気になっていた新刊の
加藤秀俊著「メディアの展開」(中央公論新社)を
買うことに(笑)。
前著の「メディアの発生」が印象深く。
前著を読み返そう思っているうちに
新刊が出ておりました。
全613頁。定価3300円+税。
はい。とりあえず「あとがき」をひらく。
「・・・こんどは現代の日本語能力でちゃんと
理解できる江戸期の書物を読むだけだから気軽に
できるだろう、とおもったが、手をつけてみると
さにあらず。たいへんな作業であることがわかった。
なにしろ読みたくなる本が数かぎりなくある。
わたしの書斎に整列している『日本随筆大成』だけ
だってその『続編』までいれると八十冊ほど。
それに『燕石十種』や三田村鳶魚『未刊随筆百種』
などの背表紙が書棚に幅数メートルにおよんで
こっちをにらみつけている。どれをとってみても
おもしろそうだし、読まなければ江戸時代は
わかるまい、という気分になってしまう。
一冊を読むと関連した本がでてくるし、
ひとりの人物に出会うと、まるでフェイスブック
をながめているようにその友人知己が登場してくる。
たいへんな迷路である。八幡(やはた)の藪知らず
にまぎれこんだようなものだ。
だが、さいわいなことにここまで馬齢をかさねた
隠居になってみればヒマだけはじゅうぶんにある。
だから気が向いたときに手当り次第、という読書や、
それに誘発されて旅にでたりしながら執筆するという
生活をつづけることにした。そんな毎日をすごして
いるうちに五年という時間が流れてしまった。
その結果できあがったのがこの本である。」
(p609~610)
ちなみに、
「ここまで馬齢をかさねた隠居になってみれば」という
加藤秀俊氏は1930年(昭和5年)東京生まれ。
加藤秀俊著「メディアの展開」(中央公論新社)を
買うことに(笑)。
前著の「メディアの発生」が印象深く。
前著を読み返そう思っているうちに
新刊が出ておりました。
全613頁。定価3300円+税。
はい。とりあえず「あとがき」をひらく。
「・・・こんどは現代の日本語能力でちゃんと
理解できる江戸期の書物を読むだけだから気軽に
できるだろう、とおもったが、手をつけてみると
さにあらず。たいへんな作業であることがわかった。
なにしろ読みたくなる本が数かぎりなくある。
わたしの書斎に整列している『日本随筆大成』だけ
だってその『続編』までいれると八十冊ほど。
それに『燕石十種』や三田村鳶魚『未刊随筆百種』
などの背表紙が書棚に幅数メートルにおよんで
こっちをにらみつけている。どれをとってみても
おもしろそうだし、読まなければ江戸時代は
わかるまい、という気分になってしまう。
一冊を読むと関連した本がでてくるし、
ひとりの人物に出会うと、まるでフェイスブック
をながめているようにその友人知己が登場してくる。
たいへんな迷路である。八幡(やはた)の藪知らず
にまぎれこんだようなものだ。
だが、さいわいなことにここまで馬齢をかさねた
隠居になってみればヒマだけはじゅうぶんにある。
だから気が向いたときに手当り次第、という読書や、
それに誘発されて旅にでたりしながら執筆するという
生活をつづけることにした。そんな毎日をすごして
いるうちに五年という時間が流れてしまった。
その結果できあがったのがこの本である。」
(p609~610)
ちなみに、
「ここまで馬齢をかさねた隠居になってみれば」という
加藤秀俊氏は1930年(昭和5年)東京生まれ。