ウィステリア家具工房 ブログ

東京都あきる野市にて無垢材で家具を作っているウィステリア家具工房。仕事や趣味、日常の事を写真を添えて書き綴っています。

ケヤキ床の間材での家具製作

2017-01-14 23:30:06 | 家具
本日納品した仕事の紹介

昨年秋にご依頼を頂き製作したスタッキングスツールを納品致しました。

この製作は持ち込みの古材での家具製作。

たぶん都内いや全国的にもこの様な依頼を受ける業者って少ないと思います。 大きな会社は絶対に引き受けないし、木工作家さんは作品になり難いので敬遠するでしょう。

わたくしは両方に属さないのでOK(笑) 

今回の製作は解体した床の間材を使っての家具製作。ケヤキの板 3枚をお預かりし、ご相談の上 定番のスタッキングスツールを作る事にしました。

ご希望により4脚の製作 と言う事でスタート

まずは古材なので洗浄をします。



水道水をジャブジャブ流してタワシでこすり砂、埃と共に汚れを洗い流します。 

大胆で こんな方法でよいの?って思うかも ですが、少し位水を使ってもそう簡単に材木の内部まで水は浸透しないのものです。

洗浄の理由ですが、隠れた釘や異物、損傷部等を発見しやすくなる事で木取りが上手く出来、また石や釘を引っ掛けてしまうと一発で刃物が欠けてしまうので、それらを防ぐ為欠かせない作業なのであります。

その後 数日間乾燥させ荒木取り。



構造材に打ち付けた釘がたくさんあります。 それを除去し、木口からの割れ、反り止め材も抜き、使える部分を選んでいきます。

これが大変。 限られた部材でスツールの構造に適した部材を選んで行くのですから・・・。

予想では4脚 十分な部材が取れると思いましたが、無理で、一部工房在庫のケヤキを使ったし、釘穴のある部分も使わなければダメでした。

一番困ったのが脚の部材で定番では幅35mmで厚みが25mmの脚材なのですが、どうやっても厚み20mmの部材しか取れません。
仕方ないので原寸図面を新たに書き直してから製作開始しました。

原寸図を書き直すって大変なんですよ~。半日以上の時間が掛かります。

予想外のアクシデントって感じなのですが、古材による製作ってこんなもの。最初から織り込み済み、想定通りにスムーズに進むはずはないのです。

だから皆やりたがらないのでしょうね。その上、代替がきかないので失敗が許されません。 

通常の数倍集中し、試験材を用意し仮製作をしてから本番に入るので時間がかかって仕方ない。

愚痴ばっかり書き連ねておりますが、この緊張感が完成後の達成感・満足感の基になるから依頼を断らないのでしょう(笑)

で、これが完成品。 古材特有の深みのある艶。 新材では出ません。 古材なので狂いもすくなく落ち着いていましたので、製作の苦労が思ったより少なかったのは良い誤算でした。




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