野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

カモの渡り

2018-11-09 | フィールドガイド--野鳥--

カモの渡り
カモはカルガモやマガモ、オシドリをはじめ、日本で繁殖しているものもいますが、多くがシベリアなどで繁殖をし、雪や氷を避け秋から日本に越冬のために渡ってきます。
その時期は種によって多少違っているようですが、この近辺では早いもので9月の下旬から見られるようになり、10月中にはどこでも見られるようになります。
 カモは冬の間中同じところにとどまるものもいますが、北から順に休憩場所として水辺を頼って南に向うものもいます。
そういう移動途中の群れのピークは、観察していると11月に見られるようです。
この時期にはいつもは見られないところで見られたり、また常に見られるような種とは違った種が見られることがあったりします。
 冬の間日本で過ごした後、翌年の2月ごろから北に向かう移動が始まります。このときも普通よりも数や種類が増えることがあります。
この近辺では4月に入って数の減少が目立ちだし、4月中にはほとんどの場所でいなくなります。
そしてシベリアなどで繁殖をし、夏が終わるとまた日本に来るというような一年のサイクルです。
 日本に来るカモの仲間は大きく分けて、ツクシガモの仲間、主に水辺で植物を食べるマガモなどの淡水ガモの仲間、海などに多く、潜って魚や貝などを食べる海ガモの仲間に分かれます。
ツクシガモの仲間のツクシガモは主に九州で多く、近畿では数少ないカモです。
海ガモの仲間の多くは海や大きな湖沼などに多いので、近辺で見られるカモのほとんどは淡水ガモで、海ガモではキンクロハジロなどのハジロガモの仲間が見られます。
よく見られる種類の数としては淡水ガモの仲間で9種、ハジロガモの仲間で3種、海ガモの-種でアイサの仲間であるミコアイサの一種です。
一度に見ることは難しいですが、合わせて14種類が近辺でよく見られるカモの仲間だと思います。


2007年子どもナチュラリストクラブ

2018-11-08 | 野生生物を調査研究する会歴史
2005年に子どもナチュラリストクラブを宝塚市の西谷地区でたちあげました
西谷地区の街づくり協議会と当会の後援で活動を開始しました
残念ながら現在は活動をしていませんが、 2007年の活動を当時のホームページから報告します

子どもナチュラリストクラブ
宝塚市は市の面積のおよそ3分の2を北部の山間部が占めています。この地域は西谷地区と呼ばれ、自然が豊かな里山林がたくさん残っている所です。この自然豊かな地域を宝塚市民として子供の時から接して、自然の素晴らしさや大切さを体験してほしいという人々の願いからこの会は生まれました。
本会は非営利の会で、2005年度から活動を始めました。
●会の運営:ボランティアスタッフが会の運営を行っています。
●参加資格:小学生(宝塚市以外の方も参加できます)、活動では親子参加が原則です。
●活動日:毎月第一土曜日を基本に行っています。(毎年5月から12月ぐらいまでの年6回ぐらい)
●活動場所:宝塚市西谷地区内の野外フィールドを中心に活動しています。
2007年度の活動
第1回
 5月19日(土)
 
活動場所:
 宝塚市立少年自然の家 
今年最初の発会式です。自己紹介のあと、少年自然の家の周りを散策して春の植物の観察を行いました。自然の家の中にある松尾湿原の見学もしました。 
第2回
 6月2日(土)
 
活動場所:
 丸山湿原 
兵庫県で一番大きな丸山湿原の観察と周辺の山の散策をしました。ササ刈りの体験活動も行いました。 
第3回
 8月4日(土)
 
活動場所
 武田尾僧川 
西谷で一番きれいな川の僧川で、恒例の水辺の生き物の観察会をしました。泳いでいる子もいましたね。とにかく楽しかった。!! 
第4回
 9月1日(土)
 
活動場所:
 西谷夢プラザ 
西谷の夏野菜を使った子どもの料理教室を行いました。夢プラザの調理室は最新の新しい機器が揃っています。 
第5回
 11月17日(土)
 
活動場所:
 県立コウノトリノ郷公園 
西谷から離れて、バスツアーを企画しました。コウノトリノ郷公園では雨でしたが、たくさんの放鳥したコウノトリを真近かに見ることができました。 
第6回
 12月1日(土)
 
活動場所:
 武田尾廃線跡・桜の園 
紅葉を散策しにJR武田尾駅から廃線跡を歩いて、「桜の園」のの紅葉を楽しみました。見事な紅葉にみんなびっくりでした。 
第7回
 2月2日(土)
活動場所:
 西谷夢プラザ 谷環境サミットへ参加

子どもたちが地域の自然を知るための活動でした。
こんな活動にも当会が協力しいたという記録に残したい活動です。

黒豆

2018-11-07 | フィールドガイド--植物編--

11月も半ばとなり黒豆の枝豆もようやく見られなくなった。

今年は夏の暑さのせいか不作が伝えられたがどうだったのだろう。

黒豆
黒豆は黒大豆ともいい、丹波での栽培の歴史は、寛政11年(1797)丹波国大絵
図に、丹波国名産として「黒大豆」が記載されています。1750年頃、篠山藩の領主
青山公が栽培を推奨し、その一部を幕府に献上し賞賛されたことで、日本中にに知れ渡
ったようです。
 ビールのおつまみの枝豆は、黒大豆の枝豆が最高の枝豆として知られていますが、
黒大豆は昔から正月のお節料理に欠かせないものです。
 近代的な品種改良は、1941年に兵庫県農事試験場が兵庫県多紀郡(現篠山市)で
作られていた黒大豆を「丹波黒」と命名し、奨励品種としたのがはじまりです。大粒
をめざして栽培がおこなわれ、1950(昭和25)年に百つぶの重さが47gであったもの
が、平成になると80gにもなり、その大きさはおそらく世界一の大豆であるといわれ
ています。
 丹波黒大豆枝豆と言われるものは、10月の5日から20日頃収穫したものが一番お
いしいそうです。収穫しないでそのまま熟させると、11月下旬から12月にかけて黒
い大豆「丹波黒」となります。収穫する時期によって枝豆になったり、大豆になった
りします。
 丹波産の大粒の黒豆を他産地へ持ち込んで植えても、1年目は大粒の実がとれます
が、「孫|の代になると小粒になってしまうそうです。同じ「丹波黒大豆」でも、丹
波産が他と違うのは丹波の昼夜の温度差が大きく、栄養分が多く保水力に富んだ土壌という
気候風土に関係がありそうです。(生きている武庫川より)
 
12月になると黒豆として目にすることになる。
 

 


ヒシ

2018-11-06 | フィールドガイド--植物編--
ヒシのなかま(ヒシ科)
湖沼やため池に生えています。葉は名のとおり「ひし形」で、葉のつけねがふくらんで、浮き袋の役割をしています。
小さな白い花が1日だけ咲き、その後に実ができます。
この実は、昔から食用に利用されてきました。
=3種類のヒシ=
ヒシには、ヒシ、ヒメビシ、オニピシの3種類があり、それぞれ葉や実の形、大きさが少しずつちがいます。
とくにヒメビシは兵庫県レッドデータAランクに指定されています。
(「生きている武庫川」より)
ヒシの葉は一日に1枚出て広がっていく。次第に広がって池全体を覆うことになる。
1998年篠山城の堀に異常繁殖して除去すると400トンもあったとか(篠山市のHPより)

2010年10月31日(日)『天滝渓谷を訪ねて』

2018-11-05 | 野生生物を調査研究する会歴史
朝晩が寒く感じるこの頃
但馬はもっと寒いかも
今回は 天滝での観察会
 
2010年10月31日(日) ミニバスツアー 『天滝渓谷を訪ねて』
兵庫県養父市大屋町にある天滝渓谷を訪ねました。阪急宝塚駅に7時45分集合。お天気は午後から雨という事ですが強力な晴れ女がいるからきっと大丈夫!
バスで移動中)セイタカアワダチソウの群落をいくつも見ました。一時花粉が喘息の原因になると騒がれたそうですが実は濡れ衣。セイタカアワダチソウは花粉が重く花粉は風で飛散しない虫媒花だそうです。ミツバチにとってはミツや花粉を集める最後の花。掘り返された土地に真っ先に芽を出すので「荒地のパイオニア」と呼ばれているそうです。
最初に寄ったのは玉水神社。ムクノキの群落を見ました。ムクノキのほかに、エノキ、イチョウなどの巨木がたくさんあります。写真のムクノキは樹齢300年といわれています。
 
ムクの葉の裏はザラザラしています。昔サンドペーパーがなかった頃は桐のたんすを磨くのにこの葉やトクサが使われていたそうです。爪磨きにもなる?
 
会員の希望で花の時期ではないですが樽水(たるみ)の大桜を見に行きました。下に小さな駐車場があり、そこから坂道を登って15分ほどで到着。駐車場は20台ほどしか入れず、花の季節には順番待ちの車が山道に列を成すそうです。
 登る途中に石垣がありました。抜かしは養蚕が盛んでクワ畑にするために掘り返した時に出てきた石を積み上げて石垣にしたそうです。大小の岩が組み合わされ、。なんとも趣のある石組みでした。。養蚕が廃れた後はスギやヒノキが植林が植林されたそうです。
 桜はエドヒガンで樹齢100年を越えているといわれています。一時樹勢が衰えたのですが樹木医の手当ての結果また勢いを取り戻したそうです。木の周りには枝を支える足組みたくさんがあります。このあたりもシカのが来るらしく木の幹の周りには食害を防ぐためのネットが張られていました。
 さてい良いよ本命の天滝。その前に駐車場でお昼。ここまでは曇り空だったのですが・・・。お弁当を食べ終わったとたん、大粒の雨が。そこでみんな持参のレインコートやスパッツをさっと装着。さすが!最近の天気予報は精度が高いですね。
 
天滝までの道のりは1.2km、標高差が350mということで時間にして約40分。道は整備されていますが途中に結構急な坂道があります。途中にはいくつも滝がありました。下の写真は夫婦滝。二つに分かれている水の流れが一つになることから付けられた?
 
とうとう滝に到着!天滝は落差98m、県下随一の滝。行程は約40分とか書かれていたけど40分では着かなかった~、一時間はかかったような気がします。でも雨の中を登ってきた価値あり、本当に天から落ちてくるような見事な滝です。
  
勇敢な(?)会員がすべる岩をものともせず、滝の近くまで行ってみました。右下の方に見える人影がそうです。この人たちと比べても滝の大きさが分かりますね。
滝の流れはもっともっと下のほうまで続いていてこのカメラでは全部を写しきれませんでした。(ナナナチュラリストクラブHPより)

リンドウ

2018-11-04 | フィールドガイド--植物編--
秋の里山ではいよいよ花が少なくなり、リンドウが咲き始めると、ヤマラッキョウが咲くといよいよ冬がやってきます。
下草を梅雨どきにかり、そのままにしておき、ササや背の低いススキの中からリンドウの花をみることができるのです。
 
リンドウ
リンドウは漢字で竜胆と書きます。クマの肝が苦く、胃薬として利用されていましたが、リンドウの根も苦く熊の肝と比較して竜の肝(きも)と書かれたようです。
漢方は胃薬として利用しています。
日当たりのよい草地や林縁などでみられ、曇りや雨の時は花が閉じていて、日があたると花が開きます。9~11月が開花期。

2002年キリンビール神戸工場内レフュジアビオトープ創出に関する研究

2018-11-03 | 資料を読む

キリンビール神戸工場内に池がある。工場ができたときにつくられた池である。このころ、ビオトープが注目された時で

この工場内でも、景観を生かした池ではなく、環境に配慮した池をビオトープではじめた報告書である。


キリンビール神戸工場内レフュジアビオトープ創出に関する研究
 1.これまでの経緯
 2001年度の受託研究によって明らかとなったキリンビール神戸工場内ビオトープ池とその周辺の植栽の現状診断結果をもとに,キリンビール神戸工場側と協議し,
神戸工場内ビオトープが目指すべき将来像をまず検討した.その結果,つい30年前まではごくごく普通であった,里のため池とそれに隣接した里山を工場内に再現し,
開発以前に生息していたあるいはその場所が潜在分布域である生物群集の復元を最小限の人為を導入して促す「潜在生物復元型ビオトープ」をその目標とすること,
さらに現在圃場整備や里山の管理放棄等によって絶滅が危倶されている里山やため池に生息する「希少種」の一時的な避難場所としての機能を同時に果たすビオト
ープ(レフュジアビオトープ)をその目標に付け加えることで一致した.
 ここで最も問題になったのは,ビオトープ池創出時に導入されたメダカの処置である.初期に導入されたメダカは,兵庫県尼崎近辺で採集されたものである.神戸市
北区キリンビール神戸工場は,尼崎と同じ武庫川水系に属するが,六甲山をその間に挟み,遺伝的に異なった地域個体群である可能性を否定できない.兵庫県におけ
るメダカ地方個体群の分布情況は複雑で,日本海側に北日本集団,瀬戸内側に南日本集団が分布していることが明らかになっているが,その詳細については未調査
である.兵庫県は,「氷上回廊」という日本海側の由良川と太平洋側の加古川を分ける,本州で最も低い分水嶺があり,またその加古川と武庫川は河川争奪によって
メダカをはじめとした水生動物の交流が過去にあった可能性が高い.
 現在さまざまなビオトープが創出され,そのビオトープにはため池が同時に造成されるのが普通であり.そこに放流される魚類の中でメダカは,最もポピュラーなもの
である.地域個体群の一時的な避難場所レフュジアビオトープをその目標に掲げる限り,メダカの遺伝的差異・撹乱には特に注意する必要がある.このような理由から,
既存メダカの根絶と,同一水系でありかつ近接地のメダカ個体群の再導入を試みることにした.
 水生植物についても昨年度の報告で示したとおり,現在栽培種であるスイレンやベニコウホネが植栽されているが,神戸市北区周辺の在来種であるオグラコウホネ
等の郷土種へ転換を計ることが目標とする「潜在生物復元型ビオトープ」にはふさわしいことを提案した.またビオトープ池周辺に湿地環境を創造することによって,サギ
ソウ.トキソウ等の湿地植物群落形成の可能性も指摘した.今年度は,湿地植物としてサギソウの,水生植物としてオグラコウホネとジュンサイの移植定着を試みた.陸
上植生については,外観的にはある程度の里山の景観を呈しているが,土壌が硬く浅いために群落構造が未発達で,生物多様性が低い状態である.
1
 
2002年3月20日

目次
1.これまでの経緯(ビオレフュジア研究グループ)・・・・・・・・・・・・1
2.樹林の現状と土壌条件(小舘誓治)・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
3.観察された野鳥(川村博史)・・・・・・・・・・・・・・・・..・・・8
4.植物プランクトンの現存量(佐藤裕司).・・・・・・・・・・・・・・12
5.水生植物・湿地植物の導入(永吉照人・鈴木 武)・・・・・・・・・・16
6.既導入メダカの根絶と新規導入魚類(田中哲夫・谷本卓弥)・・・・・・19
7.次期導入候補種の探索(今西将行)・・・・・・・・・・・・..・・・22
8.ホームページ素材(谷本卓弥・牛尾 功)・・・・・・・・・・・・・・23
9.まとめ(ビオレフユジア研究グループ)・・・・・・・・・・・・・・・24

 


2010年箕面野鳥観察

2018-11-01 | 野生生物を調査研究する会歴史
阪急箕面駅から滝へと続く遊歩道は、去年の台風で土砂崩れがおき1.3キロにわたって通行止めとなっていました。(毎日放送-2018年11月1日より)
長く通行止めになっていたのですね
今回は 2010年の滝道での観察会
 
2010年11月21日(日) 箕面野鳥観察
 
今日の観察は、安川先生による野鳥観察。絶好の行楽日和と今が見ごろであろう、もみじを求める人で、箕面駅前はすごい人。
 
駅前にはゆるきゃら「たきみち(滝の道) ゆずる」が。箕面紅葉滝道めぐりマップを箕面市の商工観光課の方が電車が着くたびに改札口から吐き出される大勢の人に「紅葉マップ」を配っていた。

一ノ橋から、一般の人が滝に向かって歩くのとは違う左の道へ、桜広場に向かい坂をほんの少し登ったところで、すぐに鳥の声。最初は見づらい野鳥も、少し慣れると目で追うことが出来るようになる。ここではヤマガラ・カワラヒワ・エナガ・シジュウカラ・クロジ・ウグイスの声を聴くことが出来た。そのうち、クロジをわりに近くで観ることができた。安川先生の今日一番の目的は「クロジを見ることが出来れば…」だったそうで早くもその目的が果たせた。

安川先生は日本野鳥の会出版の「日本の野鳥」を片手にそこに張られているU-SPEAK音声アイコンにペン型のサウンドリーダーをあて、地鳴き・さえずりを聞かせていただいた。野鳥の声を聴き、サウンドリーダの声と比べながら、「これだ」「いや違う」などと観察をしていた。
※地鳴き 鳥の雄雌が通年発する鳴き声、繁殖期の「さえずり」に対して言う。

これがサウンドリーダー。
ウグイスも今は地鳴きで、さえずりは5月くらいまでとか。しかもウグイスのさえずりには方言があるそうで、場所によって音程が違う。音痴の親に育てられた雛はやはり音痴の成鳥になると言う、おもしろいお話も聞かせていただいた。

逆光から観るもみじは素晴らしいオレンジ、赤。
 
杉の木にコゲラが明けた小さな穴がいっぱいあいていた。
修行の古場休憩所からは、一般の滝道と合流。沢山の人と混ざりながらゆっくりと(ゆっくりとしか歩けない)滝まで歩く。

滝の前もすごい人出。観察会も午前中の予定。ここで、人出もすごいのでということで、解散。
<観察できた野鳥>
ヤマガラ・シジュウカラ・クロジ・コゲラ・アオサギ
<声のみ>
カワラヒワ・エナガ・ウグイス・ハシブトガラス(ナチュラリストクラブHP)