現在ナチュラリストクラブの年度末の総会のとき、記念講演と題して「人・暮らし・自然の民俗学」の話をしていただいている
その第一回が2008年、台風の時期、外での観察会が無理なら最初から座学でと計画した。自然と民俗学がとても面白く継続している。
2008年 9月14日(日) 人・暮らし・自然の民俗学 その1
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今回はナチュラリストクラブ初めての民俗学講座です。暮らしの中に生きる自然との関わりについてのお話を伺いました。
今回は初夏を彩るウツギについて田中先生にお話を伺いました。採取してこられた枝を手に説明される田中先生です。
ウツギと言う名前がつく樹木はたくさんありますがすべて同じ科ではありません。6科17種と多岐にわたっています。その理由は?
ウツギは漢字で「空木」「空虚木」と書きます。左の写真のように枝や幹が中空になっていることから名前がついたとのことです。写真はユキノシタ科ウツギ属のウツギです。枝の真ん中がすっぽり抜けています。
すべてのウツギが中空になっているのではありません。ではなぜウツギとよばれるようになったか?
1.木の姿がウツギに似ているから
2.ウツギに似た花が咲くから
3.髄が柔らかくて抜くことができ、中空になるから
と言う理由が考えられるそうです。写真左は中空ではないタニウツギです、髄はとても柔らかです。黒くなっているのは鉛筆でつついた痕です。
ウツギの花の写真をパワーポイントでスライドにして見せていただきながら、ウツギとよばれる樹木の種類を説明していただきました。花の形がまったく違うものもありました。
植物の名前のつけ方にルールはないと言うことです。その結果、ある特徴が似ているからと、さまざまな科の植物に同じような名前がつけられたのでしょうか。
「夏は来ぬ」の歌詞の一節の「匂う」の意味(実は卯の花は匂わない)、ウツギの各地での呼び方、利用法など解説していただきました。身近な木なので、生活に密着したさまざまな呼び方があるのにはびっくりしました。
ナチュラリストクラブ初めての民俗学の講義でしたが、身近なウツギの木と人とのかかわりを改めて知ることができた貴重な時間でした。
民俗学講義は第二弾も予定していますのでお楽しみに!
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以上ナチュラリストクラブの報告から(2008年9月より)
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