「ふつう学級」と「自立援助ホーム」をつなぐ糸
《自立について》
障害があっても共に学ぶ運動を続けてきて、
そこで考えてきた「自立援助」。
頼れる親や帰る家のない子どもたちと暮らして、
そこで向き合ってきた「自立援助」。
「障害」があることで、ない子とは違った苦労は多い。
「親や家」がないことで、ある子とは違った苦労は多い。
「苦労」という言葉を使ったが、もちろん一語で表せないことは多い。
それを踏まえた上で、共通するものを言葉にしてみたい。
子どもが「自立」するために大切なことは何か。
それは「自立援助」の仕事で、私が大切にしなければいけないことは何か、だ。
共通するものは何か。
自立にはそれぞれに時季がある、ということ。
究極に無理をさせれば、十五で働いて自立することは不可能ではない。
私の中学の親友は十五で一人で上京した。
今も十五で働いている若者は大勢いる。
ただ、家も親もない場合には「無理してがんばる」中身がまた違う。
そうするしか生きる道がないからみんなそうして生きてきた若者がいた。
でも、親がいないなら仕方ないという、このままの社会でいいのか、と問われているのは私たちだ。
障害の場合、就職とか仕事ができる・できない、という尺度に比重が置かれる。
ホームの子の場合、能力でいえば仕事はできる。
障害がなくて、勉強が普通にできて、仕事ができるなら、問題はないか。
そんなことはない。
だから、障害のある子に、「勉強」や「仕事」の技術・能力だけを求めるだけでは足りない、ということは明らかだ。
(・・・中略・・・)
障害のある子どもたちにとっても、ホームの子どもたちにとっても、
共通することは、18、20歳まで、いかに「待つ」か。
だと思うようになった。
「待つ」間の時間、子ども時代を、いかに豊かな環境で、その子が「大人」になるまでを「待つ」ことができるか。
「自立援助」する側からみれば、いかに「待つ」か、であり、
「自立」する当事者からすれば、いかに「生き延びるか」だ。
その中身が、自立のために、どれほど「豊かな中身」であるか。
問われているのは、「豊かな中身」「豊かな子ども時代」「相互性と応答性の豊かな関係」のこと。
その一つが、教育であり、学校であり、子ども社会への大人社会の見守りと関与だ。
(つづき・・・考え中)
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