【ミッションインポッシブル・沖縄編】(その7)
《適格者主義の話①》
「適格者主義はまだあるんです!」
教育長は堂々と宣言した。
「適格者主義はやめたはずでしょ」
「いや、あるんです!」
教育長は頑として譲らない。
私はいったん廊下を一周して、自分の右フックの連打を左手で受け止め、気を静めた。あやうくスーパーサイヤ人になるところだった。で、冷静になって仕切り直し。
「昭和38年の適格者主義は、なくなったんですよね」と丁寧に聞く。
「いえ、あります」
がんこじじい!
「でも、昭和59年の文部省通知でやめたって書いてあるんですよ」
「いえ平成5年通知に《能力・適性等を判定して行う》と書いてあるから、あります」と譲らない。くそじじい。
「だから、平成じゃなくて、昭和ですよ。やめたのは」
「平成です」
(ここで自分に言い聞かせる。ここでスーパーサイヤ人に変身したら話し合いにならない。冷静に。冷静に。)
教育長が隣の人たちに確認しながら、言い張るので、私は隣のおじさんに確かめた。
「あなたは知っているんでしょ。ちゃんとした情報を教育長に伝えているんですか? 都合のいい情報だけ伝えて、教育長を騙しているんじゃないんですか。だから教育長が間違えているんじゃないんですか?」
首を振りながら、隣のおじさんも「平成5年通知が」とか「平成9年」とか言うので、とうとう切れた。「平成11年中教審答申」を持って教育長の前に行き、読み上げた。
「進学率が約94%に達した昭和59年の(通知)においては,「高等学校の入学者選抜は,各高等学校,学科等の特色に配慮しつつ,その教育を受けるに足る能力・適性等を判定して行う」として,高等学校の入学者選抜は,飽くまで設置者及び学校の責任と判断で行うものであることを明確にし,一律に高等学校教育を受けるに足る能力・適性を有することを前提とする考え方を採らないことを明らかにした。」
ここにちゃんと書いてあるでしょ!!!
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