ワニなつノート

無条件の肯定的態度と相互性・応答性のある暮らし (その3)



無条件の肯定的態度と相互性・応答性のある暮らし (その3)


《無条件の肯定的態度を損ねるもの》



【…知らないうちに広く行きわたり潜んでいるものは、

普通の相互行為の中で、

人を卑しめ無視する巧妙な方法である。

たとえば、

嘲笑や冷酷さの混じったちょっとした言葉、

社会的権力の行使、

巧妙なごまかし、

他人を不適格者とほのめかすこと、

直接の感情的接触を避けること、である。

…このようなことは、
意識レベルでは気づかれずにやり過ごされ、
「普通のこと」として受け取られる。】
(※1)


こうした「相互行為」がふつうに繰り返される環境にいると、どんな問題がおこるだろう。

「相互行為」だから、問題は双方におこる。


① 無視される側は、自分は無力だと感じていく。

② 無視する側は、誰に対しても、「条件」を求める。


どちらにしろ、問題は「無条件の肯定的態度」をお互いに取ることができなくなることだ。


      ◇


《無条件の肯定的態度》



漢字ばかりで、難しい言葉に見えるかもしれない。

ほんとうは、とても簡単なこと。


通りすがりに、赤ちゃんと目があって、頬がゆるむこと。

山では見知らぬ人とふつうにあいさつすること。


目が合うこと。

あいさつすること。

相手を選ばない、ということ。

どれも無条件の肯定的態度、のこと。

  
    ◇

《もっとも深遠な行為のひとつは単にまなざしをかわすことである》


【 〔1・認めること〕

認知症の人が人として認められ、名前で呼ばれ、かけがえのない存在として肯定されること。

挨拶の仕方や、長時間、注意深く話を聞く、(たぶん、その人が若いころのことを語る)ときに達成されるだろう。

認めることに言葉を使う必要はまったくない。

その人を認めるためのもっとも深遠な行為のひとつは
単にまなざしをかわすことである。】
(※2)



(※1)(※2)=(「認知症のパーソンセンタードケア」トム・キッドウッド 筒井書房)
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