和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

凡人のための本棚。

2021-07-27 | 本棚並べ
梅棹忠夫著「知的生産の技術」が最近の寝床のお供。

ひらいた数ページをパラパラ読み。
この頃は、目ざめたら、寝起きにパラリ。
寝床で腰痛体操をして、それから起きる。

なかでも「こざね法」の箇所は、お気に入り。
ということで引用。

「こざね法というのは、いわば、頭のなかのうごきを、
紙きれのかたちで、そとにとりだしたものだということができる。

それはちょうど、ソロバンのようなものである。
ソロバンによる計算法は、けっきょくは暗算なのだが、
頭のなかのうごきを、頭のそとでシュミレートしてみせるのが、
ソロバンの玉である。こざね法は思想のソロバン術で、
一枚一枚のこざねは、ソロバン玉にあたる。

この方法のいいところは、
創造的思考をうながすことであろう。
ばらばらな素材をながめて、
いろいろとくみあわせているうちに、
おもいもよらぬあたらしい関係が発見されるものである。

もうひとつ、文章という点からいってたいせつなことは、
この方法でやれば、だれでも、いちおう論理的で、
まとまった文章がかける、という点である。

天成の文章家には、こんな技術はまったく不必要であろう。
これは、凡人のための文章術である。」(p205)

うん。『凡人のための文書術』というのがうれしい。

本棚をつくって、そこに本を並べていると、
欲がでて、本の並べかえをしたくなります。

せっかく、余分の棚をつくったのだから、
ところどころ、余白の棚をもうければと、
思うのですが、これは、まあ、おあずけ。

本には参考文献というのがある。
本棚の本を、並べかえていると、
まるで、参考文献を組立て直し、
まだ見ぬ本を空想している気分。

そういえば、「知的生産の技術」本文に、
さりげなく、人や本の紹介がありました。

新書でいえば
加藤秀俊著「整理学」中公新書
川喜田二郎著「発想法」中公新書
小泉信三著「読書論」岩波新書
「私の読書法」岩波新書

私が読んだのは、「整理学」だけなので、
他の3冊もこの機会に、ひらいてみたい。

それにしても読書への興味は、
寄せては返す波のようですね。
読もうという興味が寄せてくるかと思えば、
いつのまにか、スーッと引いてしまってる。

それなのに、『知的生産の技術』のところには、
どうしてか、波が寄せてくる頻度がおおくって、
この新書は、本の整理のたびに思い浮かぶ一冊。





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