和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

はらはらと。ほれぼれと。

2021-12-03 | 短文紹介
月刊「Hanada」1月号。平川祐弘氏の連載は39回目でした。
「一比較研究者(コンパラティスト)の自伝」の今回は、
「私の学生」と題しております。

はい。ここに登場する牧野陽子さんが魅力です。
ここでは、『はらはらと』と『ほれぼれと』の二箇所引用。

「牧野さんが修士論文を提出したとき、私は米国滞在中で、
審査に関係していない。
比較の大学院は毎年10名前後の論文提出から出来のいい2名を選んで、
4月の新入生のガイダンスを兼ねた八王子のセミナー・ハウスの合宿で
発表させた。教授側も1人発表する。・・・・・

1968年の12月、研究室が過激派学生に占拠された時、
難を避けて泊りこんだのがきっかけで、それが
学年度初めの行事として30年続いた。
それが・・比較文学の最盛期であった。

『牧野発表はすばらしかった。
話し終えた時にはらはらと涙が散った』
と芳賀徹が・・私に手紙をよこした。・・・・」(p353)

これが『はらはら』。
『ほれぼれ』は平川氏が牧野氏へと送った手紙に出てきます。

「・・・陽子さまのご遠慮は、一面では慎み深いお人柄ゆえとも
思いますが、過度の引っ込み思案は短所であるとも思います。

芸術的な感性に恵まれた知性豊かな陽子さまのお話を、
私は日本語であれ、英語であれ、いつもほれぼれとして
拝聴している一人です。

アイルランドの旅でも一番印象に残ったのは
陽子さまのお話でした。それは皆さんそう申しました。
いつも私などの思いもつかぬ点をはっきりと掴んで
引き出して指摘なさいます。」(p356)


はい。これだけの引用じゃ、誤解されるような引用かなあ。
でも、とりあえずいいや。

あとは古本で注文した牧野陽子さんの著作数冊。
それが、届くのを楽しみにしております。
うん。本を読むよりも、本を注文するほうが楽しい(笑)。
コメント
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