まだうちが今の場所に移転して間もなく入ってくれたスタッフ。近所の大学に通っていた。
その頃は私たちも今より少し若かったし、もちろんたっちゃんもいなかったし、私も酒も煙草もバンバンだったから、バイトの子達と一緒に仕事が終わってから毎晩酒盛りしてた✨
夢とか恋とか語り合ったり、時には喧嘩したり。楽しかったな。
今はたっちゃんもいるから勿論私は飲まずに帰るし、コロナになってからは賄いも各自持ち帰り。ちょっと寂しいね。
彼はとっても真面目で不器用で、まっすぐな頑固者だった。
バイトに入って間もない頃、宴会の最初の飲み物をお客さんの前で、お盆ごと20杯ほどぶちまけた経歴の持ち主😳
今でも語り継がれるエピソードに笑いながら楽しい夜を過ごした。
「もぅ僕、27っすよ。」
真面目だった彼はいつも自分に悩んでいた。
「なんで僕ってこうなんでしょう。」
酔うと必ず落ち込んでしまう彼。
卒業までの間に何度励ましたことだろう。
27歳になった彼はとっても逞しく、頼もしく見えた。
それまでの間に、どんなに辛いことがあったんだろう。仕事も一度転職したようだし、彼の性格だったら、貫けなかったことに自分をだいぶ責めたことだろう。
でも彼は大人になった。
「ここで鍛えられたんで」
嬉しいことを言ってくれる。
工場勤務の傍ら、セミプロでカメラをやっているそうだ。それがどんな内容か私には良くわからないけど、素敵な写真を撮ってくれた。
可愛い彼女も紹介してくれた。
保育士さんをやっている優しくて気の強そうな女の子。
「いつも明るく引っ張ってくれるんです」
ちょっと照れながらそう言った彼は大人の男になっていた。
店をやっていて良かったなって思う時。
忘れないで来てくれてありがとう。
おやすみなさい✨
おやすみなさい✨