2017年に発表された論文によると、性別と本の選り好みに強調するだけの関係性はなく、男性だからと言って極端にビジネス本を好むわけでも、女性だからと言って極端に文学作品を好むわけではないという。
今回の研究では、欧米を中心とした読書家に対するアンケートを実施し『本の好み』と『実際に読んだ本の傾向』が収集された。
前者の本の好みには男女ともに大きな差はなく、小説を好む層か小説と実用書どちらも好む層に大半が割かれた。実用書を好む層は男女ともに全体の10%未満だった。
後者の実際に読んだ本の傾向だが、実用書を読む男性の割合は同系統の女性の割合よりも3倍大きいものとなった……が、実用書を読む男性の割合は男性全体の20%未満であり「男性だからビジネス本を好む」わけではないことが示唆された。一応、男性は女性よりも実用書を好む傾向にあるとはいえるが、男性みんなが『FACTFULLNESS』を片手に生活しているかと言われればそういうわけではないのだ。
注意としては、この研究は性別と『本の好み』『実際に読んだ本の傾向』に相関があるかを探ったものであり、それらにある因果関係や原因を探ったものではないということ。なので「実用書を読む男性の割合は同系統の女性の割合よりも3倍大きい」ところだけを切りぬいて悪戯に証拠をべたべた貼り付けるのは望ましくない。示唆されたことはそれだけではなく、またその主張自体も確定というわけではないからだ。
ーーー私の男友達は書物をまんべんなく好むが、私はそうじゃない。
ブログで毎日論文を取り上げていることからも察しがつくと思うが、
私はびっくりするぐらい実用書の類が好きなのだ。
そんな私と彼らの差は何なのだろう。
明確な差は「学校に通えていた」かどうかぐらいじゃないか?
参考文献
Margaret Merga (2017) Do males really prefer non-fiction, and why does it matter.