明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

酒のツマミ話(25)総裁選から見えてきた事

2021-09-30 15:50:25 | ニュース

30年経っても給料が上がらないって、何かおかしくない?。ちょっと考えたって、アベノミクスでウハウハの筈なのに何で?、と思う。音楽やスポーツ、ファッションにSNSなど、皆んなで楽しむツールは身の回りに溢れている。テレビをつければ娯楽番組全盛で、YouTube の映像も全世界から見放題だ。今ほど「個人の表現の自由」が広がっている時代はないだろう。だが、それで全員が幸せなのかと言うと、現実は将来の夢も希望もなく、今の生活を維持していくのに必死で、余裕のない働き詰めの毎日なのが現実である。昔は社会に組み込まれ、社会から認められて人並みの生活を保証され、その社会と「喜びを共有する」ことで、家族全員が満足していた。今は社会に組み込まれていることは変わりはないが、何故か同じように喜びを分かち合うような一体感がなく、個人としての喜びは「プライベートの付き合いの中に」閉じ込められている。SNSで広がったように感じている個人の存在は、実はむしろ何の保証もない「独りぼっち」の世界だったのだ。何だか飼育ケージに閉じ込められているブロイラーのようではないか。

この閉塞感から脱却するにはどうすればいいのか?

私は社会を、「人生」を自分達のものに取り戻すしか方法は無いと思う。それには、誰もが知っている「格好の例」がごく身近にあったのだ。・・・明治維新である。

明治維新は勤王攘夷とか何とか、スローガンは勇ましく掲げて一種「政策論争」のような形を取ってはいるが、実際は天皇の権威を利用して、「長州の下層武士階級が天下を取る」戦いだった、と私は考えている。つまり「階級支配の逆転」である。フランス革命では、族を打倒して、「市民=資本家ブルジョワジー」が天下を取った。ロシア革命でも皇帝を打倒して労働者が政権を勝ち取ったが、受け皿の「プロレタリア階級が脆弱」だったので、結局共産主義は資本主義に敗れてしまったのである。労働者はまだまだ実力が不足していた。中国でも毛沢東が色々やったけど、結局は鄧小平の資本主義的開放理論で国民の生活を向上させることで、ようやく今の世界第二位の地位を確保出来たのである。もう一度言うが、革命とは「どの階級が天下を取るか」でしか無い。問題は、階級の「成熟度」に掛かっているのだ。

で、今の日本の場合、自民党=富裕層の支配は戦後75年、そろそろ「国民との格差」が大きくなって、「国民の代表」とは言えなくなってきている。日本がとっている民主主義社会の根本理念から言えば、一番人数の多い階級が「天下を取るべき」である。であれば、金満投資家階級を打倒してくれる人を、選挙で選ぶべきである。別に当人が労働者であるべき必要は、無い。社会もガラリと変える必要もない。今の社会のまま、そっくり上の方を「入れ替え」れば良いのだ。政策論争は、する必要がないのである。要は「中身を入れ替える」ことである。誰だか知らん金持ち層の人を総理にするのではなく、「俺達のリーダー」を総理にしようじゃないか、というのが基本「革命」なのだ。明治維新は勤王攘夷と言っていたくせに、新政府が出来たらコロッと開港して、文化から何から「ドッと輸入して」洋風にしたのは記憶に新しい。要するに、やるべきことは江戸幕府でも新政府でも「変わらない」のである。問題は政策ではない。「誰が天下を取るか」なのだ。政策とは、「政権維持」のために考えられる方針のことである。

それが如実に顕れたのが、今回の総裁選だと思う。岸田氏はバランス感覚に優れた全包囲外交で、「一部の富裕層に偏ったアベノミクス」を修正する方向で、「本来の自民党」に戻す役割には最適な総裁だと思う。やや「中間層の階級にターゲットを下げた」方向で経済活動を立て直し、個人GDPを「トップ10に回復する使命」を任せられた、と私は見ている。だが、社会福祉費が異常に増大し続ける現在、このような緩やかな改善で「はたして上手く機能する」だろうか?

私が思うに今の政治家では、発想が「旧体制の枠内」から抜け出せず、抜本的な社会構造の変革を実現するアイディアは、なかなか出そうにない。機は熟している。次の受け皿は、働かずに儲けている投資家富裕層を打倒する「働く階級」のリーダー、つまり「課長レベル」の人間になるだろうと、私は推測している。

岸田氏は従来の主流派=安倍・麻生連合から、順次下の中間層に「主権を下ろしていく役割」を負っているが、多分、その矛盾を「逆に煮詰める結果」に終わって、主権変更を「準備する役割」という、皮肉な結果に終わる可能性が高い。これは歴史の必然だ。ただ、「早いか遅いか」の違いである。いずれ政権は「最大人口の層」に移っていく。その時富裕層の莫大すぎる財産は、一般に「開放される」だろう。曰く、農地開放・財閥解体・身分撤廃、という明治維新の根幹を発動する時が、遅かれ早かれやってくる。

そこで結論するならば、これから目指すべき改革は「上部富裕層の解体」になるだろう。つまり・・・

1、現金廃止
2、遺産廃止
3、個人名マイナンバー化
4、基本生活費と社会保障費の、国民全員「生涯」完全給付

以上です。

なお、これらの内容の詳細は、順次ブログで説明していく予定ですのでご期待ください。


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