前回は、抵当権の登記内容についてご紹介していましたが、
少し復習すると、抵当権は借金のカタであり、「債権額」「債権者」「債務者」などが
登記されていました。
「債権額」は、ほとんどの場合、借入当初の金額です。
「債権者」は、いくつかのパターンがあります。
一番わかりやすいのは、住宅ローンを組んだ銀行名です。
ただ、住宅ローンの場合は、申込窓口は銀行であっても、債権者はその銀行系の保証会社(〇〇信用保証など)
になっている場合も多いです。
また、フラット35の場合は、住宅金融支援機構となっています。
「債務者」は、お金を借りた人です。
ただし「抵当権設定」や上記の「債権額」「債権者」「債務者」の記載はあっても
それらすべてに下線(アンダーライン)が引かれていれば、その登記は抹消されています。
抵当権の抹消は、借金を全額返済した際に、すなわち、銀行がもう借金のカタに取らなくてもよい
状態になった際に行われます。
つまり、抵当権の記載はあっても下線が引かれていれば、抵当権の役目は終わっていますので
抵当権の登記は無いものと考えて構いません。
一方、問題なのは「すでに完済しているはずなのに、抵当権の登記が残っている」場合です。
実は、不動産の相続手続きをしていく中で、比較的よくある事例がこれです。
すなわち、親の相続のために不動産の名義変更の手続きをしている中で、自宅購入時の抵当権が残っているような事例です。
当然、ローンは完済しているはずなので、借金のカタとしての意味はありません。
そのため、本来であれば完済した時点で抵当権抹消登記をしておくべきものです。
それが、相続のときまで残ってしまっている状態というわけです。
とはいえ、この程度であれば多少手間が増えたとしても、銀行に連絡をすれば抹消手続きは可能です。
登記手続的に厄介なのは、いわゆる休眠担保と呼ばれている抵当権です。
休眠担保とは、正式な法律用語ではありませんが、長い間忘れ去られてしまっていた抵当権を指すことが多いです。
(休眠担保権については別の記事「休眠担保権とは何ですか?①②」もご覧ください。)
例えば、先祖代々の実家の場合、長男が代々引き継いでいるので、登記名義を変更していない=相続登記をしていない
ということもよくあります。
そのため、登記名義は明治・大正時代に取得したときのまま、などということもあります。
とはいえ、現時点(令和4年時点)では名義変更をしていないこと自体は違法ではありません。
しかし、名義変更がされていないだけであればよいのですが、一緒にご先祖様が借金をした際の
抵当権が残っていることがあります。
ただし、抵当権の登記が残っていたとしても多くの場合は、すでに担保の役割を終えた
形式的なものです。
したがって登記申請さえできれば抹消登記はできます。
しかし、別記事「休眠担保権とは何ですか?」でも書いた通り、このような明治・大正・戦前の抹消し忘れた
抵当権はかなりてこずることが想定されます。
とはいっても抹消できなければ、今後売却などもうまく進まず「負動産」となってしまう可能性があります。
住宅ローンを完済したら、必ず抵当権抹消登記の手続きをされることをお勧めします。
また、相続手続きの中で、古い抵当権を見つけたら、放置せずに司法書士などの専門家にご相談ください。
相続での問題は時間が解決してくれません。
休眠担保はその事例の一つです。
くれぐれも放置はなさいませんように。。
少し復習すると、抵当権は借金のカタであり、「債権額」「債権者」「債務者」などが
登記されていました。
「債権額」は、ほとんどの場合、借入当初の金額です。
「債権者」は、いくつかのパターンがあります。
一番わかりやすいのは、住宅ローンを組んだ銀行名です。
ただ、住宅ローンの場合は、申込窓口は銀行であっても、債権者はその銀行系の保証会社(〇〇信用保証など)
になっている場合も多いです。
また、フラット35の場合は、住宅金融支援機構となっています。
「債務者」は、お金を借りた人です。
ただし「抵当権設定」や上記の「債権額」「債権者」「債務者」の記載はあっても
それらすべてに下線(アンダーライン)が引かれていれば、その登記は抹消されています。
抵当権の抹消は、借金を全額返済した際に、すなわち、銀行がもう借金のカタに取らなくてもよい
状態になった際に行われます。
つまり、抵当権の記載はあっても下線が引かれていれば、抵当権の役目は終わっていますので
抵当権の登記は無いものと考えて構いません。
一方、問題なのは「すでに完済しているはずなのに、抵当権の登記が残っている」場合です。
実は、不動産の相続手続きをしていく中で、比較的よくある事例がこれです。
すなわち、親の相続のために不動産の名義変更の手続きをしている中で、自宅購入時の抵当権が残っているような事例です。
当然、ローンは完済しているはずなので、借金のカタとしての意味はありません。
そのため、本来であれば完済した時点で抵当権抹消登記をしておくべきものです。
それが、相続のときまで残ってしまっている状態というわけです。
とはいえ、この程度であれば多少手間が増えたとしても、銀行に連絡をすれば抹消手続きは可能です。
登記手続的に厄介なのは、いわゆる休眠担保と呼ばれている抵当権です。
休眠担保とは、正式な法律用語ではありませんが、長い間忘れ去られてしまっていた抵当権を指すことが多いです。
(休眠担保権については別の記事「休眠担保権とは何ですか?①②」もご覧ください。)
例えば、先祖代々の実家の場合、長男が代々引き継いでいるので、登記名義を変更していない=相続登記をしていない
ということもよくあります。
そのため、登記名義は明治・大正時代に取得したときのまま、などということもあります。
とはいえ、現時点(令和4年時点)では名義変更をしていないこと自体は違法ではありません。
しかし、名義変更がされていないだけであればよいのですが、一緒にご先祖様が借金をした際の
抵当権が残っていることがあります。
ただし、抵当権の登記が残っていたとしても多くの場合は、すでに担保の役割を終えた
形式的なものです。
したがって登記申請さえできれば抹消登記はできます。
しかし、別記事「休眠担保権とは何ですか?」でも書いた通り、このような明治・大正・戦前の抹消し忘れた
抵当権はかなりてこずることが想定されます。
とはいっても抹消できなければ、今後売却などもうまく進まず「負動産」となってしまう可能性があります。
住宅ローンを完済したら、必ず抵当権抹消登記の手続きをされることをお勧めします。
また、相続手続きの中で、古い抵当権を見つけたら、放置せずに司法書士などの専門家にご相談ください。
相続での問題は時間が解決してくれません。
休眠担保はその事例の一つです。
くれぐれも放置はなさいませんように。。