感想:夜は短し歩けよ乙女

2017-04-08 08:28:59 | 劇場アニメ



公式サイト

観てきました!


神アニメとしていまだに語られる「四畳半神話大系」スタッフの
森見登美彦アニメ劇場版!!


昔に琴音らんまるのコミカライズを読んだけど
岡山の古本屋で買った原作は結局まだ読めてない…。



まずはキャストから。

主人公が星野源!!
アニオタ的にはボコボコに叩くのが正しいのかもしれないが
これだけマルチに結果を出せている人間を俺は悪く言えない…。
ていうか違和感があったのは最初の数分だけで
その後はすっかり役を自分のものにしてしまってた。
世の中にはこういう天才がいるから嫌になるよねw

ヒロインの乙女が花澤香菜。
「四畳半」の明石さんは透明感のある坂本真綾がドンピシャだったけど
天真爛漫で芯の強い乙女は花澤さんがベストマッチ。
序盤の若干力んでた演技から徐々にシンクロが高まっていくのがわかって
そこも劇場アニメとして楽しめた部分。
もはやアイドルではなく立派な演技派女優で
スキャンダルすらノーダメージの無敵感w

あと特筆すべきは、願いが叶うまでパンツを履き替えない
「パンツ総番長」がロバート秋山。
ここ数年でその才能を高く評価されているお笑い芸人。
最初の演技を聴いたときは「ギャグか?」としか思わなかったのに
これまたいつのまにか役に乗り移ってしまう天才。
劇中劇の歌まで巧みに歌いこなす器用さに驚愕。



作画でも相変わらず魅了してくれる。

酒がテーマだけあって、飲む人それぞれの表情が
どういった目的で酒を飲むのかに非常にこだわってる!!
一貫して酒を飲むのが楽しくて仕方ない乙女の魅力w
家に残ってる電気ブランを飲みたくなった!!

そして今回も唐突に突入するビビッドなイメージ映像。
まさにこの監督のお家芸。
暗くならず、ホラーにならず、といった演出がアニメならではの面白さ!
まあ子供は怖がるかもしれないけど…。


ストーリーもひたすらカオス。
展開がどうつながっているのかわからないままドタバタが続いて
抽象画の画集をめくっているうちにいつの間にか終わってしまった気分。

しかし終わってみると春夏秋冬の各エピソードを
一晩での出来事に見せかけてまとめたのがわかる作りになっていて
しかもそれぞれをひとつひとつ噛みしめることができる。

つねに乙女を中心に周りの人々が動いてしまうカリスマ性の表現が
原作者の理想の女子の形と監督の理想の女子の形が
がっちりクロスしているように見えて
ひたすら惚れ込んでしまう。



視覚的な部分とストーリー部分の両方が絶妙な調理によって
まったく未知の料理になってしまった。
これを狙って作っているのだから恐ろしい。

SNSなど今風のアレンジもあるものの
全体は古き良きダメ学生の夢物語。
共感があったりなかったりするバランスが見事で
見る人すべてが学生時代の思い出を引き出されるはず。

クリアランス性能の高いアジカンのEDも非常に気持ちよく、
上映が終わったあと、大きく伸びをする人が
他の作品よりも多かったように見えた。

作品の華やかな雰囲気に当てられてしばらくはビールが旨く飲めそう。
京都に遊びに行った余韻が残っているうちに
このアニメを観れて本当によかった!!


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