ケアに関する問題点とその対処法

質の高い介護をしたり、気持ち良く働いたりするために必要なこと

迷惑行為に悩まされる介護現場の実情

2020-11-09 09:39:57 | 日記
介護施設で働く人の悩みの中には、迷惑行為も挙げられます。
利用者だけでなく、施設を訪れる利用者家族からも施設のルールを無視した行為が実際にあるからです。
利用者家族からの迷惑行為には、「面会時間を守らずに来訪する」「共用のスペースを独占する」「禁止されているのに食べ物の差し入れをする」などの行為が目立ちます。
また、施設内で喫煙をしたり、施設敷地外に駐車したり、土足禁止ルールを無視したりするケースも見られ、施設側の悩みの種となっているようです。

しかも、施設を利用する際に発生する迷惑行為だけでなく、ときには電話やメールで施設に執拗なクレームを入れてくるケースもあるそうで、職員はその都度悩まされます。
たとえば、「夜間は1時間毎に巡回しろ」「うちだけ毎日入浴させろ」といったクレーム内容もあり、理不尽な要求であってもなかなかNOと言えず、泣く泣く受け入れざるを得ない施設もたくさんあると聞いたことがあります。
このようなヘビークレーマーの被害は、介護サービス業の競争が激しい大都市圏の施設に多いそうです。

とはいえ、上記のような迷惑行為が続けば、職員のストレスはピークに達し、最悪の場合には複数の職員が同時に辞めてしまうという事態に陥りかねません。
ストレスで心身ともに疲弊してしまった職員が利用者を虐待してしまうといった事件も起きているほど、介護現場は危機的状況を迎えています。
ですから、迷惑行為もクレームにも対応できるだけの人材の確保と、ヘビークレームに対応するための専用窓口の設置などをして、介護施設は職員を守ることも考えなければなりません。
また、施設側も利用者家族からクレームや要望を受けた際、「受け入れないと面倒になる」「ちょっとした要望だから」など、安易に聞き入れたり例外を作ったりせず、一度決めたルールは簡単に覆さないようにすることも働く職員を守ることにもつながると言えます。

認知症の食事拒否を救う介護職員の視点

2020-06-05 02:15:51 | 日記
「食べないと栄養が取れず衰弱してしまうのに、いくら説明しても食事を拒否する…」「無理やり食べさせようとすると暴れて手におえない…」こういった食事拒否の問題は介護の現場でよく目にします。
その方の症状にもよりますが、自分はもう食事をとったと言い張ったり、異物が入っているという理由だったりする方もいます。
生活リズムを整えて服薬をすることで落ち着いてくれればよいのですが、いつまでも食べないままではいずれ点滴や医療的なケアが必要となり、ADLが低下する大きな原因ともなってしまいます。

考えられる原因としては、嚥下機能の低下に伴いうまく食べられなくなった場合や、食事の内容が気に入らない場合が多くあげられます。
嚥下機能の低下は高齢者、特に脳血管疾患や認知症を抱えた方にはよく見られる症状です。
これは誤嚥や窒息のリスクも出てくるので、可能な限り医師や看護師、言語聴覚士等のリハビリの職員に相談し、早急に対処方法を検討することをお勧めします。
食事の内容が気に入らない場合は、ソフト食や軟菜食などの介護食を食事と認識できずに拒否する、というケースがあります。
この場合は再度嚥下機能を評価し、可能な限りその方にとって「食事」と認識できる形状のものを提供することで改善する場合があります。
中には「おにぎりとみそ汁」の組み合わせで出したところ、喜んで口に運んだという方もいます。

いずれの場合にも他職種との連携が必要不可欠ですが、普段の様子をよく知っている介護職の視点は何より重要です。
食事以外の時間もよく観察し、原因を探っていくことが問題解決の近道かもしれません。
食事介助の際に抑えるべきポイントや、認知症の方への対応など、《http://ninchisho-shokujikaijyo.com》を一読すると、より理解が深められるでしょう。