《この社会は「入試」を利用して15歳の子に何をしているか?》(その12)
【「合理的配慮」と「排除」】
定員内不合格は、「障害が理由ではありません」と校長はいう。
「入試の合理的配慮をしたのだから、障害による不利益はない」という。
それでは聞こう。
「なぜあなたは合理的配慮を行ったのか?」
「合理的配慮の根拠と目的は何か?
「障害のある生徒に《合理的配慮》が必要なのはなぜだと理解していたのか?」
□
「障害者差別禁止条約」にはこう書かれている。
【障害のある人が障害を理由として一般教育制度から排除されないこと、及び障害のある子どもが障害を理由として無償のかつ義務的な初等教育又は中等教育から排除されないこと。】
そのために、【各個人の必要〔ニーズ〕に応じて合理的配慮が行われる】。
目的は、「一般教育制度から」、そして「無償のかつ義務的な中等教育から」「排除されない」を実現すること。
□
「そのために「合理的配慮」を行ったのでしょう?」
障害のある生徒は、「障害を理由として、一般教育制度から排除される怖れ」がある。だから、「排除されないように配慮を行った」のでしょう。
それなのに、どうして「定員内不合格」?
それでは「合理的配慮」の目的は達成されていない。
むしろ、「一般教育制度からの排除される恐れ」が、あなたの権限において「実行」されたことになる。
□
その理由は何?
「合理的配慮」を行う権限は実行したのに、与えられた「入学許可をする権限」は行使せず、「定員内不合格」とした理由は何か。
「入学許可の権限」を持っているのは校長だけなのだから、「説明する責任」が校長にはある。
「総合的判断」は、説明になっていない。何と何と何を、「総合」したのか、根拠を説明する義務と、子どもへの責任がある。
「合理的配慮を行った」ことは言うのだから、その目的である「入学許可」を行使しなかった理由も説明しなければならない。
その理由も根拠も説明する能力を持たずに、定員内不合格の判断をしたのであれば、あなたの判断は自らに託された権限の濫用であり、裁量権の逸脱である。
・・・・権限とか、裁量権とか、そういう法律の言葉以前に、本当は、教師としての誇り、人としての自らの良心に恥ずかしくはないのかと尋ねてみたい。
「点数の取れる」子に対してしか持たない誇りと良心とだったのかと。
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