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よみかきそろばんの真の意味は

2006-09-22 22:58:10 | 文化・芸術
 文章を書くこと、日記を書くこと、ブログを書くことはどうも共通点があるようだ。IT関係の仕事をしていて思うのは、以前にも書いたとおりお互いに話していることを理解する能力がどれほど大切かということだ。

 その為にも、本を読み、話を聞き、説明資料を作成し、文章を書き、人前で話すということを少しずつでも続けなければならない。

 昔から、商売人あるいは丁稚奉公の為には、読み書きそろばんと言ったが、つまり、読める、書ける、計算できるというのはビジネスをする上での必須能力だということだ。

 ところが、この3つの能力。案外難しいのである。

 読み書きそろばんと言っても、単純に日本語が読めるだとか、書けるだとか、四則演算が出来るというわけではない。

 例えばそろばんならば、原価10円で500個仕入れた生菓子を100円で売るとしたとき、何個余ると赤字か?なんていうことの"感覚”を言っている。

 仕入に5000円使っているからまず5000円分は取り戻さないと仕入をカバーできない。1個90円の利益なので割り算すると55.5なので100円で56個売ればまず元は取れた状態。ところが56個売れる前に値引きをしてしまうと、この数がまた増えてしまう。あたりまえだが、商売人は、やった商売がどれだけの現金獲得に繋がったかを感覚で計算する。これが損得勘定である。

 かろうじて56個うれば、あと売れた分は全部利益の上乗せだから、いくらで売るかはそれこそ商品の残り具合である。仕入10円だけど56個売れてから1個10円で売ってもそれは利益。これが損して得取れの後ろの横たわるロジックである。
 つまり、損はしないことは分かったから、あとは”お客さんに、うちの店を選んでもらう”経費のような扱いで、少ない利益でも商品を売るのだ。

 食べ物を粗末にするのはDNAレベルで気が引けるからいやなのだが、どうしても廃棄しなければならなかったとしても、56個以上うれていれば、それは勉強代。確かに売れるともっと儲けられたのにと思うが、そもそもそんな商売はよほどの事がないかぎり無い。

 読むことは、まさに人の話を聞いて本心を読むことに繋がる。お客様から「あんたのとこの商品こんなんやったで!」とクレームを付けられたとして、それをそのままクレームとして受け付けるのは商売ではない。「いやぁー、すんまへんー、そんな商品お渡ししてしもて、ところでどうなってましたぁ?」とどんどんとお客と仲良くなる。そして新品と交換するのはもちろん、「これも、つけときますゎ」となにかサービスすることを忘れない。

 そうするとどうなるか。そういう「うるさ型」のお客ほど、いい話もついつい人にしゃべるもの。「あの店、すぐ交換してくれたでぇ」というのは価格ドットコムでも有用な情報の一つだ。これが読むということ。

 書くのは、一番難しい。商売ではあたりさわりなく、さりげなく「うちはちがいまっせ。」を主張しているもの。書くことで、この書いたモノを人が読んだときにその人はどう思うかを考えて書くのだ。これは”書く”と表現されているが、もちろん”言う”ことにもつながっている。

 「あのー、こういう商品ありませんかぁ?」というお客様がいたとき、この言葉から、「ありません」という言葉が来てもショックを受けたくない心理が働いていることを見抜く(読む)ことができれば、「あー、すんませんなぁ、いま、ちょうど、うれてしもて、まだはいってきてませんねん。」とか「きらしてしもてぇ、すんませんなぁ」と返すことができれば最高である。
 
 「ありませんねん。」では不合格だし、「ありません。」や「おいてません」は退場である。「ありませんかぁ」とこわごわ訊いているのだから、できるだけソフトに返すのが常識である。「おいてません」がダメなのは、そこに売る側の主体性が見えてしまうからだ。「はいってきてません。」や「きらしてしもて」は、外部に原因がある表現になって、店としては売りたいのだけども。が伝わるからだ。これが”書く”ちからなのだ。

 こう考えると、読み書きそろばんも、もう一度見直してもいいかも知れない。



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