がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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百十踏揚行脚~勝連グスク/東の郭~

2011年12月04日 | ・『百十踏揚』を読ム

先週、勝連グスクに立ち寄ったときに
テンションがあがった理由その1。

 

ぬを…っ!!

東の郭、大躍進!!

…って日本語おかしいし(笑)

 

東の郭は勝連グスクに行くたびに登って
その進行状況をチェックしていたエリアでしたが、

今まで覆われていた草木が見事に伐採されて
その姿があらわに!

あらっ、これまでこんな斜面を行き来してたのね

ちょっぴり登るの怖かったわ
(つかむ木や枝もないしね)

見えぬが仏、だったかも?

before→   

東の郭は普通の人は気にすることのない未開拓エリアですが、
実は勝連グスクは東の郭が整備されてはじめて
「勝連グスクだ」とも言えるような超重要なエリア。

王府軍による勝連討伐(勝連グスク侵入)は、
地形上、この東の郭から攻められたとも言えるのですから。

というわけで、「百十踏揚」より抜粋です。

 

■勝連グスク~東の郭~■

第一段階は、むろん東グスクでの攻撃である。

(※首里軍)が突入を図るとすれば、ここ以外にはないのだ。

ここには、約200人の槍隊を配置した。

これを率いたのは照間大親。
漁港のある照間村の長で、銛の遣い手として知られた猛将である。

この東グスクでは、門扉を破り、あるいは城壁を乗り越えて突入してくる王軍を、
槍襖で迎え撃とうというものだった。

実際、この東グスクの槍隊は、突入してきた首里の兵らを
入ってくる順に串刺しにしていったことだ。

しかし、後から後から鼎が沸くように押し出してくる王軍の勢いを、
止める事はできなかった。

槍隊の大半は斬り伏せられて地に這い、
残りはじりじりと、下グスクへ追い返されていった。

*

王軍の先方は東グスクを占拠し、
下グスクへ追い込んだ勝連兵たちに、矢を浴びせ、火筒を炸裂させて行った。

東グスクから下グスクは見下ろしである。

王軍は下グスクの建物群にも、射下ろしに、火矢を注いだ。

 

「百十踏揚 p516-」(与並岳生著/新星出版)

とまぁ、なんとも壮絶な首里軍突入の様子。

でもその前には、
この東の郭のすぐ外、平坦な地であったという東原で
勝連軍の鮮やかな先制攻撃があったのです。

突然、東門に陣取った前線で、
ワーッと、喚声が沸き起こった。

「何だ!」

将たちは立ち上がって、幔幕の外へ飛び出した。
鬼大城も後に続き、そして

「あっ!」

と、目を瞠った。

鬼大城と将たちは、そこに予想だにしなかった光景を見たのだった。

突如として、勝連城の東門が開かれ、
怒涛が堰を切って溢れ出すように、ドドーッと大地を揺るがし、
砂塵を巻き上げて騎馬軍団が吐き出され、
つむじ風のように、首里の軍兵の中へ躍り込んできたのである。

*

陣幕を出て、一瞬アッと叫んで立ち竦んだ鬼大城であったが、反射的に

「おのれ!」

と、次の瞬間には、陣幕前につないであった愛馬に飛び乗り、

「槍!」

と叫び、郎従が差し出すのをひったくると、

「どけ、どけーッ!」

兵たちをかき分けて飛び立った。

*

勝連の騎馬隊はパニックに陥った首里の前線で、
疾風迅雷、竜巻が荒れ狂うように地けむりを上げて蹂躙していた。

これを率いていたのは、屋慶名大親と津堅大親であった。

屋慶名はいくさ用の大斧をビュンビュン振り回し、
津堅は刀を振りまわし、その先頭を突き進んでいた。

*

「津堅、もう良い!引き上げだ!」

「承知!皆、引け!」

津堅は、鬼大城を取り巻いた兵達に叫んだ。

皆一斉に馬首を返した。

一連の行動は、秩序だった、見事なものだった。

「や、逃げるか、卑怯な!」

鬼大城が叫んだ。
騎馬隊のしんがりに立った屋慶名が振り返って、
「鬼大城よ、これはほんの挨拶がわりよ、後ほどゆっくり刃を交えようぞ」

言い捨てて屋慶名は

「では―――」

というように、鬼大城へ不敵に片手をあげると、
身を返して馬腹を蹴った。

いかにも人を喰った態度であった。

「おのれ、待て、屋慶名大親!」

カッとなって、鬼大城は追撃していったが、
勝連の騎馬隊は砂塵を巻き上げて、もはや城門に吸い込まれ、
その殿から屋慶名は悠々と、城門の中へ消えた。

 

「百十踏揚 p479-」(与並岳生著/新星出版)

これは正史にもある記述で
いかに勝連軍が勇猛かつ侮れない相手であったのかが分かるエピソードでもあります。

 

其の城(=勝連城)、西北は険阻、南は海濱に臨み、東角は平易なり。

而して阿摩和利は武勇の人なり。

或いは城を出て殺戦し、或いは門を閉じて拒禦す。

居数(=鬼大城)大いに怒り… (以下略)


 「球陽」より

 

東の郭の発掘&復元作業が進み、
在りし日の勝連グスクの全貌が現れるのが待ち遠しいですね

 

*オマケ* 

勝連城跡ののぼり。

…なんで白目むいてるの?
(せっかくかわいい阿麻和利様なのに~

マジックで黒目書き足したくなる…。

 

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2ヶ月ぶりのフリーな週末

2011年12月03日 | ・徒然日記

今日・明日は久々にお出かけのない週末!
(…えっ、2ヶ月ぶり?^^;)

 

というわけで今日チャレ!

 

“ちゃんと”家事をする。

 

午前中で終わらせて、
午後は(表の)仕事終わらせて、
ちゃんと自炊もしようっと

12月にも入ったことだし、
手ぬぐい模様替えもしようかな。

 

お天気が悪いのが残念だけど、

がんばろうっと。

昨日買った本も読みたいし。

 

コメントたくさんいただきありがとうございます。
今日中にはお返事しますのでしばらくお待ちくださいね。

 

写真は島野菜。

島ラッキョウ、島にんじん、島バナナ、島たまねぎ(←それはない?(笑))

 

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古本屋「じのん」で阿麻和利尽くし

2011年12月02日 | ・和心な本、琉球な本

那覇からリターン!

なんだかんだとほぼ毎週、中山(那覇・中頭)に下ってる気がする

 

でも今日は舞台じゃないよ。

琉球史関係の事って言うのは違いないけれど(笑)

 

そのヒトツ、最近小耳に挟んだ噂の古本屋さん

じのん
(宜野湾市真栄原)

に行ってきました!

 

この古本屋さん、琉球・沖縄関連の書籍をメインに扱っている古本屋さん。

入ってビックリ。

確かにかな~~り濃いラインナップ!

正史や歴史研究者の著作はもちろん、
各地域の郷土史集から発掘調査報告書冊子まで!

赤茶けた古い本の色と匂いがたまらない(笑)

なんか掘り出し物を探すわくわく感

1時間半ほどじっくりみっちり物色して、
(本当はもっといたかったけど次の予定があったので切り上げ
厳選した5冊を購入して参りました。

琉球三国志(上)』があったので即買い。
残念ながら「下」はなかった…
(「下」のほうが面白いんだけどな~)

護佐丸伝』も探してたんだけど、
こちらもあいにくなかった…

でもお目当てだった『新説 阿麻和利考』に加え、
小説仕立ての『新説 阿麻和利(上)(下)』(1963年発刊)
を新たに発見、購入できたので満足

…って、ほぼ阿麻和利関連だし(笑)
(いや、阿麻和利をキーワードにするとその周辺人物についても調べられるんだよ。賢雄とか

 

ちょっとぱらぱらと読み始めてますが、
めっちゃ楽しい!面白い!

 

またちょこちょことこのブログでもご紹介していけたらと思います~

 

古本屋「じのん」、オススメです!

 

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12月1日は、

2011年12月01日 | ・肝高の阿麻和利レポ

今日から12月。
2011年もあと1ヶ月となりました。

 

さて、12月1日は何の日だ!?

世界エイズデー?

映画の日?

もちろんそれもあるけれど、

現代版組踊ファンなら12月1日は

「争奪戦の日」

 

はい、毎年12月1日は肝高の阿麻和利卒業公演のチケット予約開始の日なのです。

卒業公演は1年の中で最も人気のある公演。

特に最後の最後、本当の「卒業公演」となる千秋楽は即日完売必至の大人気公演。

一昨年は正味1時間、去年は40分で完売してしまうという人気っぷり。

ワタシもチケット取得のためにアレコレ作戦立てて奮闘したものです(笑)
(一昨年→ 去年→

でも今度の卒業公演は会場を沖縄市民会館大ホールに変更して、
いつものきむたかホールの3倍の約1500席。

一昨年・去年よりも余裕があるだろうな、と思ってたら、

 

 

座席数3倍にも関わらず
1時間で完売。

あまわり浪漫の会☆BLOG)

 

もう「流石」としか言いようがありません(笑)

肝高の阿麻和利、最強です。

 

ん?ワタシはもちろんGETですよ

 

千秋楽だけでなく、土曜日も楽しませてもらいます

 

 

【肝高の阿麻和利2月卒業公演】

2012年2月11日(土)
開演 昼公演13:00/夜公演18:00

2012年2月12日(日)
開演 昼公演13:00/夜公演18:00(※完売)

 

場所 沖縄市民会館大ホール

料金 一律2,000円(※全席指定)

お問合せ あまわり浪漫の会098-978-0608

 

写真は勝連グスク。

先日の200回公演の時に寄ったんだけど、
久々の勝連グスク、しにテンション上がった~!
面白いことになってます、勝連グスク!!
時間なくて30分くらいしか居れなかったんだけど
90分居れるくらい。

お天気がイマイチだったのが残念~。

その時のレポはまた改めて。

 

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普通に転がってた

2011年12月01日 | ・徒然日記
こういうのが普通に転がってるショクバって、

どーゆーこと


しかも、かなりでかい。
一体刺身何人分だ?


思わずモブロクしちゃったくらい、しかんだ(笑)
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