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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

言葉にすることの尊さを知る『思い、思われ、ふり、ふられ』

2020年08月15日 16時17分32秒 | 映画


【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
⠀ 配給:東宝

【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:61/105
⠀ ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 映像:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ ⠀ 音楽:★★★☆☆

【あらすじ】
明るくて社交的な朱里(浜辺美波)。
内向的でうつむきがちな由奈(福本莉子)。
クールで物静かな理央(北村匠海)。
爽やかで誠実な和臣(赤楚衛二)。

彼ら4人は偶然にも同じマンションに住み、
同じ高校に通う1年生。

親同士が再婚したことで姉弟となり、朱里に言えない恋心を抱える理央。
そんな理央に憧れるけど自分に自信が持てずに気持ちを伝えられない由奈。
和臣に惹かれていき、自分の感情に戸惑う朱里。
ある秘密を目撃してしまい、自分の気持ちを隠してしまう和臣。

一人の告白をきっかけにそれぞれの感情は複雑に絡み合い、
相手を思えば思うほどすれ違ってしまう。

4人の切なすぎる片想いの行方は。

【感想】
『ストロボ・エッジ』、『アオハライド』の
咲坂伊緒による"青春三部作"の最終章。
それが『君の膵臓を食べたい』の
浜辺美波と北村匠海の再共演で実写映画化。

思ったよりよかった、これ。
実写版しか観てないけど、
過去2作と比べると一番面白かった。

まずタイトルがすごいなと。
『思い、思われ、ふり、ふられ』って、
もう全部そうじゃん。
恋愛って。
すべて内包しちゃった。

想いが交錯しまくる中、
うまくいかない思い描いた未来や繋がりたかった相手。
でも、その失敗があったからこそ、
別の幸せを手にしていく展開は、
「あー、こういうことあったなあ」とか、
「こういうことで悩むよなあ」など、
懐かしさと共にこの歳でも胸にキュンとくるものがあった。

特に、理央と朱里の関係のやるせなさときたら。
理央から気持ちを伝えるまさにそのときに、
理央の父親と朱里の母親が再婚して姉弟となることがわかり、
お互いに「空気を読んで」感情に蓋をするという、
本来自由であるはずの気持ちが大人の事情で制限されてしまうのは辛い。

理央がやや暴走気味になったとき、
由奈の言った「言葉にしたら終わり」ってセリフも深いなと思ったよ。

でも、そんな由奈が一番変わるんだよね、この映画。
恋愛を通じてというより、むしろ「好き」という気持ちを
“伝える”ことを通じて成長していく姿はまぶしい。

恋愛に限らず「きちんと伝える」というのは大事なこと。
それによって世界は大きく広がるし、自分も成長する。
ただ、「言葉にしたら終わり」というのもまた事実。
そんな矛盾を抱えながらも一歩踏み出した由奈はMVPだろ。

咲坂伊緒の作品に共通してるなって思うのが、
登場人物は高校生なのに、キラキラ青春で楽しいことばかりではなく、
辛いことや暗い部分にも焦点を当てた
ヒューマンドラマ寄りの純愛になってること
(あと、夏祭りと文化祭があるのも共通してる)。

それゆえか、みんな高校生なのにも関わらず、
経験してること、考えてること、セリフのどれもが大人っぽくて、
実は人生一周してきてるんじゃないかって感じるんだよね。

一昔前のトレンディドラマを彷彿とさせるぐらいの
恋愛至上主義な物語ではあるのだけど、
若い子だけでなく、大人でも思うところはあるはず。

なんとなくアニメの方が向いているような気もしたんだけど、
まさかアニメ版も9月18日に公開するとは。
観てみようかなー。

てか、戸田菜穂もすっかり高校生を持つ母親役なんだねー。
『ショムニ』で秘書をやっていたときが懐かしいわ(笑)

映画『思い、思われ、ふり、ふられ』公式サイト

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