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線状降水帯とは(中国から日本へ続く)

2020-07-18 | 事故と事件
 今日も雨の朝だ。今年の梅雨は、雨量が多く、しかも長引いていると感じる。九州各地では、一時の多雨量から、災害が生じているところだ。一方、TVメディアでは、さほど報じられていないが、長江流域では上流部の重慶、中流部の武漢など、各地で大洪水が発生しており、その被災者は数千万人になって様だ。重慶と武漢の間に位置する世界最大の三峡ダムは、満水の状態で流入量に等しい放流を続けてダムの崩壊を防いでいるが、崩壊の危機が迫っていると報じるNet情報は多い。

 この中国と日本の、断続的に続く多雨は、どうやら関係がある様に見受けられる。それは、東への気流の流れと共に北上する線上降水帯の連続移動にある様に思われる。

 線状降水帯(せんじょうこうすいたい)は、「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50〜300 km程度、幅20〜50 km程度の強い降水をともなう雨域」(気象庁が天気予報等で用いる予報用語)だという。
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九州豪雨をもたらした「線状降水帯」中国ではダム決壊も警戒中
7/9(木) 11:31配信 SmartFLASH
 7月4日未明からの大雨により、九州では熊本県を中心に、死者54人と甚大な被害が発生している。球磨村の渡地区では、特別養護老人ホームが川の水につかり、14人が死亡。いまだ被害の全貌は把握できておらず、警察や自衛隊の捜索が続いている。

 ここまで大きな水害に至った原因として、「線状降水帯」と呼ばれる、大雨をもたらす天気パターンが指摘されている。菅義偉官房長官は、7月8日の記者会見で「台風よりも、線状降水帯のような小規模な現象は予測が難しくなると聞いている」とコメントし、警戒を呼びかけた。

 線状降水帯とはどのようなものなのか。気象予報士の白戸京子さんが、こう話す。

「線状降水帯は、梅雨前線上に次々と雨雲が発生して列をなし、数時間にわたって同じ場所を通過する現象です。長さは数百キロ、幅は数十キロにわたって強い雨をもたらします。

 この言葉は、『ゲリラ豪雨』のように、ここ数年特によく使われるようになりました。レーダー技術が発達して観測できるようになりましたが、地点の予測が難しいことで知られています。

 発達した雨雲は、本来寿命が短く、すぐに衰退するものです。

 しかし、いったん線状降水帯が形成されると、膨大な雨がより長時間に渡って続くため、厳重な警戒が必要となります」

 実は、お隣の中国では、6月から現在まで、記録的な大雨が続いている。中国メディアによれば、これまで湖北、四川など26の省で1370万人が被災し、被害総額は270億元(約4100億円)以上にのぼるという。

 長江流域に設置され、世界最大のダムとされている「三峡ダム」では、ダムの水位が一時的に147メートルとなり、警戒水位を2メートル上回った。「ダムが決壊するのではないか」と、中国国内では不安の声も多く上がっている。

 中国政府は、ダムが竣工中だった2003年当時は「1万年に一度の洪水に耐える」と豪語していたものの、2007年には「1000年に一度」、2008年には「100年に一度」と、徐々にトーンダウン。

 ダム自体は2009年に完成したが、2010年には中国中央テレビが「三峡ダムの能力には限りがあり、希望のすべてをダムに託すことはできない」と報じるまでに至っている。

 もし、ダムが決壊するようなことになれば、流域の重慶、武漢、そして上海が甚大な被害を受けることになる。

 白戸さんは、「九州や中国で起きている水害は、同じ梅雨前線の仕業です」と言う。

「天気図を見ると、ここ最近、梅雨前線が何千キロも離れた中国の、ちょうど三峡ダムのあたりまで伸びているのがわかります。

 これは、南からの暖かく湿った空気と、北からの涼しい空気がぶつかり合っている境目です。性質が違う空気が混ざり合うことで、雨雲が発達するんです。

 今回の梅雨前線は非常に長く伸びていることもあり、今後もまだ大雨は続きそうです」(白戸さん)

 一部では「レベル5(最上位の警戒)」に相当する大雨特別警報が発令された。まず取るべきは「命を守る最善の行動」だ。

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