クルマ(だけじゃないですが)の販売減が見立っており、各メーカーでは操業時間の短縮を発表し続けています。曰く、日当たり3交代制から2交代制や、週休3日制の運用等です。そして、労働時間の短縮に伴い、給与を減額しようとするのは経営者の常のことです。
ところで、マスプロダクション(大量生産)化されたクルマの生産というは、結構にリスキーな商売だと思います。1台のまったく新規の新型車を生み出すのには、関連下請けメーカーを含めれば、軽く数百億を超える金額を要しているのだと思います。
クルマの個別部位毎の設計と生産に要する人員も並大抵のものでなく、試作車が出来てからの例えば衝突試験だって、100台程度は繰り返し行っているのだと思います。
生産ラインにおいても、工場の建屋そのものは決して大したものではありませんが、プレス金型や組立治具等の開発には、相当のコストを要しているのだろうと想像されます。
現在の普通車クラスの日本車の製造時間というのは、確かなことは判りませんが、多分20時間程で完成されているのだと想像されます。もし、この新車部品を町の板金塗装工場に持っていって、組立を行ったとしたら、軽く1千時間位も要するのではないでしょうか。時価当たりの単価を仮に6千円とすれば、これだけで600万円近く高いクルマとなってしまう訳です。
この様に現在のマスプロダクション化されたクルマの生産は、生産工場ラインを止めずに最大効率で運転した場合に、短時間でのクルマの生産を可能とし、販売する価格との利幅を生み出し、メーカーに利益を生じさせるのでしょう。しかし、工場の稼働率が低下するに従い、急激にメーカーの利幅は圧縮されて行くと共に、開発コストの重圧が高まって行くのだと思います。
こんな場合に、マスプロダクション化されていない、例えばフェラーリみたいなメーカーの方が、有利なんだろうと思います。全体としては販売?不振は同様に受けるんでしょうが、開発人員も含め総コストは相対的に低く、生産ラインでも機械化は低く、生産台数も少ないから、人員総数も少ない訳です。仮に生産を辞めてしまっても、マスプロダクションメーカーと比べれば、その影響は小さなものなのでしょう。
追記
寒いい日が続きますが、各地で梅が咲き出す季節となりました。今年も春は訪れるのですが、2009年の日本経済の春は何時訪れるのでしょうか。