9月に入ってずっと涼しかったので、予想通り金木犀の開花は早かったですね。今年は関西への出張が多く、勤務先の敷地内が最初の香りとなりました。桜と違って南下するイメージを持っていたので不思議な気もしましたが、とにかくこれで個人的には本格的な秋のスタートです。そんな金木犀が薫る27日の土曜日、椀方さんのお宅を訪問してきました。お宅のマンションは千里方面の住宅街にあります。最寄駅からお宅へ向かうタクシーから、緑や景色に恵まれた住環境の良さが伺えました。到着に合わせて玄関先まで椀方さんにお出迎えいただきました。
椀方さんはリフォームによって得た広いリビングルームでオーディオを楽しまれています。私も多くのお宅訪問を重ねてきましたが、リビングで楽しまれている方は案外多いような気がします。広さは魅力の一つですね。勿論、家族との折り合いが大前提ですが、拙宅ではまず無理です。SPは30年以上、インフィニティの Refarence Standard 2.5 を使われていますが、この夏からGRFさんのジャーマンフィジックスTroubadour40が加わっています。構築途中の大阪のリスニングルーム用で、椀方さんのシステムで慣らし運転中だそうです。360度無志向の音を聴くのは、GRFさんの和室に続いて2部屋目となります。
リビングの右側は植栽満載のベランダになっていて、柔らか自然光が心地よい空間を演出しています。鎮座して約2か月ですが、Troubadour40もすっかり馴染んでいる様子。椀方さんのシステムはファイル再生が基本です。ソニーのハードディスクプレイヤーHAP-Z1ESも導入されていますが、ヤマハのハードディスク内蔵のCDP+単体DACも併用されています。HAP-Z1ESに完全に移行されていないのは、HAP-Z1ESにデジタルアウトがなく、かつ単体DACの音を気に入られているからです。必ずしも新しい製品がいいとは限らないのがオーディオです。
Troubadour40は360度無志向のDDDユニットを、別のSPと組み合わて使うコンセプトの製品です。DDDユニットが300Hz以上を受け持ち、別SPに300Hz以下を委ねます。詳しくはわかりませんが、クロス周波数や抵抗違いなども調整可能のようです。下方に映っているグレーのボックスがネットワークで、これを介して別SPをつなぎます。
インフィニティの Refarence Standard 2.5です。30年の間に劣化したパーツは交換したそうですが、その過程でアンプを増強せざるを得ない状況になったと聞きました。蒲田の出水電器との付き合いはその頃からです。インフィニティの名前は90年代初頭のオーディオ誌では普通に見かけました。現在はカーオーディオにシフトしているそうです。Refarence Standard 2.5のクロス周波数は300Hz、抵抗は4オームでDDDユニットとの相性はぴったりです。Refarence Standard 2.5の高域は前方と後方に音を出す方式で、これも疑似的な無志向ともとれます。移行はスムーズに進んだようです。
椀方さんは主にクラシックを聴かれており、100%クラシックを聴かせていただきました。こちらの冊子は音源の管理用で、アルバムのジャケット、演奏者、作曲家、レーベル情報などが印刷されています。右上の四角で囲まれた数字は、再生用の管理番号のようでした。音源リストを作成している例は知っていますが、1音源1ページの拘りは初めてです。さらに交響曲、協奏曲、弦楽器などの括りでインデックスがついているので検索しやすいです。パラパラッと捲るだけで、所有作品の全体像を掴めます。冒頭の1曲目はリタ・シュトライヒのワルツ&アリア集でした。
以降、私の好むままに選曲させていただきました。結果的には協奏曲が多かったかも知れません。ブルッフのヴァイオリン協奏曲(アバド/ミンツ)は椀方さんも久々だったようですが、良さを再認識されていました。椀方さん=フルオケのイメージがありましたが、バロックの音源も充実していました。バッハのチェロソナタはロストロポーヴィチの新旧盤で聴き比べ。骨太と繊細のコントラストを楽しみました。バッハ以前のビーバーのヴァイオリン作品の複雑かつ美しいメロディも印象的でした。ハイドンのチェロ協奏曲(堤剛)はピュアオーディオの締めに選ばせていただきました。
お寿司、ビール、出雲のお酒でお昼にした後は、ベルリンフィルのデジタルコンサートにもつないでいただきました。こちらはファイル再生でなく、ネット映像のように都度アクセスして再生する方式です。会費もリーズナブルな印象を受けました。ハーン、バレンボイムの作品を見せていただきました。音だけ聴いても十分、そんな話になりました。ブラームスのピアノ協奏曲は馴染みが無かったのですが、冒頭から好印象です。
拙宅の課題でもあるオーケストラの再生を楽しみにしていました。平行法ならでは音の広がりが見事です。調整もそうですが、部屋の広さから来る余裕もあるように思いました。リスニングポジションを変えてもステレオ再生が維持さるのは経験済ですが、その範囲が広いですね。斜め横の食卓からでも相応の音場が浮かびます。低音の強さは場所により変わり、中央はやや控えめです。全体的にベルウッドさんの音に近い印象を持ちました。電源へ拘られている点も重なります。奇しくも両宅の音を短期間のうちに聴くことができましたが、部屋を入れ替えてもお互い気に入るのではと、思いました。
長くクラシックを聴かれてきた椀方さんから、いくつかアドバイス、後押しをいただきました。まずはライブの経験を増やすこと、です。神奈川にはミューザ川崎、みなとみらい、フィリアホールなど素晴らしいホールがありますが、まだまだ燈台もと暗しの感があります。経験は内なるリファレンスになるはずです。9月はレファレンスの重要性を再認識した月でもありました。一方でクラシック歴が浅いことには気にせずに、聴いている瞬間の心地よさを大事に、といった話もありました。つまり他のジャンルの音楽と変わらないスタンスでいいということですね。肩の力が抜けました。
歩くことは苦ではありませんので、帰りは最寄駅でまで歩きました。街路樹が心地よい坂道を抜けます。紅葉も美しいでしょうね。
坂を上がると六甲山の山並みを見晴らせる場所がありました。夕刻は見事な景観になるそうです。
帰りに大阪駅近くのジュンク堂書店に寄り書籍を漁り、
更に足を延ばして道頓堀へ。何年ぶりでしょうか。東京、横浜にない大阪の熱気を感じました。
夕食は道頓堀の今井にて、鴨と焼き餅の入ったうどんにしました。
最後は梅田まで、雨ならぬ秋の御堂筋を歩いて播磨方面への帰路につきました。椀方さん、午前中から長くお邪魔させていただきありがとございました。東京へ来られる際は、ご一報いただければと思います。
椀方さんはリフォームによって得た広いリビングルームでオーディオを楽しまれています。私も多くのお宅訪問を重ねてきましたが、リビングで楽しまれている方は案外多いような気がします。広さは魅力の一つですね。勿論、家族との折り合いが大前提ですが、拙宅ではまず無理です。SPは30年以上、インフィニティの Refarence Standard 2.5 を使われていますが、この夏からGRFさんのジャーマンフィジックスTroubadour40が加わっています。構築途中の大阪のリスニングルーム用で、椀方さんのシステムで慣らし運転中だそうです。360度無志向の音を聴くのは、GRFさんの和室に続いて2部屋目となります。
リビングの右側は植栽満載のベランダになっていて、柔らか自然光が心地よい空間を演出しています。鎮座して約2か月ですが、Troubadour40もすっかり馴染んでいる様子。椀方さんのシステムはファイル再生が基本です。ソニーのハードディスクプレイヤーHAP-Z1ESも導入されていますが、ヤマハのハードディスク内蔵のCDP+単体DACも併用されています。HAP-Z1ESに完全に移行されていないのは、HAP-Z1ESにデジタルアウトがなく、かつ単体DACの音を気に入られているからです。必ずしも新しい製品がいいとは限らないのがオーディオです。
Troubadour40は360度無志向のDDDユニットを、別のSPと組み合わて使うコンセプトの製品です。DDDユニットが300Hz以上を受け持ち、別SPに300Hz以下を委ねます。詳しくはわかりませんが、クロス周波数や抵抗違いなども調整可能のようです。下方に映っているグレーのボックスがネットワークで、これを介して別SPをつなぎます。
インフィニティの Refarence Standard 2.5です。30年の間に劣化したパーツは交換したそうですが、その過程でアンプを増強せざるを得ない状況になったと聞きました。蒲田の出水電器との付き合いはその頃からです。インフィニティの名前は90年代初頭のオーディオ誌では普通に見かけました。現在はカーオーディオにシフトしているそうです。Refarence Standard 2.5のクロス周波数は300Hz、抵抗は4オームでDDDユニットとの相性はぴったりです。Refarence Standard 2.5の高域は前方と後方に音を出す方式で、これも疑似的な無志向ともとれます。移行はスムーズに進んだようです。
椀方さんは主にクラシックを聴かれており、100%クラシックを聴かせていただきました。こちらの冊子は音源の管理用で、アルバムのジャケット、演奏者、作曲家、レーベル情報などが印刷されています。右上の四角で囲まれた数字は、再生用の管理番号のようでした。音源リストを作成している例は知っていますが、1音源1ページの拘りは初めてです。さらに交響曲、協奏曲、弦楽器などの括りでインデックスがついているので検索しやすいです。パラパラッと捲るだけで、所有作品の全体像を掴めます。冒頭の1曲目はリタ・シュトライヒのワルツ&アリア集でした。
以降、私の好むままに選曲させていただきました。結果的には協奏曲が多かったかも知れません。ブルッフのヴァイオリン協奏曲(アバド/ミンツ)は椀方さんも久々だったようですが、良さを再認識されていました。椀方さん=フルオケのイメージがありましたが、バロックの音源も充実していました。バッハのチェロソナタはロストロポーヴィチの新旧盤で聴き比べ。骨太と繊細のコントラストを楽しみました。バッハ以前のビーバーのヴァイオリン作品の複雑かつ美しいメロディも印象的でした。ハイドンのチェロ協奏曲(堤剛)はピュアオーディオの締めに選ばせていただきました。
お寿司、ビール、出雲のお酒でお昼にした後は、ベルリンフィルのデジタルコンサートにもつないでいただきました。こちらはファイル再生でなく、ネット映像のように都度アクセスして再生する方式です。会費もリーズナブルな印象を受けました。ハーン、バレンボイムの作品を見せていただきました。音だけ聴いても十分、そんな話になりました。ブラームスのピアノ協奏曲は馴染みが無かったのですが、冒頭から好印象です。
拙宅の課題でもあるオーケストラの再生を楽しみにしていました。平行法ならでは音の広がりが見事です。調整もそうですが、部屋の広さから来る余裕もあるように思いました。リスニングポジションを変えてもステレオ再生が維持さるのは経験済ですが、その範囲が広いですね。斜め横の食卓からでも相応の音場が浮かびます。低音の強さは場所により変わり、中央はやや控えめです。全体的にベルウッドさんの音に近い印象を持ちました。電源へ拘られている点も重なります。奇しくも両宅の音を短期間のうちに聴くことができましたが、部屋を入れ替えてもお互い気に入るのではと、思いました。
長くクラシックを聴かれてきた椀方さんから、いくつかアドバイス、後押しをいただきました。まずはライブの経験を増やすこと、です。神奈川にはミューザ川崎、みなとみらい、フィリアホールなど素晴らしいホールがありますが、まだまだ燈台もと暗しの感があります。経験は内なるリファレンスになるはずです。9月はレファレンスの重要性を再認識した月でもありました。一方でクラシック歴が浅いことには気にせずに、聴いている瞬間の心地よさを大事に、といった話もありました。つまり他のジャンルの音楽と変わらないスタンスでいいということですね。肩の力が抜けました。
歩くことは苦ではありませんので、帰りは最寄駅でまで歩きました。街路樹が心地よい坂道を抜けます。紅葉も美しいでしょうね。
坂を上がると六甲山の山並みを見晴らせる場所がありました。夕刻は見事な景観になるそうです。
帰りに大阪駅近くのジュンク堂書店に寄り書籍を漁り、
更に足を延ばして道頓堀へ。何年ぶりでしょうか。東京、横浜にない大阪の熱気を感じました。
夕食は道頓堀の今井にて、鴨と焼き餅の入ったうどんにしました。
最後は梅田まで、雨ならぬ秋の御堂筋を歩いて播磨方面への帰路につきました。椀方さん、午前中から長くお邪魔させていただきありがとございました。東京へ来られる際は、ご一報いただければと思います。
椀方さんのお宅ではオーケストラ再生の見本を見せて(聴かせて)いただきました。平行法調整用の音源も紹介いただき、拙宅でも再トライです。
大阪の拠点はずいぶんと便利のいい場所のようですね。年内は関西方面が多いので機会はありそうです。
DDDユニットは指向性がないので、水平に保てばいいのでセッティングが非常に楽です。
巷には、もっとハイエンドな価格(だけ)のスピーカーが、沢山売れてきたのにも関わらず、GermanPhysiksが売れなかったのは不思議なことに思えます。
今度は音源持参でお越しください。
天気も良かったこともありますが、歩くのは全く苦になりません。半分趣味のようなものです。久しぶりの大阪でしたので、らしい場所に行ってみました。
無指向性ですから、向きは気にせずどこに置くかに専念すればいいわけですね。私もGermanPhysiksはもっと評価されてもいいと思います。