海外での看護経験を活かしたい人に注目されているのが、海外医療ボランティアです。ボランティアなので、当然給料は支払われません。しかし、海外看護師の資格を改めて取得する必要はなく、1週間ほどという割かしら短期間から経験できる団体もあり、気軽にキャリアアップという意味でやってみる人も多いようです。
実際に派遣されるのは、基本的にはアフリカや中南米、中東アジアといった発展途上国です。内戦や災害後の復興支援や緊急援助であったり、治安の悪さや医療の乏しさから来る飢饉や栄養不足といったものの影響に備えた支援をするといいます。そのため、食事やトイレといったものは現地のスタッフと共に共同生活を強いられます。贅沢はないのが基本だと覚えておきましょう。実際にボランティアに行くには、そういった活動を図っている団体に参加をする必要があります。
ここで注意すべき事が2点あります。1つ目は、“ボランティア”という良心につけ込み、参加者から高額な参加費を騙し取るという悪徳団体も中には紛れているということです。見分けにくいかもしれませんが、“怪しい”と感じたらやめておく事がベストです。
2つ目は、自身にも危険が及ぶかもしれないということです。支援先は全てがいい場所と限りません。先述した通り、内戦や紛争、治安の悪い地域に行くことの方が多いです。危険を感じた場合は斡旋団体自体が支援辞退を申し入れる場合もあるようですが、ボランティアに行く自分自身も、それなりの覚悟を持って臨みましょう。
実際の支援は、医師や看護師に限らず、学生や一般人も行えます。医師や看護師は即戦力なので約3年以上の臨床経験が必要ですが、学生や一般人はそのまた補助を担います。医療行為に限らず、患者との日常的交流や食事準備、清掃といったそのほかの仕事を与えられるようです。
また、日本と違って、医師と看護師は主従関係でなく対等です。そのため支援に行く看護師は、医師にきちんと意見を述べられるほどの語学力と技術が求められます。
その為に、海外ボランティアに挑みたいという看護師のほとんどが、学歴や資格といった世間一般的な体系よりも“看護師として”の技術や能力が評価されるそのやりがいに魅力を感じるようです。
ある程度の語学力は必要となりますが、こういったものに必要なのは現場にどれだけ貢献出来るかという人間力です。
あなたもぜひ、仕事としてではない社会貢献に興じてみてはいかがでしょうか?