぎると、アートスペース・オーまで登り坂です。まだまだ時間に余裕があったので成瀬駅近くの成城石井でジャムを調達して(人気のいちごバターは売り切れ)、会場入りしました。
開演は午後4時でした。1階のギャラリーで陶芸作品を見ながら開場まで待ちました。聴衆はご年配の方が多かったです。音楽なあるいは陶芸なのか分かりませんが、地元のサークルの方でしょうか。今回は一人だったので控えめに2列目の席を確保しました。
この日は1番から順に弾いて6番に至る、珍しい演奏順でした。リサイタルの最後に、山崎さん自身による解説がありました。順番通りに弾くのは体力的にキツいそうです。実際、当初のプログラムは、第1番・4番、第3番・5番、第2番・6番となっていました。各曲の個性を、人生に喩ていたのが面白かったです。山崎さん曰く、1番には10代、6番には60代に相当する雰囲気があるとか。確かに1番の出だしには颯爽とした若さを感じます。オーディオで聴く際にも、そんな見方、聴き方を加えると違った楽しみになります。
休憩を2回挟んでの3時間超えの演奏、終わってみれば早かったです。至近距離で聴くチェロの音は、普段のオーディオで聴くそれとは全く違います。特に低音部のブワァーと押し寄せてくる感じは、生&至近距離ならでは、でした。といっても、その低音に母性を感じるのは、山崎さんだからでしょうか。終始、包まれているような感覚で全曲、聴かせていただきました。この後、文化の日に、王子ホールで全曲演奏をやるようです。アンコールはカザルスの「鳥の歌」でした。吸い込まれるような、沁みる演奏で、締めとなりました。
終演後、会場を後にした時には午後7時半を回っていたでしょうか?秋分の日を過ぎ、日が短くなっているのを実感します。ラグビーW杯の日本-サモア戦の中継が気になっていたので、足早に帰路に就きました。
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