wakabyの物見遊山

身近な観光、読書、進化学と硬軟とりまぜたブログ

2022GWの茨城帰省時に行ったところ1ー廣澤美術館・板谷波山展

2022-05-14 08:14:01 | 美術館・展覧会

このゴールデンウィークに茨城の実家を伺ったさいに寄ってきたところを、2回に分けて紹介します。今回は、廣澤美術館とそこでやっていた板谷波山展です(2022年5月5日)。いままで行ったことのなかった郷土の観光地巡りの一環です。

 

実家に向かう道中で、関東鉄道常総線に初めて乗りました。実家に住んでいたころはこれに乗る機会が全くなかったのです。つくばエクスプレス守谷駅から水戸線下館駅まで各駅停車で約1時間、1両だけのディーゼルカーによるのんびり旅です。今気がつきましたが、この車両はウクライナ・カラーになっていますね。

車窓からは筑波山が望めます。

 

さて、廣澤美術館に来ました。ここは、筑西市にあるザ・ヒロサワ・シティという広大な敷地を擁するレジャーランド内の施設の一つです。設計者は隈研吾氏です。もう、先生はひっぱりだこです。

外とつながったような解放感。

木のぬくもりとモダンさの共存。

大きなひさし。

そして、建屋の周りを大きな天然石で取り囲んでいるところはちょっと独特ですが、天然の木や石を多用する先生のセオリー通りですね。

ここは、建屋ときれいな庭園が一体化しているところもいいです。

 

この庭園は、斉藤忠一という方による作庭です。禅寺の石庭のようですが、砂が白でなくベージュ色なのです。

 

では、「生誕150年記念 板谷波山の陶芸」展を見ていきます。板谷波山は、筑西市下館に生まれ、明治末期から昭和初期にかけて活躍した陶芸家で文化勲章受章者。波山の名は、近くの筑波山と加波山から取ったそうです。

このような大型で美麗な、いってみれば立派で高級そうな作風が特徴です。やや後の時代に民芸運動で活躍し、益子を焼き物の町として有名にした陶芸家の濱田庄司は、作風はまったく違いますが、若いころ板谷波山に師事しているそうです。

 

ここからは、別館の「つくは野館」で開催されていた筑西の代表作家展の作品です。

 

ザ・ヒロサワ・シティには、乗物類のミュージアム、宿泊施設、バーベキュー場など様々な施設がありますが、コロナ禍のためか多くは休館中でした。またの機会に来てみたいと思います。

このパークゴルフ場や本格的なゴルフ俱楽部は営業していました。


角川武蔵野ミュージアムーその1(ところざわサクラタウン、コロナ禍とアマビエ展など)

2022-03-26 08:10:15 | 美術館・展覧会

角川武蔵野ミュージアムに行ってきました(2022年3月13日)。内容のボリュームが多いので2回に分けて紹介します。今回はその1。角川武蔵野ミュージアムは、設計が隈研吾氏、館長が松岡正剛氏ということで、前から行ってみたいと思っていたのですが、行くきっかけになったのはガチャガチャでした。

 

最近、隈研吾の建築ガチャガチャが出ていて、4アイテムあります。家族から買ってきてほしいと言われ、4個買ったのですが、そのうち3個が角川武蔵野ミュージアムで、1個が高輪ゲートウェイ駅でした。4個のうち3個も同じものを引いてしまったので、もうガチャガチャするなと妻から叱られて、これ以上買うのをやめました。代わりに、妻が別の2アイテムをネットで買って全部そろいました。まあ、これがきっかけで、角川武蔵野ミュージアムに家族で行くことになったのでした。

 

JR武蔵野線の東所沢駅から歩いて約10分で東所沢公園に着きます。この先に、角川武蔵野ミュージアムのある「ところざわサクラタウン」という一画があります。

ガンダムのきれいなマンホールです。

公園を歩くと見えてきました、「角川武蔵野ミュージアム」が。ガチャガチャの模型と比べてみます。うん、おんなじです。

 

ところざわサクラタウンに着きました。

 

ところざわサクラタウンに入ると、大魔神が出迎えてくれます。大魔神は、私が小さかったころ映画で見て怖かった記憶があります。まだ、現実とフィクションの区別がつかない年頃でした。後ろには武蔵野令和神社もあります。

 

タウンの中にあるEJアメニティホテル。中にはショップ&レストランやビジネスエリアも併設されています。

 

「コロナ禍とアマビエ」展が開催されていて、このペインティングは鴻池朋子さんの「武蔵野皮トンビ」です。

 

隈研吾氏の建築は、国立競技場のようにモダンかつ木を多用したやわらかいイメージが強いですが、角川武蔵野ミュージアムはとがっていますね。石で囲まれた巨大な石棺のような、要塞のような、異様な雰囲気を醸し出していて私は好きです。

 

外壁は、花崗岩をプレート状に加工したものが貼り付けられています。中国山東省産の石だそうです。花崗岩というと、先日ご紹介した真壁も真壁石という花崗岩(御影石)の産地として有名です。国会議事堂、日本銀行など重厚な建築に使われる石で、深いマグマから作られると言われています。

 

角川武蔵野ミュージアムの2Fロビーに入ると一つ目小僧が出迎えてくれます。

そして、奈良美智さんの作品や、

ウルトラマンブッダもあります。

 

松岡正剛館長の宣言文。

 

そして、「コロナ禍とアマビエ」展の作品が飾られています。2Fでは無料で見れます。

会田誠さんの「疫病退散アマビヱ之図」。

 

大小島真木さんの「綻びの螺旋」の一部。

 

大岩オスカールさんの「太陽と10匹の妖怪」。

そして、ここから先は4Fエディットアンドアートギャラリーに展示されていて、入るのにチケット購入が必要です。

ゴミの山に見えるが、よく見ると、

作者はだれだったか。

 

会田誠さんの首相演説ビデオ作品。

荒神明香さんの作品。

 

川島秀明さんの作品。

 

会田誠さんの作品。墓碑銘でしょうか?可笑しいのですが、ブラックユーモアが入っていますよね。

(つづく)


三鷹の森ジブリ美術館に行く

2022-02-23 08:23:14 | 美術館・展覧会

三鷹の森ジブリ美術館に行ってきました(2022年2月5日)。

ジブリのアニメを娘とともによく見ていたのは、娘が幼稚園生だった5年くらい前のこと。そのころのジブリ熱は少しさめてしまっていますが、家族でチケットを取り、例によって妻・娘とは別行動ではじめてのジブリ美術館まいりをしてきました。

ここはロケーションがいいですね。自然がたくさんある井の頭公園の一角にあります。

 

建物内部は撮影禁止なので、撮影できた外や屋上だけの紹介です。それだけでも雰囲気いいです。

 

ヨーロッパ風、それもイタリアのようなラテン系の優美さと明るさがあります。そしてアントニオ・ガウディ設計のグエル公園にも近い感じがします。

 

カフェレストラン。

 

一時間ごとの予約制なので、次の時間帯のお客さんが並んでいます。

 

屋上にある造形物たち。

というわけで、中はお見せできませんでしたが、ジブリのアニメ制作工房を模した展示など、マニアックな人たちが集結してすごい精力をかけることで、あの夢のような素晴らしい作品たちが作られたのだと実感しました。短編映画の「毛虫のボロ」が映写されていて、ユーモラスな脚色はされていますが、毛虫の視線で世界を見るというまさしく「環世界(ウンヴェルト)」が表現されているのが興味深かったです。音声はすべてタモリがやっているところもおもしろかったです。

 

帰りに渡った玉川上水。このあたりではこんなに細い川なのです。

 

井の頭池。

鳥たちがたくさんいました。

井の頭池を源流とする神田川が流れていきます。上に見えるのは京王電鉄井の頭線。


幻視するレンズ・MOMATコレクション(東京国立近代美術館)

2021-05-08 08:17:18 | 美術館・展覧会

あやしい絵展を見た後、東京国立近代美術館のコレクションによる小企画「幻視するレンズ」と、所蔵作品による「MOMATコレクション」も見てきました(2021年4月24日)。

 

2Fの幻視するレンズ展に入ります。パンフレットによると、人の眼とは異なる「機械の眼」であるカメラは、写真家の想像力と結びつくとき、むしろ眼の前の現実に、幻想的な世界への扉を開くことがある。この特集では、写真のそうした側面に注目したということです。

 

中山岩太。

 

深瀬昌久。二羽のカラスと流れ星、シャッターチャンス的によく撮れたものだと思います。

この写真展ではA4版くらいの写真が多く、もっと大きなプリントにしたほうがインパクトが出るのになと思いました。

 

次に入ったのが、所蔵作品による「MOMATコレクション」

アントニー・ゴームリー。

 

畠山直哉。

 

ソル・ルウィット。

 

奥田元宋。

 

船田玉樹。

 

東郷青児。

 

三岸好太郎。

 

アンリ・ルソー。

 

ポール・セザンヌ。

 

4Fには「眺めのよい部屋」というところがあり、たしかに景色がいいです。丸の内ビル群の2000年代の風景と、皇居の1600年代の風景のコントラストがすばらしいです。

おやっ、美術館前の道路では玉突き事故があったのでしょうか。このあたりは道路の流れも複雑だし、景色もいいしで、慣れてない人は不自然な運転をしてしまいそうです。


あやしい絵展(東京国立近代美術館)

2021-05-01 10:10:18 | 美術館・展覧会

あやしい絵展を見に東京国立近代美術館に行ってきました(2021年4月24日)。

24日でチケットを予約していたので、ギリギリセーフでした。東京都の緊急事態宣言のため、25日からは臨時休館になってしまいました。順調に行けば、5月12日から休館は解除される予定ですが、あやしい絵展の会期は5月16日までなので、会期延長にでもならないとほとんど見る余裕がなくなってしまいます。

 

天気もよかったので、大手町から美術館のある竹橋まで皇居内堀沿いを歩きました。

 

和気清麻呂像。8世紀の古代日本で、皇統断絶の危機を救った国士と言われています。

 

平川門。

 

国立近代美術館に着きました。

 

これから見る「あやしい絵展」の看板。

 

他にも、「幻視するレンズ」という小企画の写真展や所蔵作品展もやっていたので、次回ご紹介します。

 

次回は、隈研吾展が予定されていてこれも見てみたいです。

 

東京国立近代美術館工芸館は、国立工芸館として独立して3月19日に金沢で開館しました。金沢に遊びに行ったときの楽しみが一つ増えました。

 

では、予約した13時前になりましたので、中に入ります。

 

あやしい絵とは、ほぼ幽霊の絵ですね。エロ・グロ・ナンセンスの世界です。怪獣でも化け物でもなく、幽霊というか女の人の霊です。男の幽霊は絵にならないんでしょうね。

 

橘小夢《水魔》

こうした絵が日本においてたくさん制作されたのは、幕末から昭和初期にかけてであって、その時代はヨーロッパにおいてはシュルレアリズムによるあやしい絵が脚光をあびていた時であり、その時期の一致には不思議なつながりを感じます。私が昔好きだったトワイヤンというシュルレアリズムの画家の描く絵はほとんど幽霊でしたからね。

 

甲斐庄楠音《横櫛》

看板やチケットにもなっている絵。

 

こういう絵を見てるからネガティブ思考になるのよと妻に言われましたが、こうしたモノに惹かれてしまう私の中のダークな部分はけっして消えることはなく、これも人間の一面です。それも含めて受け入れながら、前向きに機能していくメタ認知を培っていきたいというのが今の私の考え方です。

さて、「あやしい絵展」公式図録も購入したので、いずれ書評としても紹介したいと思います。