野菜ソムリエPro. AndyのBlog

「奈良・吉野」の玄関口を中心に活動する、吉野郡唯一の野菜ソムリエPro.&果物ソムリエのベジフルライフをつづっています。

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★野菜ソムリエPro.&ベジフルフラワーアーティスト   宮坂敏史オフィシャルサイトURL
https://miyasaka831.jimdofree.com/

メンパ。

2014年03月22日 23時01分55秒 | 野菜&果物


さて、こちらの写真は「メンパ」です。
川上村に御邪魔させて頂いた際に、見せていただきました。

簡単に申しますと、山仕事の人専用のお弁当箱です。

どちらも深さ10cmくらいあり、普通のお弁当箱よりも深いです。
で、右側のちょっと大きく見えるほうがフタになります。

この弁当箱、両方ともご飯を詰めることが出来ます。
両方ともご飯を詰めると、朝食と昼食の2食分を山にもって行くことが出来ます。

2食分を山にもって行く場合、写真を交えながら説明すると・・・
まず左側の器にご飯を詰めた後、のり弁当の要領でおかずを直接のせます。
おもに魚の味噌漬けや焼き魚、それ以外には野菜や山菜の佃煮をのせます。

右側の器にもご飯を詰めます。

で、ご飯を詰めた右側の器で左側の器をフタします。
このとき、右側の器に詰めるご飯の量は、満タン詰めるとフタが出来ないため、
ご飯を詰める量はあと1~2cmのところまでにします。

こうなると、左側の最後に入れたおかずと、右側のご飯がペタッと密着します。
そして、右側のご飯、左側のご飯の両方ともおかずの味がつきます。

で、山仕事で朝食、昼食を山でとる場合をお話しますと、
明け方、山に登り、山仕事をします。
そして朝食。
まずはどちらか片方の器のご飯と、おかずを平らげます。

そして、昼食は、残りの器のご飯とおかずを平らげます。

場合によってはお味噌とそれの適当な具材を持っていく場合があります。

お味噌汁を山で作る為です。

どうやって作るの?

昼食をとるときは、片方の器がカラですので、これでお味噌汁を作るのです。

実はこの器、熱に強いのです。

適当な具材を入れて、お味噌を入れて、沢の水を入れておきます。
具材は生えている山菜を使うこともあります。

そして、焚き火で予め熱しておいた石をお味噌と具材、沢の水が入った器に入れます。
これであったかいお味噌汁の出来上がり。

で、お味噌汁を作るときは、沢や小川の近くで昼食をとる必要があります。
まぁ、水場から遠いところから山仕事をして、お昼になると水場に近いところを手がけるようにすれば、
お味噌汁が作れます。

山であったかお味噌汁を口にしたいときは、計画的な山仕事が求められるってことですね♪


また、山仕事では汗をかきます。
塩分も流れていきます。
そのためにもお味噌汁が力を発揮してくれるのでしょうね。


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奈良・川上村の郷土食を求めて その2

2014年03月22日 22時31分19秒 | 野菜&果物
さて、つづいて向かいましたのが、
「北和田」地区



こちらでも、郷土食のことについてお母さん方といろいろお話をお伺いすることになりました。

御案内していただいたのが、ある方のお宅へ。
で、お邪魔すると・・・。



!!!

たくさんの郷土料理が出迎えてくれました!
では、その郷土料理の数々をご紹介しましょう!


切干大根と五目豆のいとこ煮。


さつまいものつるの佃煮。
「きゃらぶき」というふきの佃煮がありますが、
そのサツマイモのつるのバージョンです。
おなかのお掃除になりそうです♪


山椒味噌


アマゴの味噌漬け。
清流にしかいない魚です。
しかも、とにかくでかく、身が肉厚~
ここまで大きいものを口にしたのは生まれて初めてです。


たけのこの煮物
昨年収穫したたけのこを保存し、それを煮物にしたものですが、
食感がビックリするほど旬の筍を食べているような感じでした。


わらびの煮物
こちらも昨年収穫したわらびを塩漬けにして保存したものを、
少しの調味料で味付けした一品。
すごく食べやすく美味しかったです。


ぜんまいの白和え


イタドリの漬物。
吉野では「スカンポ」といわれています。
原っぱに生えている、生でかじると酸っぱいものです。

以前、下北山村でもイタドリのお漬物を頂きました。

煮てから外側の皮をはいで塩漬けし保存。
煮るときの火加減がコツだそうです。
食べるときは塩出しして食べます。

コリコリとした食感がたまりません♪


イタドリの酢味噌和え
イタドリの漬物を酢味噌和えにしたもの。
酢味噌との相性と、イタドリの食感がたまりません。
お酒のあてにもなりそうです。


高菜の漬物。
こちらは2年もの。
まろやかな塩味を楽しむなら、こちらがオススメですね。


こちらは1年もの。
ピリッとした辛さ&菜っ葉独特の風味がお好きな方は、こちらがオススメかもしれません。


菜めし。
菜っ葉の漬物と油揚げの炊き込みご飯。
お漬物の塩味がなんともいえません~

このお漬物に使う菜っ葉、主に白菜やしろ菜などが使われるそうですが、
「小菜(こな)」と呼ばれる川上村の在来野菜を使うのが本家だそうです。
こちらはまたご紹介します。


まだあります。

ミョウガを冷凍にしたもの。

ミョウガを収穫して冷凍庫に保存したシンプルなもの。
使いたいときに凍ったまま刻んで、醤油を掛けるだけでいただけます。
もちろん、香りも残っています~


ひしもちまで頂いてしまいました♪

お陰様でおなかがいっぱいになりました~♪

で、話もすごい盛り上がり、野菜の話となると昔懐かしい野菜の話や果物の話で盛り上がりました。

また、お母さん方から「昔のことを思い出させてくれてありがとう!」とおっしゃって下さり、
驚きました。

また、川上村は郷土食の取り組みが実は盛んなのです。
25年前に、川上村の郷土食についてまとめられた本が作られました。
そこには郷土食の誕生秘話やレシピ、どういう時期に食べられているかについて書かれています。

でも、集落ごとで微妙に違いがあるそうです。
そこも面白いところですね。

お母さん方は異口同音で、
「うちらはお店に食料がなくなっても最低4~5日は暮らせる!」
とおっしゃってました。

折りしもこの日、大寒波が日本を襲い、関東地方では記録的な大雪。
そのため交通が寸断されスーパーの食料品売り場などから食料が殆どなくなり、
一時期「食料難」に陥りました。

こういうことをお話しすると被災された方に失礼かもしれませんが、
こうなったときに、こうした保存食や郷土食の知恵は必要と感じましたね。

ご一緒させて頂きました80歳のおばあちゃんが、
足を手術したてにも関わらず石段を軽やかに登っていく姿が印象的でした。

で、気がつけば、夕方。

川上村の郷土食について、もっと学んでいきたいと思います。

北和田地区のお母さん方、ありがとうございました。
ご馳走様でした!


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奈良・川上村の郷土食を求めて その1

2014年03月22日 20時46分32秒 | 野菜&果物
時期がさかのぼりますが、
3月上旬、郷土食についてお話をお伺いしたく、
奈良県川上村にお邪魔しました。

ボクは今年から、吉野杉の住宅メーカー「家族の森」さんの
吉野杉の香りがタップリ漂うモデルハウスで、
野菜果物セミナー「吉野発ベジフルClub in 家族の森」の講師をさせて頂いております。
そこで、吉野のこだわりの特産品や、郷土食をご紹介しております。

もっと多くの人に吉野の郷土食を知って頂き、
野菜ソムリエ視点で和食を見直すきっかけを作る必要があるのでは・・・
と、思っていました。

そこで、今回、川上村の地域おこし協力隊の方にお願いして、
お邪魔させて頂きました。

まず午前中お伺いしたのが、高原(たかはら)地区
そちらのお母さん方といろいろお話をお伺いすることになりました。




山肌にある集落です。
こちらの集落、川上村・高原(たかはら)の高原(こうげん)野菜として、
美味しい野菜がとれる地域なのです。
川上村で土日に界隈されている野菜市「ふるさと市場」で販売されているそうです。

気温差、サラッとした土、傾斜地、そして綺麗な山水が、美味しい野菜をつくる源になっているそうです。

こちらの山水、生け花につかうとお花がいつまでも美しく保つとのこと。

また、冬野菜は早生、中生の品種で甘味があるものが収穫できるそうです。

大体甘味が乗ってくる冬野菜は、晩生、育ちがゆっくりで、収穫が遅い品種のものが多いですが、
早生で甘味があるものは、そんなにないと思いますね。

で、高原地区のもう1つの特産品があります。
こちらです↓


草もち。
でも、ただ単なる草もちじゃありません。

火打ち餅」というお餅です。

このお餅、お釈迦様が使っていた火打ち石の形に似て作られたお餅で、
4/8のお釈迦様の誕生日「花祭り」にこのお餅を作ってお供えし、誕生日をお祝いするそうです。

村で摘んだよもぎと、最近注目の「米粉」を杵でつき、あっさりした甘味のこしあんをその中に包んだお餅です。

もともとは人の手のサイズもあり、
山仕事の人のおやつとして食べられていました。

商品化する際に、一口大のサイズにしたそうです。
でも、最初は1日経つとあんを入れたところが割れてきて、
あんが染み出てくることもあり、結構苦労したそうです。

また、このお餅は村の学校給食でも登場しているそうです。

そして、川上村において、
花祭りでは、写真のような「八日さお」を作ってお祝いするそうです。


で、気づけば2時間が経過。
もっといろいろお話したかったのですが、
次の集落にお伺いするために、後ろ髪を引かれる想いで
高原を後にさせて頂きました。

高原の皆さん、ありがとうございました。
今度は、ゆっくりとお話したいです。


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