和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

斃れし人の顔色は 野辺の草葉にさもにたり。

2015-08-12 | 朗読
本を読んで、しばらくすると、
もう一度読んでおきたいと
思う箇所があります。ひょっとすると
そんな箇所は、朗読にふさわしいのじゃないか。


渡部昇一著「朝日新聞と私の40年戦争」(PHP)
最後の第5章「日本人の名誉にかけて捏造報道と戦う」。
そのはじまりを、私は朗読したくなります。


「『朝日新聞』の捏造記事で『従軍慰安婦』という
言葉が広まったとき、私は『そんなものはない』と
即座に言いました。・・・・
『従軍』というのは『軍属』です。
軍属とは陸海軍に正式に所属する、軍人以外の人たち
のことで、階級区分もありました。たとえば
従軍看護婦、従軍僧、従軍記者、従軍画家などは軍属です。
私は『従軍慰安婦』と聞いた途端、
『従軍看護婦の歌』を思いだしました。
今でも全部そらで歌えます。

一、火筒(ほづつ)の響き遠ざかる 跡には虫も声たてず
  吹きたつ風はなまぐさく くれない染めし草の色

二、わきて凄きは敵味方 帽子飛び去り袖ちぎれ
  斃れし人の顔色は 野辺の草葉にさもにたり

三、やがて十字の旗を立て 天幕をさして荷いゆく
  天幕に待つは日の本の 仁と愛とに富む婦人

四、真白に細き手をのべて 流るる血しお洗い去り
  まくや繃帯白妙の 衣の袖はあけにそみ

五、味方の兵の上のみか 言も通わぬあだ迄も
  いとねんごろに看護する 心の色は赤十字

六、あないさましや文明の 母という名を負い持ちて
  いとねんごろに看護する 心の色は赤十字


『従軍看護婦』にはこんな尊い歌があるのに、
『従軍』に『慰安婦』をつけるとは何事か、
と私はカッとなりました。
これが『慰安婦問題』に対する私の最初の怒りです。」

以下には『女子挺身隊』についての
言葉の指摘が続き、そちらも引用したくなります。
が、興味をお持ちの方は本へ(笑)。
コメント
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