2014年に発表された論文によると、歩行は創造性を高め、またその効果は歩行後もしばらくは残るという。
具体的には、創造性は突発的にアイデアを生み出す能力である発散的思考とアイデアをくっつけてより洗練されたものを生み出す能力である収束的思考の2つに分けられるのだが、歩行は発散的思考のスコア上昇と大きく相関し、収束的思考のスコア上昇と弱く負の相関を示したという。また歩行環境はたとえ『真っ白な部屋』と『野原』という対照的な空間で施行したものを比較してもあまり差はなく、また歩行によるスコア上昇の相関は歩行後もしばらくは残ったという。
要するに、仕事についている時に新しいアイデアを求められてに困っている時はその場をぐるぐる歩き回っていればいい……というわけだが。
研究では発散的思考と歩行の相関を求めることはできたのだが、そのメカニズムや因果関係を求めることができなかったという。つまり、『なぜ』歩行で創造性が上がっているのかがわからないという。
論文では「歩行という物理的動作が認知プロセスに影響を及ぼすまでの過程がわかれば推測できるかも」「歩行によって湧きあがったポジティブな気分が関与しているかも」「歩行と思考のマルチタスクの副次的効果が(rya」と原因についていろいろ論じられているが、決定打となる証拠がつかめなかったという。
ーーーそれでも、歩行と創造性に相関があったことが求めだせただけでも十分な成果である。
→「歩行云々じゃなくて、『行動に制限がない』ことが
創造性を上げてるんじゃね?(Supriya Murali 2022)」
参考文献
By Oppezzo, Marily,Schwartz et al. (2014) Give your ideas some legs: The positive effect of walking on creative thinking.