●五感俳句396・嗅覚90・森岡正作1・2018-9-10(月)
○「火事後の匂ひて月もおくれ出づ」(『卒業』1972)(森岡正作1)
○季語(月・三秋)(「俳句201308」より引用)【→五感俳句-索引1・索引2・索引3 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:まだ火事跡にはきな臭い匂いがたちこめています。焼跡の背後から月が遅れて昇ります。地上の一事件に「暗然たる影響」を受けたかのように。
●森岡正作(モリオカショウサク)
○好きな一句「山に鉈忘れ来し夜の稲光」2
○季語(稲光・三秋)
【Profile】:1949年秋田県北秋田市出身。1971年、国学院大学在学中に→能村登四郎、→林翔に師事。「沖」同人。「沖」賞受賞。2000年「出航」主宰。俳人協会幹事。
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■Pickup「月(三秋)」の俳句25句20180910
01「高階へ踊場毎の月を視て」(透次)『眼光(2011)』〈三色絵俳句11〉
02「アイヌには昔あるのみ今日の月」(唐笠何蝶)『何蝶句集』〈次元俳句14昔(時間)2〉
03「歩道橋の天辺あたり月恋し」(透次)『潟風(2012)』 〈三色絵俳句54〉
04「こんなよい月を一人で見て寝る」(尾崎放哉)『大空(1926)』〈技法俳句60自由律6〉
05「おれの留守合鍵に月をのせておく」(宗左近)〈好きな一句〉
06「梯子には月を磨きに行く少年」(佐藤清美)『月磨きの少年(2009)』〈好きな一句〉
07「月の村川のごとくに道ながれ」(上田五千石)『琥珀(1992)』〈特集俳句90言葉2=道〉
08「岩鼻やここにもひとり月の客」(向井去来)『笈日記(1695)』〈五体俳句94鼻1〉
09「新宿の最上階に月祭る」(上田日差子)〈特集俳句97地名1〉
10「我を怒らしめこの月をまろからしめ」(竹下しづの女)『颯(1941)』〈方法俳句100破調1〉
11「月欠けて厚木の次は本厚木」(透次)『起伏(2013)』〈三色絵俳句102〉
12「月の出や総立ちとなる松林」(徳永山冬子)〈好きな一句〉
13「月は澄んで氷嚢のま上か」(海藤抱壺)〈好きな一句〉
14「月がもう誰も通らぬ月になっている」(芹田鳳車)〈方法俳句144自由律17〉
15「月浴びて湯冷のごとき金閣寺」(金子青銅)『三伏(1999)』〈五感俳句147冷感14〉
16「月照らす京都に金と銀の寺」(村早智子)〈特集俳句195寺社俳句4〉
17「月は金色我が身は小さき楽器なり」(小林貴子)〈色彩俳句241金 7〉
18「桧原湖は暮れて磐梯月に聳つ」(松野自得)〈好きな一句〉
19「月を待つ等間隔に箸を置き」(金子敦)〈好きな一句〉
20「月仰ぐ一人に一つ喉仏」(増田守)〈特集俳句302一人俳句〉
21「月乗せて月を落とせる水車かな」(増田守)〈好きな一句〉
22「月に乾杯地球傾きつつ廻る」(赤尾恵以)『譚詩曲(2010)』〈特集俳句349傾く俳句8〉
23「月を見てみな独りなる畳かな」(柴田綾子)『三光鳥(2006)』〈五感俳句351視覚16〉
24「禅庭の一石一樹月の宴」(環順子)「遠嶺2009年1月号)〈好きな一句〉
25「火事後の匂ひて月もおくれ出づ」(森岡正作)↑
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