過日、「アルミ板金技能の伝承に思う」(11月18日)で、過去のホンダの二輪グランプリマシーンのアルミカウルのことを記しましたが、これを見たあるアルミの板金職人の方より意見を聞きましたので、補足して記してみます。
このアルミ板金職人の方の意見ですが、この仕上げレベルは、限られた時間の中で、手慣れた職人の技を感じられるものであるというものです。これを作った職人は、必要にして十分な精度として、限られた時間の中で、手早くこれを生み出したのだと云うのです。そして、もし、この風味を再生しろと云われたら、それはそれで難しいものであろうと述べるのです。
そんな意見を聞き、改めて思うのですが、職人仕事というのは、何時も限られた時間の中で必要とされる精度の製品を生み出せるか、つまりコストパフォーマンスが追求されると云うことなのだと思います。無限の時間を使用し、とことん追求していけば、何処までも精度は高めることは出来うるのでしょう。しかし、それを有用な価値と見るかどうか刃、製品にもよるのでしょうし、受け取る者の価値観もあるのだろうと暖めて思う次第です。