山好き ojisan の ひねもすだいありー 

あの山この山、山行の備忘録。♪憧れの山に旅して、登って、食べて、飲んで…♪ 心地よい生き方を探しましょ♪

残雪の立山 雄山。ビビる隊長編 顛末篇

2016年05月14日 15時16分16秒 | 北アルプス
部屋の窓から見上げる、夜明け前の 立山の山塊



泊まった「立山室堂山荘」は、
立山散々   もとい   立山三山、特に雄山(おやま)
稜線をまっすぐに下った ほぼ真下に位置しています。





昔、立山信仰が もっともっと盛んな頃、
はるばるとこの地まで 苦行の末 たどり着いた信者達
その奥宮本宮を前にして
つかの間 体を休め、お詣り前の身を清めたのが、ここ室堂山荘でげす。
いわば、日本最古の山小屋。

古の、信仰に篤い人々を思って、
慎ましく朝を迎えた、我が隊でゲス。( ←嘘コケ)
( 昨晩もワイン一本空けちまってただろ~ )

あの稜線から 滑落したら、
多分、
今見えてるその裾野まで 超楽に戻ってこれるんだろうな~

あ、命の保証はないけどねー


朝日は、山の向こう側に出るので、
残念ながらご来光は稜線にでもでない限り望めません


奥宮の社殿が ハッキリ くっきり


さて、ルートは、こう。
隣の浄土山との鞍部にある「一の越山荘」まで 先ず登り、
そこから一気に山頂まで突き上げるっていう段取り。





一の越まで 1時間、更に山頂まで1時間、
順調なら往復4時間のコース。
楽勝⁈

大切な、何より大事な腹ごしらえを…


隣棟に保存されてる いにしへの「堂」に比べたら
ほぼ天国、いんや、 「浄土」に等しい、快適な小屋で がした。





さあ、では出発すべ~
折角 “浄土”に一番近い宿をとったんだから、
その恩恵を享受させて頂きましょう




朝 7時過ぎ、室堂もこの時間ならば、バスもケーブルも始発前
下界から登ってくる人は まだいません





室堂自体が 既に 森林限界の上だから、
余計な物など一切ない、
潔いにも程がある、 雪面のみの世界。





はぁはぁ ぜぇぜぇ



残雪期とはいえ、朝のこの時間ならば
雪はまだまだ固く締まっていて、
アイゼンの歯が面白いように効きます。

例によって おサル君を先頭に進みますが、
アレ~⁈
猿め、  今日はずいぶんとペースを上げてるなぁ…

隊長、体調が悪いわけでもないのですが、
どんどん間を開けられてしまいます…



おまけに、こっちは斜度のゆるい面を登ろうとしてるのに
そんな事にお構いなく
ドンドコ進んじゃうし、


↑↑ 隣のあちらはあちらで、やっぱり大変そうだけど、
人の心配してる場合でねえし…



って、
コラ~っ‼

( 後で聞いたら、室堂からトラバース気味に
直接結んだルートを示す竹棒を見つけ
そこに 進路を向けていたんだとか… )

まぁ、周りが見えていたんなら、まだ良しとしよう…
え?! 見えていなかった、俺の方が 問題⁈



なんとか、ほぼ予定のコースタイム、1時間で一の越まで登ってきました。
ほら、やっぱり、
隊長のペースが格段 悪いっていうわけでは ねえべ‼



後立山連峰が 一望っす




稜線越しの風が 結構 吹き付けるもんで、
ちょっとカッコ悪いけど 失礼しまっす、と
おサル君。
いえいえ、なかなかお似合いっす


ひゃーっ、↑ 
カッチこちやぞ‼ ↑  カッチこちやぞ‼

いよいよ、ピッケル⛏の 出番です‼
気を引き締めて行きましょう‼
つい数日前にも、滑落者が出たそうです…

隊長、登りだしてすぐ、 緊張で顔が強張ります。
置かれている状況を理解。
こりゃ おサル君に任せておくには荷が重いだろうと
珍しく男気だして 先頭に立ちます。


下から見上げる分には あまり気付かないけど、
場所によっては斜度は中々のもの、
加えて、雪面と、風で雪の飛ばされた 岩が露出した所と、
トレースは その両方を縫って続いています。
慎重にルートを辿って行かないとなりません。

実際、山頂間近まで、 写真を撮る余裕もありません。
⛏ピッケルを 雪面に突き刺しながら、
この箇所、登ったはいいけど、帰り 下りる時、大丈夫かな~
と、思いっきりビビる隊長なのでした…


とは言え、おサル君の手前、
そんなチキンなハートを 無防備に 晒すわけにはいきません。
努めて平静に、淡々と足を運ぶのでありました。



そして、ついに…




ほぼ予定したコースタイム通りの登頂、
エッヘン、やる時は、やるんだぜ、ベイビー



おサル君も、実は だいぶ気張っていたみたいでゲス


今日ほど、ピッケル⛏様の ありがたみを感じた事 なかったね~


ぐるっと360度、見えます。
天気が安定していてくれて、助かった~
GWの時期って、3,000m級の山は 夏と冬とがちょうどせめぎ合う時だから
晴れれば 汗かくほど暑くなるし、
一旦崩れるとすぐ吹雪いたりして真冬に逆戻り。
我々の行ったこの1週間後にも
大荒れで 何人もの遭難者、滑落者が出ました…









↑↑ 槍様を、この角度から見るのは、初めて。









↑↑ あれまぁ~ 富士山も!!




いつか、ここに宮司さんの詰める夏に再訪しないとね~


ねぇ、キャディさん、景色もとりあえず満喫、そろそろ下ろっか
「一の越」まで、もう一度 気を引き締めていこうね~


後で気づいたんだけど、
結局、登りも下りも
ちょっとだけ斜度の緩んだ「三の越」あたりの写真しか撮っていませんでした。
やっぱり安全に下りる事だけに集中していたんだね~




「一の越」山荘の前まで、どうにか無事に戻ってこれた~
よっぽど緊張していたんだね、隊長、喉がカラッカラに乾いていました…

そう言えば、登りで 我隊の後についてスタートした男女3人のパーティー、
結局 その後、ここまでの往復ですれ違うことはありませんでした。
多分、登りのとっかかりで早々に諦めて撤退したみたい…


山は逃げないから、経験を重ねて、また来ればいいさ、ねっ!?



イヒヒ、あとは、楽勝?!


と、思ったら、富士ノ折立 の下の方で 小規模な雪崩が発生したみたい…
ヘリコプターが さっきから上空を行ったり来たりしてます。
最後まで、油断禁物。
雪も、今朝の登り出しと比べると、
かなり柔らかくなってきているのが、素人にも分かるよ


雷さまが いきなり飛んできてくれて
緊張を和らげてくれます。
今回は、ほんとにたくさん、出会えたなぁ~

あら、あそこにも…



不要な荷物を置いて来たので、
室堂山荘へもう一度戻らなくてはいけません。

この辺まで来れば、ちょっとぐらい羽目を外しても
怒られないでしょう…
隊長がザックに括り付けてきた「ヒップそり」を
おサル君に渡し…

イ~ ヤッホ~!!











とうちゃこ~  
目の前にすぐ見えているんだけど、山荘からは 550m程の標高差のピストン、
やはり それなりに 登りでがありました~


始発で今 ここまで着いたばかりのバックカントリーのおじさまと しばし雑談。



別山方面をバックに、おサル君、頑張りました!!






立山三山縦走も、いずれやったるぞ~ イエ~ィ


室堂まで戻ると、昨日と同じ喧噪が待っていました。


さっ、これから富山側にもう一度下りて、美味しいもの食べてくぞ~ イヒヒ





後編(おまけ編)に続く…



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