今日は、あの未曾有の大災害を生み出した阪神大震災から14年目の日です。もう、あれから14年も経ったのかというと思いと共に、自らが年をとったことを感じざるを得ません。
前にも記したことですが、私にとってこの阪神大震災という災害は、近代建築物の安全神話というものが、如何に神話であって、嘘で塗り固められたものであったことが露呈された出来事であったと感じています。
決して崩壊するはずのない高速道路や、大型ビルの数々が、見事なまでに崩壊する姿を曝してくれたのですから、このことに大きな衝撃を受けたのは決して私ばかりではないでしょう。だから、その後の道路や鉄道の高架橋脚の補強工事等が、大規模に進められて来た訳ですが、今後起こりうる震災に耐えられるという保証は、まったくないものだと感じています。
この阪神大震災も、活断層が大きく動いた訳で、この震災後に全国で活断層の存在場所が話題になったことを思い出します。しかし、我が国内で活断層がまったくない地域の方が少ない様ですし、そもそも断層はかつての地震の痕跡を示すものであって、断層がないから地震が起こらないなんてこともないのでしょう。
話は変わりますが、かつて「丹那トンネルのこと」 で記したことでもありますが、掲載した写真は、同トンネルの函南駅側にある慰霊碑です。以前にも記していますが、同トンネルは総延長8キロ弱で、工期7年で着工されたのですが、難工事が続き足かけ16年を経て完成したというものです。この工事期間中の殉職者67名、重傷者600名以上という、現在であれば社会的な大問題になりかねない様な、大きな犠牲の上で完成したトンネルなのです。
ところで、前にも記していますが、工事期間中に生じた大地震により、トンネル先端の切り端で、丹那断層というのが大きく動いていることが知られています。トンネル完成から70年を超えますが、未だこの際の規模を超える巨大地震は生じてはいませんが、何時起こらないとも限らないし、自然の脅威の前には人間の力など、小さなものでしかないのだと感じざるを得ません。