俗に
書は体を表す、
字は体なり、
文字にはその人の人柄が出る
なんて言いますね。
ゆったりした字、
力強い字、
か細い字、
整った字、
雑な字、
迷いのない字、
落ち着きのない字…
今のように鉛筆やペンや
ましてやパソコンなんかではなく、
筆と墨で書かれていたものなら
尚更その人の個性がはっきり見えるような気がします。
さて、ここにある方の書があります。
戦前まで残っていたものですが
火事で燃えてしまったようで
今は残っていません。
端正で、
まじめで、
どちらかという華奢な字です。
誰の書いた書なのかというと、
暴君と名高い
尚徳王
です。
「琉球戦国列伝」でもコラムの中で紹介されていて
過去にも記事にしたことがありますが、
改めて。
この文章は中国「詩経」からとった一節で
愛しい人を求める愛のポエム
なのです。
なのに、
嗚呼、なのに!
最後の「求」は誤字だという。
(正しくは「逑」=つれあい)
始めてこのエピソードを知った時、
尚徳の意外な一面を見て
好感度が急上昇しました(笑)
このエピソードだけでも鉄板なんですが、
実際の筆跡を見るとまた感慨深いものがありませんか?
(なお、本当ならこの書の最後には
尚徳の署名と落款がありますが、
この写真では切れています)
歴史書に書かれているような
暴虐武人な暴君とは違う一面が
この1枚の写真からも色々想像できますね。
さて、この写真、
何にあったかというと、
というのは次記事で。